今回ご紹介するのは、コンパクトな住まいに、いかにして“ゆとり”を生み出すかに取り組んだマンションリノベーション。

川沿いに建つ築52年のマンションを、“実際の暮らしの場”としてフルリノベーションした、リノベーションサービス『リノベる。』の広島京橋川ショールームです。

住戸の面積は約61㎡。3方向に窓がある角部屋で、バルコニーに面した間口が広い“ワイドスパン”と呼ばれる住戸でした。

魅力的な条件ではあったものの、ネックになったのは大きなパイプスペース。マンションの共用部にあたるため、壊すことも移動することもできません。

そこで考えられたのが、パイプスペースをコアに、家事動線をぐるりと巡らせた間取り。玄関からLDKへの直通動線とは別に、トイレ、ウォークスルークローゼット、ランドリールームを兼ねた脱衣室といった機能を回遊動線上に配置して、キッチンへとつなげました。

難点を逆手に取って、暮らしやすさにつなげる。発想の転換が効いたプランです。

それでは、実際の空間をぐるりと巡っていきましょう。

玄関は、土間が横に伸び、正面はガラス入りのドア越しに光と視線が抜ける、開放的な空間。下足入れはフロートタイプにして床の広がりを見せることで、よりのびやかな印象にしています。

フロアの床は、石の表情を模した塩ビタイル。ギャラリーやホテルのような、非日常を感じさせる佇まいです。

玄関正面には、オープンな洗面を配置。壁面には『ピクセルタイル』をあしらい、整然とした印象に。そこにラワン材の『ミニマル洗面台』と『棚付きボックスミラー』を合わせ、木のあたたかみを添えています。照明には、丸いフォルムがやわらかな印象をもたらす『ミルクガラス照明』を採用。タオル掛けには『真鍮タオルハンガー』を取り入れて、アクセントにしています。

洗面の裏と、玄関からキッチンへ繋がる裏動線には、クローゼットを配置。洗面裏は、デイリーで使うアウターやゲストのアウター置き場に、可動棚を備えたウォークスルークローゼットは家族の衣服置き場にと、使い分けができる設計です。

洗面を分離させた脱衣室は、ランドリー機能に特化。たっぷりのハンガーパイプを備え付けて、洗濯時の一時干しも、バスタオルをかけるのも、室内干しもできる空間にしています。

ウォークスルークローゼットが隣にあるので、服の片付けもスムーズ。乾いたらさっと収納できる動線が、とても便利そうです。

トイレは、玄関とウォークスルークローゼットの間にレイアウト。玄関やリビングからほどよく奥まった位置にあり、ゲストも案内しやすい、さりげない気遣いを感じる配置です。

コンクリート躯体現しのラフな壁に添えたのは、『コンパクト手洗い器』と『真鍮タオルハンガー』、『真鍮ペーパーホルダー』そして『ミルクガラス照明』。真鍮のゴールドと照明の丸みが、硬質な雰囲気を和らげています。

玄関からと、ウォークスルークローゼットを介したルート、2つの動線から出入りができるLDKは、15.6帖。石模様のフロアと、直線のラインを強調した壁や梁で、洗練された印象に仕上げています。

そんなモノトーンの空間に彩りを添えているのが、木の素材でまとめたキッチンです。

木製システムキッチン』、『オーダー吊り戸棚』、『木製キッチンカウンター』をラワンで統一。カウンター背面は、『木製キッチンカウンター』のユニット収納の裏側に下地合板を貼り、その上から『クラシックリブパネル』で仕上げました。

クラシックリブパネル』は、エッジにマット塗装を施したタイプをセレクト。『木製システムキッチン』のラワンとは異なる樹種と塗装ながら、どちらも赤茶系の仕上げなので、自然に調和しています。

カウンターのまわりを回遊できるキッチンも、家事ラクのポイント。調理家電やゴミ箱はカウンターの内側に収納して、リビングダイニングからはスッキリとした景色が広がるようにしています。

木製システムキッチン』側の壁に採用したのは、玄関の洗面に使ったのと同じ『ピクセルタイル』。小ぶりなタイルで主張を抑えながら、タイルならではの立体感が繊細な陰影を生み出し、奥行きを感じる壁面にしています。

レンジフードは『フラットレンジフード』のステンレスバイブレーション仕上げを合わせて、やわらかな陰影のある空間にしました。

そんなふうに素材のコントラストを効かせた空間には、ホテルやギャラリーのような適度な緊張感と、住まいとしてのくつろぎが同居しています。

木や、やわらかなファブリックの家具を合わせることで、そのバランスが心地よく整うよう計算された内装デザインです。

LDKの奥に設けた寝室は、2室に分けられるよう出入り口を2つつくりました。

まだお子さんが小さいうちは一室で使い、将来的に2つに分けたり。大人の二人暮らしなら、間に家具を置いて緩やかに仕切り、それぞれのプライベート空間にしたり。ベッドを置いて余ったスペースを、セカンドリビング的に使うのも良さそうです。

ライフスタイルやライフステージに合わせて変えていける余白があるのがいいですね。

寝室の窓辺は、窓から下の壁を『クラシックリブパネル』で仕上げました。部屋の両端の天井には『アイアンハンガーパイプ』を設置して、クローゼットスペースをつくれるようにもしています。

ドアの横に見える室内窓の向こうは、玄関。寝室の窓から入る明かりを玄関まで届けたり、居室の気配を使える役割を担っています。

照明にひと工夫があるのも、この家のポイント。寝室は、窓辺の下り壁の下にライン照明を仕込み、天井面にやわらかな陰影を生み出すことで、落ち着いた雰囲気をつくりまました。

LDKも、下り天井部分にライン照明を仕込んでいます。明るさを抑えた光の広がりが、忙しい1日を終えて迎える夜の時間に、静かな余韻とくつろぎをもたらしてくれます。

家事を効率よく済ませたあとは、すっきり整った空間で、リラックスした時間を過ごす。そんな、暮らしやすさとホテルのような居心地を、間取りと素材使いによって両立したこの住まい。

家事ラクな間取りと聞くと生活感の強い空間を想像しがちですが、実は生活感を抑えた空間づくりにこそ、家事動線の工夫が欠かせません。

コンパクトでありながら、時間的にも感覚的にも“ゆとり”を生み出すヒントが詰まった事例です。

リノベる。広島 京橋川ショールーム

広島県広島市中区東平塚町
https://www.renoveru.jp/showrooms/kyobashigawa

リノベる。

リノベる。

中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス『リノベる。』を提供。ワンストップリノベーションでは業界最多の実績があります。

リノベーション空間を備えたショールームを日本全国各地に展開し、物件探しから住宅ローン、リノベーションの設計・施工・インテリア、スマートホーム提案まで、ワンストップでサポートしています。

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テキスト:サトウ

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