夫の両親が所有する那須の家をフルリノベーション

「那須の家に来た時は、本当に何もしてない。ずっと家にいて、録り溜めたお笑い番組を観たり、ごはんもスーパーで買ってきた食材で作って家で食べます。夫はこの家で過ごしたがるから、ひたすら家でのんびりしてますね。私はもうちょっとお出かけもしたいんですけど(笑)」

そう話すのは、toolboxの東京ショールームスタッフである馬場。馬場がリノベーションしたのは、栃木県那須塩原の別荘地に建つ、夫の両親が所有する一戸建て。夫の両親も馬場夫妻も普段は埼玉に住んでおり、夏になると那須の家に集まってみんなで過ごしたり、ご両親、馬場夫婦それぞれで訪れて休暇を過ごすという使い方をしています。

木々に囲まれた静かな環境に建つ、馬場家族の家。今回のリノベで外装も一新しました。

「夫の両親も私たち夫婦も、この家で過ごす時間を気に入っていました。でも、建物が古くなってどこかに隙間があるのか、いつも虫だらけになっていて、行ったらまずは掃除から。あと、寒い時期はとても冷えるので、夫の両親はあまり足を運ばなくなってきていました。これからも家族みんながここで快適に過ごせるようにしたいと思って、親孝行も兼ねてリノベーションすることにしたんです」

リビングから見えるのは緑と空。この景色を眺めているだけでも豊かな時間を過ごせる場所。

「森の中にある家」の風景に似合う素材をセレクト

素材選びの基本にしたのは、「木、ネイビー、鉄」。さまざまなインテリア空間のイメージをピンタレストにアーカイブしながら、素材の選定を進めていったそう。

腰壁の笠木や棚板の木の色を揃えて、ネイビーと黒のアクセントにしています。

「埼玉の家をつくる時は、白とグレーを基調に、シンプルな雰囲気の空間にしたんです。そうした無機質な素材感も好きなんですけど、この那須の家の風景には木や石などの素材が似合うと思ったんです。今回のリノベに合わせて家具もすべて新調していて、その雰囲気にも合うものをと考えていったら、鉄やネイビーとの組み合わせに辿り着きました」

壁付け型に腰壁を添えて、手元を隠したキッチン。

キッチンは『木製システムキッチン』のラワンをセレクト。壁はマットな質感の『塗装のキッチンパネル』、レンジフードは『フラットレンジフード』を合わせました。

「木の素材感を感じられる『木製システムキッチン』は、当初から採用したいと思っていたもの。新しいんだけど新品っぽくないところがいい。元々が古いこの家にもよく馴染んでくれていると思います。真冬などあまり行けない期間もあるから、扉付きで収納力のあるキッチンを選んで、埃や虫対策をしました」

ブラックで揃えたキッチン家電が、鉄製の棚受けやペーパーホルダーに馴染みます。

キッチンの背面には、『リングの棚受け』でオープンラックを造作。その横には『アイアンペーパーホルダー』を添えました。

和室時代は部屋の境に段差があったので、高齢のご両親にも配慮してフラットに空間が続くようにしました。

リビングは、以前は和室だったところ。2階にも個室があり和室はほとんど使っていなかったので、ダイニングキッチンと繋がるリビングにしました。

「リビングとダイニングキッチンの間に『木製ガラス引き戸』を入れたのは、夫のリクエスト。一室空間にも感じられるし、別の居場所にいるようにも感じられる距離感がちょうどいいようです。友人が泊まりに来た時は、ゲストルームとしても使えます」

ラスオークフローリング』は幅120のクリア塗装をセレクト。

「床は迷わず『ラスオークフローリング』を選びました。理由はコスパ!この価格で無垢のような表情が手に入るところに惹かれました。本当の無垢だと普段からのお手入れが必要になるけど、この家は時々しか使わない家。なので、このフローリングがちょうどよかった」

ムラ感のある化粧シートで扉を仕上げたクローゼットは、以前は押入れだったところ。

壁付けTVがおさまるニッチは出窓だったところ。冷気が強く閉めっぱなしだったそうで、塞いで壁にしました。TVの背面部分の壁には『ウッドウォールパネル』を貼っています。

デスク前の窓には『ウッドブラインド』を設置。ブラインドの合間から覗く木々の緑を引き立てます。

ニッチ部分以外の壁は、木目調クロスを貼りました。当初は白いクロス仕上げにする予定だったところ、『ウッドウォールパネル』を貼った壁との差が気になり、木目調クロスに変更したのだそう。

木や木目調の素材を各所に取り入れながらも、床と建具、棚板などは薄い色、キッチン本体や壁、ダイニングテーブル天板は濃い色と、色の濃さでメリハリをつけながら空間全体のバランスを取っているのが参考になります。

木製パインドア』の横には『棚受け金物』の鉄を使った飾り棚を設置。トグルスイッチ」もチラリ。

「リビングドアに使った『ワンタッチドアハンドル』は、見た目が好みで以前から気に入っていたもの。『木製パインドア』も、本物の木ならではの表情が良くて、使いたいと思っていたアイテムです」

この部分の壁は新たに作り直したので、枠も造作してドアを入れたそう。アイテムや素材の選定は、ほとんど悩まなかったと言います。

押すだけで開けられる操作性も気に入っていると話す『ワンタッチドアハンドル』。

「普段からtoolboxのアイテムたちに触れていたこともあり、空間をイメージしやすかったとは思います。どこをどう変えたいかも、これまでもこの家で過ごしていたから考えやすかったですね」

家づくりが始まってからアイテムや素材を決めていく人が多いけれど、家づくりは、短期間でたくさんの物事を決めて進めていかなければなりません。「こんなプランだと自分は暮らしやすい」「このアイテムを使いたい」と普段から意識したり、「こんな家具を取り入れたい」と具体的にイメージしておくと、いざ家づくりという時にスムーズに物事を決めやすくなりそうです。

ガーゼカーテン』の相棒に選んだのは『アイアンカーテンレール』。ここも「鉄」で素材を統一。

toolboxのアイテムは全て施主支給して、工務店に取り付けてもらいました。リノベーションは、地元・那須の工務店、ムロイハウジングに依頼。建築関係の仕事をしている叔父からの紹介だったそうで、施主支給の希望を快く受け入れてくれたそうです。

「ショールームに来るお客さんに、使用感を聞かれることがよくあるんですね。実際に自分で使ってみて感想をお伝えできるようになりたいという思いを、ずっと抱いていました」

本当の「居心地の良さ」のために断熱もしっかり

古い戸建てのリノベーションは、耐震や断熱など、どこまでリノベーションするかの決断が難しいもの。馬場は当初は、LDKの内装を変えるだけのつもりでした。

「工務店の方に家を見てもらったら、『断熱性能が低いから、断熱もしっかりすればもっと居心地が良くなるよ』と提案されて。躯体はしっかりしているとお墨付きをもらったこともあって、壁は断熱を入れ直して外壁も貼り直し、窓はインナーサッシを取り付けて二重窓にしました」

二重窓にしたことで、窓からの冷気を気にせずに景色を楽しめるようになりました。

そもそもリノベーションをしようと思った理由は、この家で家族みんなが快適に過ごせるようにしたいという思い。プロの意見をもらったことで、“これからも長く使い続ける家”としてフルリノベーションする決意がついたそうです。

「元々使っていた家だから、リノベして快適になったことをすごく実感するし、自分で考えてつくったことで納得感もある。寒さとか虫の問題はあったけど、元々良い家だったんだなということも改めて感じています」

お湯と水で色違いの水栓をつけているのがかわいい。

せっかく断熱化するならと、お風呂にもこだわりました。お風呂には十和田石と檜を使い、その出来上がりはまるで温泉旅館の趣。LDKからの森の眺めとこのお風呂があるなら、お出かけせずに家にこもりっきりでも十分オフを満喫できそうです。

洗濯機上の棚には『棚受け金物』のステンレスを採用。

1階のサニタリースペースには、タオルをかけたり室内干しができる『アイアンハンガーパイプ』を取り付け、『ミニマル洗面台』のラワンを使いました。

洗面上には『モデストレセップ』、階段上には『マリンデッキライト』を使いました。

寝室がある2階のトイレ前に手洗いスペースを造作。『スクエア洗面器』を木の天板に嵌め込み、ミラーは『古材の洗面ミラー』を使って、明かり採りの木の格子や木目調クロスを貼った天井と雰囲気を合わせました。木をふんだんに使った内装は、緑に囲まれた環境とも心地よく調和しています。

埼玉の家と那須の家を行き来して“オンオフ”を切り替える暮らし

普段は埼玉の家に暮らし、月に1、2回ほど那須のこの家に来る生活を送っている馬場夫妻。リノベーションして家の居心地がアップしたことで、以前よりも那須の家で過ごす時間が格段に増えたそう。

「仕事が忙しい夫は、平日は家には寝に帰るだけという生活で、週末は『パソコンを開かない!』と決めて休むようにしているけど、気持ちがオンから切り替えにくいみたいで。那須の家は、日常の生活から物理的な距離があることがいいんだと思う。この家に来ると仕事と密接な日常から切り離されて、本当のオフになれるんです」

木漏れ日が差し込むダイニングキッチン。照明は「スポットライト」を採用。

緑に囲まれた静かな環境の中で、ただただくつろぐ時間を満喫する。移動は車で2時間。近くはないけれど、その時間も、気分をオフに切り替えていくのにちょうどいいと話します。

「旅行も好きだけど、旅行は手配をするのがまず大変だし、旅先ではアクティビティを楽しまないと!という気持ちになって結果、帰ってくると感じるのは旅が終わってしまった寂しさと疲れ(笑)。だけどここは『家』だから、そういう気持ちにならないし、それでいてリフレッシュできるのがいいところ。埼玉の家は母屋で、この家はちょっと気分を変えたい時に行く“離れ”みたいな感じ。この家は私たちにとってそんな存在です」

「テレビを観たりご飯を食べたり。普通の週末みたいに過ごす時間もここだと特別になる」と馬場。

使われなくなった地方の実家を活用したい、田舎の手頃な家を手に入れて二拠点生活をしてみたい。最近はそんな暮らし方や家の使い方を検討する人が増えています。地方にある家をリノベーションして、家族みんなでセカンドハウスとして使う馬場家族のスタイルは、地方と都市部のいいとこ取りを叶える暮らし方としての参考にもなりそうです。

株式会社ムロイハウジング

現場上がりの元大工が経営する、那須塩原市にある工務店。新築、リフォーム、リノベーション、オリジナル住宅「わのいえ」を提案しています。

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テキスト:サトウ