住まいは80㎡の3LDK。将来家族が増えても、ゆとりをもって暮らせる広さです。
設計を担当したのは奥さま。以前は建築会社で営業兼設計補佐として働いており、これまでもお客様のプランや素材の提案に関わってきた経験があります。今回はその経験を活かして、「いつかやってみたい」と思っていた自邸リノベに挑戦しました。施工はご主人の知り合いのリフォーム会社に依頼し、toolboxのパーツ選びや手配も含めて、細かな部分まで自分たちで調整しながら進めていきました。
物件選びは不動産の会社に勤めるご主人が担当。戸建ても検討しましたが、耐震性や自由度の面で不安があり、奥さまにとっても自分で設計を進めるには少しハードルが高いと感じたそう。暮らしやすさや設計の自由度を考え、最終的にマンションリノベを選びました。
家づくりは、奥さまがテレワーク中心の働き方ということもあり、日中も気持ちよく過ごせるように、直感的に「好き」と思えるものを一つずつ集めて空間づくりを進めていきました。
玄関を入ってすぐの場所にある土間洗面。当初は廊下に設ける予定でしたが、スペースの都合で玄関土間に配置することに。ところが、暮らしてみるとこれが意外と快適だったそう。帰宅後すぐに手を洗えたり、出かける前にさっとメイクができたりと、身支度の動線がスムーズ。
さらに床が土間になっていることで掃除もしやすく、髪の毛や汚れも目立ちにくいのだとか。冬場も意外と寒くなく、以前はサンダルを履いていたものの、最近はマットを敷いて素足で歯磨きをしているそうです。
洗面台は『水彩タイル』を使って仕上げ、アイアンの『ハンガーバー』をタオル掛けとして活用。カウンター下の収納には『ポタリーつまみ』を取り付けて、DIYで仕上げました。
玄関まわりで使いたい鍵や小物類は、さりげなく『アルミラック』にまとめられていて、機能性と見た目のバランスが心地よいコーナーです。
玄関から続く約5畳の広々とした土間は、ご主人にとっての“居場所”にもなっていて、リビングにいないときはたいていここで過ごしているのだそう。趣味のキャンプグッズの収納スペースとしてはもちろん、最近始めたDIYの作業場としても大活躍。toolboxで選んだ『アイアンハンガーパイプ』には、洋服を掛けたりグリーンを吊るしたりと、日常の中で自然に使いこなしています。照明には『マリンデッキライト』を採用し、遊び心のあるこの空間にぴったりのアクセントになっています。
ふたりとも洋服が多いこともあり、収納にはとことんこだわったそう。約4畳あるウォークインクローゼットはまるでショップのような雰囲気。さらに、その反対側にもアウターや掃除機などをしまえる収納スペースをしっかり確保。見せる収納と隠す収納のバランスを意識しながら、自分たちらしい心地よい整理のかたちをつくっています。
キッチンは壁付けスタイル。だからこそ、「見えても素敵な空間にしたかった」と、アクセントになるブラウンの『ラスティックタイル』を選んで、水はね対策もしっかりと。一段段差をつけて調味料を置けるようにするなど、日々の使いやすさも大切にしています。
床は水場にも安心な『土間タイル』でホワイトに仕上げ、窓から差し込む日差しとともに空間を明るくしながら、リビングとの切り替えを自然にしています。
『棒棚受け』で作った棚には雑貨やお気に入りの器などをディスプレイ。気分によって置くものを入れ替えて、新入りを迎えるのも楽しみのひとつだという。『ハンガーバー』もタオル掛けとして活用し、キッチンの壁面は「お気に入り」を飾りながら楽しめるスペースになっています。
キッチンカウンターは奥行きをたっぷりとり、作業スペースとしてゆとりのあるつくりに。上部にはサクラの『ソケットランプ』を吊るして、手元をやさしく照らしてくれます。
リビングの扉には、ガラス入りの『木製パインドア』を採用し、空間に自然に馴染みながらも、ほどよい抜け感を。
さまざまなテイストが混ざり合いながらも、色のトーンを揃えることで不思議と調和が生まれ、心地よい空間に仕上がりました。
蛍光イエローがかわいらしい『手編みロープ照明』を取り入れて、空間に遊び心を添えて。
日差しが心地よく差し込む寝室には、木の素材感を取り入れて落ち着いた空間に。ヘッドボードは『ウッドウォールパネル』を使い、自分たちでDIYしたんだそう。照明はあえて『ガード照明』を選び、リラックスできるラフな雰囲気に仕上げています。
こちらは奥さまの書斎。デスクは『フリーカット無垢材』を使ってDIYしたもの。
今回の間取りプランは、今のふたりにとって心地よく過ごせることはもちろん、将来的な変化にも対応できるように考えられています。この書斎も、ベッドを置ける広さを確保しておき、必要になれば寝室として使えるように。「使い方を最初から固定せず、暮らしに合わせて変えていける“余白”を残したかった」と奥さまは話します。
「この家の中で一番好きな場所は?」という質問に、ご主人は夜の土間、朝はリビングのダイニングでゆっくりと過ごす時間が心地いいのだそう。奥さまは、夕方のリビングや土間の空間が好きで、姿見とソファを置いたその場所で、服を選んだり身支度をしたりする時間をとても気に入っていると話してくれました。
今回が初めての「自邸リノベーション」。設計から施工の段取りまで、ほとんどを自分たちでこなすのは決して簡単なことではなかったはず。けれど、ひとつひとつ決めていく過程が楽しくて、「またやってみたい」と思うほどだそう。
好きなものを集めて、自分たちの感覚で組み合わせ、かたちにしていった家づくり。「気づけば、自分たちらしいと思える住まいが完成していました」と話してくれたご夫婦。まさに、理想の家づくりのかたちが実現した住まいでした。
紹介している商品
関連する事例記事

