広さや好みの内装にこだわりたいリビング。だけど、リビングの「収納」についてはどうでしょう? お気に入りの雑貨や本、レコードやCD、子どものおもちゃや日用品など、リビングに置いておきたいものは暮らしによってさまざま。暮らし始めてから「置き場所がない」「ものが溢れてしまう」とならないよう、収納も含めてリビングの景色や過ごし方を考えておきたいところ。
好きなものを飾って眺めたい。見せたいものと隠すものを分けたい。暮らしの道具を使いやすい場所に置いておきたい。スペースを有効活用したい。「使う」も「しまう」もスムーズな収納にしたい。今回は、そんな“ものとの付き合い方”の違いに注目しながら、5つの視点でリビング収納のアイデアを見ていきます。
好きなものを、リビングの風景に。飾って眺めて楽しむ収納
趣味のコレクションや、お気に入りの雑貨や本。好きなものを眺めながら過ごせるリビングにしたいなら、“しまう”だけの収納じゃもったいない。飾り方や、これからもアイテムが増えていくことまで考えて計画すれば、たくさんのものを受け止めながら、変わっていく様ごとリビングの風景として楽しむことができます。
case1 増えていく旅の思い出を、自由に組み替えられる棚に飾っていく
この家の主は、世界各地を旅するのがライフワーク。「旅先で手に入れた小物や思い出の写真たちを飾りたい」と、リビングの壁一面に棚を造作しました。使っているのは、可動棚パーツ『ウォールディスプレイパーツ』。薄く高さがないブラケットを活かし、縦横無尽に棚板を取り付けて、お気に入りたちを並べています。
棚板の高さや位置を変えられるので、置きたいもののサイズに合わせて棚板を動かしたり、アイテムが増えたら棚板を足したり。棚柱を多めに壁に付けておけば、この事例のように一部の棚板を長くしたり、長さの異なる棚板を互い違いに取り付けたりと、アレンジの幅も広がります。
こんな収納なら、しまう場所を気にせずに、旅先で出会ったお気に入りを連れて帰れそう。眺めるたびに、旅の思い出にトリップできそうなリビング収納です。
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case2 空間を横断する9mのCDラック。大量のコレクションと軽やかに暮らす
趣味のコレクションを手に取れる場所に飾りたい。でも、床は広々使いたい。
この家では、住戸の端から端まで走るオープン棚を造作。その長さはなんと約9m! 壁の上部に設けることで、たくさんのCDを収納しながらも軽やかな印象にしつつ、空間の見せ場にしています。
棚の下の空いたスペースには、オーディオやレコードラックをレイアウト。壁面の余白を見せることで、大量の物量による圧迫感を軽減するだけでなく、そこに置く家具によって空間の使い方を変えていける余白も持たせました。
リビング収納のアイデアとしてもうひとつ着目したいのは、リビングと寝室を緩やかにゾーニングする小上がり収納。隠したいものはこちらにしまうことで、音楽を主役にしたリビングの景色をつくっています。
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「見せる」と「隠す」を棲み分けて、リビングの景色を整える
リビングには、飾って眺めたいものもあれば、置いておきたいけれどあまり露出したくないものもあります。そんな時は、ものに合わせて収納スタイルを使い分けるのがポイント。見せたいものは目に入る場所へ、隠したいものは視線から外れる場所へ。そうやってメリハリをつけることで、「眺めていたいリビングの景色」をつくることができます。
case1 見せたいものは、壁に浮かべた飾り棚に。見せたくないものは、視線の外に
リビング壁面の上部に飾り棚を取り付けたこちらの事例。棚受け金具が表に見えない、「インロー」という方法で棚板を固定しており、水平のラインを際立たせることで、リビングに洗練された印象と軽やかさを演出しています。壁のカラーもポイントで、何気なく置いた小物も、背景色があることで引き立って見えます。
一方、リビングにはルーターや書類など、手の届く場所に置いておきたいけれど、なるべく視界に入れたくないものも。小上がりの奥、四角く切り取られた壁の両脇には幅細の棚が設けられており、生活感の出やすいものを、袖壁の裏に隠すように収納しています。
扉で閉じるのではなく、普段過ごす場所から視線が届きにくい位置にしまうことで、出し入れのしやすさを保ちながら生活感をオフ。見たいものだけが映える、すっきりとしたリビングの景色をつくっています。
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case2 整って見える秘訣は“グリッド”。本と暮らす蔵書家のリビング
蔵書家の施主は以前からPinterestなどで本棚の写真を集めており、その数は約2,000枚。その中からお気に入りのイメージを絞り込み、リノベーションで憧れの本棚を実現しました。
サイズの異なる本がたくさん並んでも整って見える秘訣は、等間隔に区切ったグリッド棚。ダイニング側は背の高い本が入るよう4段に、テレビ側はテレビやソファとのバランスを考えて5段にするなど、場所に合わせてグリッド寸法を調整しています。埃がたまりやすい下段は扉付きにして、サイズが大きい雑誌類を収納。隠す収納も取り入れることで、たっぷりの物量を受け止めながら、天井まである収納の圧迫感を抑えています。
施主は棚ごとに並べる本のテーマを分けたりして楽しんでいるそう。本棚と一体で計画したデスクも設けられ、窓辺でお気に入りの本を読み耽る時間までがデザインされています。
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片付け上手じゃなくても整う。暮らしを助けるリビング収納
リビングに置きたいのは、趣味のものや飾りたい小物だけとは限りません。掃除機や裁縫道具、救急箱や書類など、日々の暮らしの中で使う実用品も、暮らしの中心であるリビングにあると便利なもの。よく使うものは、手に取りやすい場所に置いておきたい。でも、整理整頓はちょっと苦手。そんな人にも参考になる、頑張りすぎなくても整いやすいリビング収納を紹介します。
case1 壁のような引き戸で丸っと隠す。中は自由にアレンジできる現代版「押入れ」
「生活の要素が少ないことで得られる気持ち良さを優先したい」という施主の想いを反映してリノベーションされたこちらの住まい。無垢のチークフローリングと白で構成されたリビングは、お気に入りの家具だけが置かれ、とてもすっきりしています。
とはいえ生活に必須な道具もあります。そこで取り入れたのが、天井まで高さがある壁のような引き戸で隠すリビング収納です。キッチン用品や衣服以外の、暮らしに必要なものはここにまとめて収納。内部は細かく仕切りすぎず、背の高いものや箱に収まりにくいものも受け止められるつくりにしています。
大きな引き戸は、開ければ中身が一覧でき、ものの出し入れがしやすいのもうれしいポイント。収納の半分には家族共用のデスクも“収納”されており、使わない時は丸ごと隠せるしくみです。暮らしやすさと、生活感を抑えたすっきりした景色を両立したリビング収納です。
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case2 暮らしのあれこれを受け止める、「なんでも納戸」があるリビング
背の高い家具がない、のびのびとしたリビング。その開放感を支えているのは、テレビがある壁の裏にある、約2.5帖の“なんでも納戸”。ここは、元々は押入れがあった場所。新たに壁をつくり、キッチン側から出入りができる納戸にしました。
奥行き浅めの可動棚と奥行き深めの可動棚を設置しており、食材や日用品のストックのほか、来客時に片付けたいものもガサっと収納できる懐深さがあるのが良いところ。さらに、『ランドリーハンガーパイプ』と換気用の『木製室内窓』も取り付け、室内干しができるようにしました。コンセントも設けたので、除湿機やサーキュレーターが使えます。リビングの窓辺に室内干しの洗濯物がずらり……という風景を避けられますね。
リビングに造作した畳仕上げのベンチも、下部は収納として活用。引き戸をつけなかった部分は奥にコンセントがあり、お掃除ロボットの基地にすることもできます。
これまで家の奥に置かれがちだった納戸や押入れ的な機能を、リビングのそばに持ってくる。「そんなリビング収納の考え方もあるのか」と、視点が広がるアイデアです。
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お気に入りをリビングの彩りに。“ちょっと見せ”を楽しむ収納
大きな飾り棚をつくるほどではないけれど、お気に入りを少しだけ見せて楽しみたい。リビングはなるべくすっきり保ちたいけれど、家族の好きなものや思い出を飾れる場所がほしい。そんな時は、全部を見せるのではなく、“見せ所”をつくってみるのもひとつの手。お気に入りを空間のアクセントにする、“ちょっと見せ”の収納アイデアを紹介します。
case1 “見せ所”を絞って、リビングの景色と過ごし方にメリハリをつくる
人造石研ぎ出し仕上げの天板が存在感を放つ、長さ3.6mのキッチンを主役に据えた住まい。暮らしの中心になるキッチンのリビング側には、お気に入りの洋書を飾る棚を造作しました。並べた本の色や表紙が彩りになり、重厚感のあるキッチンにカジュアルな表情を添えています。
キッチンの一部はテーブルになっており、隣の棚から取り出した一冊をパラパラと眺めながら、朝のコーヒーを飲む。そんなシーンが思い浮かんできます。
この家は、テレビまわりの収納もユニーク。テレビを扉で隠せるつくりになっており、観たい時は扉を折り畳んで棚の中に格納できます。普段は扉を閉めることで暮らしがテレビ中⼼にならず、家族で過ごす時間を大切にできているそう。
見たいものは気軽に楽しめる場所へ。テレビは観たい時だけ楽しめるように。“見せ所”を絞ることで、リビングの景色だけでなく、そこでの過ごし方にもメリハリをつくっています。
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case2 目立たせたくない梁や柱を、“見せる収納”に仕立てる逆転アイデア
ラワン合板の板張り天井と壁が、ほどよいおこもり感をつくり出しているリビング。板張り天井の一部を飛び出させて、お気に入りの本や小物を飾れる吊り棚にしています。
実はこの飾り棚は、太さが90cmもある梁を目立たせないために生まれたもの。そのまま見せると存在感が大きく圧迫感があったため、そこへ板を貼ることで、空間に落ち着きをもたらしながら、飾る場所まで生み出すというアイデアがユニーク!
飾り棚から続くラワン合板仕上げの壁とニッチ収納の裏にも、太い柱が隠れています。無印良品のファイルボックスが入る奥行きになったのは偶然だったそうですが、見せたくないものは収納用品にまとめれば、扉のないオープン収納でも整った印象をつくりやすくなります。
存在感のある梁や柱を、“見せる収納”に変えて隠す。そんな逆転のアイデアで、好きなものと木の質感に囲まれる心地よさを叶えました。
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「しまう」だけじゃない。好きなことが「始まる」収納をつくる
リビングに置きたいものの中には、子どものおもちゃやゲーム、漫画、楽器など、すぐ手に取って使えることを大切にしたいものもあります。取り出しやすく、片付けもしやすい収納なら、「やろうかな」と思ったそのときが、好きなことの始まりに。遊びや趣味を日常の中で楽しめるリビング収納のアイデアを紹介します。
case1 ボードゲーム専用設計!家族の「遊び」が詰まった壁一面の収納棚
リビングの壁一面につくった棚におさまるのは、ご夫婦が趣味で集めてきたボードゲームと、お気に入りの漫画や小説、そして子どもたちの絵本や図鑑。ボードゲームは箱のサイズが一つひとつ違うため、おおよそのサイズに合うように棚の高さと奥行きを計画しました。
最下部の引き出しは、デジタルファブリケーションを使って棚にぴったり合うサイズで製作。細かいおもちゃをしまうことができ、使いたい時は引き出しごと出して、遊び終えたらポイポイと戻せば片付け完了。子どもたちにも使いやすい収納になっています。
隣の小上がりは、ゲームで遊んだり、本を読んだりするのにぴったりなスペース。下部は季節ものの収納として活用しているそう。遊ぶものがすぐ手に取れて、遊ぶ場所もすぐそばにある。「やろう」と思ったその瞬間に始められる、家族の楽しみを後押しするリビング収納です。
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case2 聴くも、弾くも楽しめる。プレーヤーとピアノが引き出せる造作収納
リラックスして過ごす、デスクワークをする、友人を招いて音楽や食事を楽しむ。複数の役割を持つLDKを、その時々の過ごし方に合わせて使いやすく整えるために、リビング収納を造作したこちらの事例。
収納には、アンプやレコードプレーヤー、ウーファーなどのオーディオ機器をまとめて配置。レコードプレーヤーや電子ピアノは、使う時だけ手前に引き出せるように計画されているので、「聴こう」「弾こう」と思った時にすぐ楽しめます。
開き戸の中には、仕事で使うモニターや書類、ワゴンなどをまとめて収納。以前は来客のたびに別室へ移動していましたが、使う場所のすぐそばにしまえるようになりました。オーディオ機器の配線が集まるコンセントまわりは、背板をワンタッチで外せる工夫を施し、機器の追加や配線変更にも対応しやすくしています。
リビングでのいろいろな過ごし方を受け止め、促してくれる、暮らしの相棒のようなリビング収納です。
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さまざまな空間事例や、「使用アイテム情報」を紹介している『imagebox』。今回ご紹介した以外にも「リビング収納」のタグからユニークなアイデアたちを見ることができます。空間づくりの参考にぜひご覧ください。