アウトドア用品をしまったり、泥汚れを落としたり。そんな実用的な用途で、住まいに土間を取り入れるお家が増えてきました。でも、もし土間がそれだけで終わらない「気分を切り替える場所」だったら?
リビングでも寝室でもない、家の中の“余白”。土間を居場所として捉え直すことで、家の中での時間の使い方が、ほんの少し変わります。
“フレキシブルに使える場”という土間本来の特性を活かしながら、心地よく過ごせる空間へ。今回はリノベーションで叶えた「過ごす場所になる土間」のアイデアを紹介します。
創作に没頭するアトリエ、愛車を愛でるインナーガレージ。趣味の幅を広げてくれる土間空間
汚れを気にせず、土足でもガシガシ使える土間は、創作活動や愛車のカスタムなど、趣味を全力で楽しむのに最適な場所です。
ただ床を土間で仕上げるだけでなく、そこに合わせる壁や棚のつくりにこだわることで、時間を忘れて過ごせる特別な居場所へと変わります。
case1 ガレージにライブラリー、庭が合体!マンションの一室に「公園」のような広間を
玄関の目の前に広がるのは、ガレージとライブラリーが合体した広い土間!靴を脱がずに掃き出し窓からテラスへ出られる動線で、庭の延長のようにのびのび使うことができます。
ユニークなのは、この土間を中心に、リビングと寝室が左右に分かれた間取り。土間に並んだ飛び石を渡って行き来するという、家の中とは思えない遊び心ある仕掛けが施されています。
中央の壁一面には、本をぎっしり並べて。合間に設けられた小窓からは、隣にあるご主人の趣味室の気配がゆるやかに繋がります。さらに棚の下部は、愛車のメンテナンス道具をしまえるだけでなく、ベンチとして腰掛けられるようなつくりに。
「家の中」というよりも、家族それぞれが好きなことに没頭できる「公園」のような居場所です。
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case2 質感のあるベージュ壁とラワンの壁で、ぬくもりを添えた土間アトリエ
マンションの一角に広がる大きな土間は、裁縫を趣味とする妻のプライベートアトリエ。型紙を大きく広げたり、布を裁断したりといった作業も気兼ねなくできる、贅沢な空間です。
モルタル床に合わせたのは、ラワンの壁と、ざらりとした質感のベージュの塗装壁。無機質になりがちな土間に、あたたかみを添えました。壁にやわらかく広がる光が、時間の流れをゆるやかに感じさせてくれます。
作業のための場所ながら、穏やかな気持ちで自分時間に没頭できる場所。好きなことに向き合うひとときが、自然と心を整えてくれる土間です。
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通り抜けるだけじゃない。家族やご近所さんが交差する、動線上のコモンスペース
続いて紹介するのは、玄関から室内への通路として必要な動線や収納を確保しながらも、光や風を取り込み、家族が自然と足を止めて集まるインナーテラスを兼ねた土間です。
時には、ご近所さんをもてなす場所になったり、天候を気にせず子供やペットがのびのび遊べるマルチスペースになったり。ちょっとした造作の工夫で居心地を整えるアイデアです。
case1 半屋外、だけど落ち着くおこもり感。ヌックのある土間空間
戸建てのリノベーションによって生まれた、庭に面した日当たりの良い土間空間。植物の手入れをしたり、野菜を広げておいたりといった土間本来の使い方に加え、客間としても機能するようにと用意されたのが、“ヌック”。
ヌックの周りにテーブルや椅子を並べて、ご近所さんと井戸端会議を楽しんだり、家族でアウトドアリビング的に使ったり。座れる場所をつくっておくことで、土間をおもてなしの場に仕立てました。
ベンチや椅子を置くという手もありますが、こもり感のある“ヌック”が、開放的な空間に「内」の場所としての親密な居心地をつくっています。
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case2 古い団地のおおらかな空気を室内に。赤茶のタイルと木製サッシであたたかく過ごすインナーテラス
家族3人で暮らす、築47年の古い団地の一住戸。敷地内の豊かな外部環境を、家の中まで引き込むように、玄関から室内にはレンガのような『クリンカータイル』を敷き詰めました。
下足入れの天板は、帰宅時に手荷物を置いたり、立ったまま書き物をしたり、お気に入りの絵や雑貨を飾れる場所。用途を限定しないつくりにしたことで、「使い方を自由に考えられる」余白になっています。
土間の先には、公園の遊具を思わせる滑らかなカウンターデスクを造作。さらに奥にはお子さまの絵本スペース、家族の寝室へと繋がります。
既存窓の内側には『木製ガラス引き戸』をインナーサッシとして設置。断熱性を高めながらも、無垢材の木枠と赤茶色の土間床が、縁側のような心地よさをつくっています。
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境界をなくして、もっとのびやかに。素材で居心地を切り替える「リビング一体型」の土間
従来の「靴を脱ぐ場所」という概念を飛び越え、リビングの居心地と土間の自由さを一つの大空間で楽しむ。それがリビング一体型土間の魅力です。
壁で空間を仕切るのではなく、床の質感を変えることで、部屋の役割や気分をゆるやかにスイッチする。家族がそれぞれ違うことをしていても、同じ空気感のなかで心地よい距離感を保てる、新しいリビングの形です。
case1 “ひんやりしない”土間で家族団らん。昔の民家のようなマンション空間
台所を備えた“土間”の先に畳の“茶の間”が続く、日本の昔の民家の空間構成を、マンションで再現したリノベーション事例。
土間部分の床仕上げに採用したのは、天然素材のリノリウム。乾いた土のようなカラーを選びました。ひんやりせず、抗菌性もあるリノリウムは、幼い子どもたちが床で遊ぶ際も安心。水や汚れにも強いので、キッチンやダイニングの床としてもピッタリです。
子どもたちが床で遊ぶ横で台所仕事をする光景は、昔の民家のよう。土間らしさを活かしながら、素材の選び方で現代の暮らしに寄り添う空間へとアップデートしています。
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case2 アアルト自邸に学ぶ素材選び。オフィス兼ダイニングのメリハリを生むモルタル土間
44㎡の中古マンションを、自宅兼オフィスにリノベーション。仕事に向き合うダイニングには、モルタル床の土間を採用しました。ギャラリーのようなほどよい緊張感のある仕上げが、集中するためのスイッチになっています。
仕事モードだけでなく、日々の生活をおくるオフの場として、安心感を与えているのが、壁面のラワン。アルヴァ・アアルトの自邸からインスピレーションを得て、木目が穏やかなものに赤みのある染色を施しました。隣に続く柔らかなイエローの壁と共に、室内を優しい空気で満たしています。
視線の先にあるリビングの床は、柔らかなカーペットで切り替えて。モルタルとカーペットという対極の組み合わせも、同系色でまとめて馴染ませました。硬さと柔らかさのコントラストは、オフィス兼自宅として過ごす空間に、感覚的なメリハリをつくってくれています。
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さまざまな空間事例や、「使用アイテム情報」を紹介している『imagebox』。
今回ご紹介した以外にも「土間がある暮らし」のタグからユニークなアイデアたちを見ることができます。空間づくりの参考にぜひご覧ください。