留学先のイギリスで、家をDIYして暮らす友人たちの暮らしぶりを見て、「自分好みの心地よい空間づくりを探求していいんだ!」と、住まいに対する考え方が変わったと話すお施主様。

日本に帰国した後に暮らす部屋に思いを巡らせた時、「あの9畳のワンルームで過ごすのはもう無理だ!」と、家づくりを決断。帰国の1ヶ月前からオンラインで色々なリノベーション会社の説明会に参加し、依頼先を探す中で出会った「EcoDeco」に物件探しからの並走を依頼して、リノベーションを実現しました。

留学中は休暇を利用してヨーロッパの国々をめぐり、家づくりにはそこで見た光景が生かされているそう。

ダイニングのラワン壁は、フィンランドで訪ねたアルヴァ・アアルトの自邸がアイデアソース。木目がなるべく穏やかなものを選び、赤みのある染色を施して、アアルト邸のイメージに近づけています。

オフィスも兼ねるダイニングは、床仕上げにモルタルを採用。お店やギャラリーなど、非住居空間によく用いられる素材を使うことで、仕事に向き合うためのほどよい緊張感が生まれました。

玄関を入ってすぐのホールの壁に取り付けたのは、『メタルラウンジライト』。レトロなホテルにありそうな佇まいが、空間にパブリックな雰囲気を添えてくれています。

キッチンはダイニングの一角に、壁付けで設置。レンジフードはコンパクトな『キューブ型レンジフード』を採用しました。白いキャビネットにステンレス天板を組み合わせたキッチンは、シャープで洗練された雰囲気。天井際まであしらった細長いタイルが、整然とした印象を引き立てています。

お施主様は当初、キッチンをオープンな位置に配置することに、「生活感が出てしまうのでは」と懸念を抱いていたそう。

けれど、自分の生活を見つめ直してみると、「料理が趣味」というタイプではないから、グリルは要らないしIHでOK。設計士のアドバイスでキッチンに収納したいもののサイズを計算したら、キャビネットに十分収まったこともあり、吊り戸棚やオープン棚も付けない、“キッチンらしさ”を感じさせないキッチンが実現できました。

炊飯器やケトルなど、生活感の出やすいキッチン家電も、キャビネットの中に収納。使う時だけ出すスタイルで生活しています。

洗面は、玄関ホールと浴室を繋ぐ動線上にレイアウト。奥にはクローゼットがあり、その横には脱衣所と浴室があります。

生活感がでがちな要素を奥まった位置に集めつつ、快適な身支度動線と洗濯動線を両立しています。

キッチンに立った時やダイニングから、ちらりと目に入る位置につくった洗面。タイルは、光の加減でパープルにもブラウンにも見える、絶妙なカラーを選びました。

色鮮やかなタイル選びは、ヨーロッパで見た家々の明るい色使いやタイル使いの影響。そんなタイルを主役にするべく、照明は『ボールライト』、タオル掛けは『ハンガーバー』のステンレスと、シンプルなものを合わせています。

居室スペースから完全に死角になるトイレには、大胆に柄クロスを使いました。この壁紙はお施主様がDIYで貼ったそう。照明には『手編みロープ照明』が使われていて、居室スペースとはちょっとテイストの違う、遊び心を盛り込んだ空間にしています。

リビングゾーンの鮮やかなイエローの壁は、ポルトガルの港町・ポルトで泊まったホステルの壁を参考にしました。

北欧家具や、躯体表しなどのワイルドなインテリアも好きだったものの、南欧のカラフルな色やタイルを取り入れた家々と、そのあたたかい雰囲気に惹かれ、「この方が私の好みだと気づいた」と言います。

そんなふうに、「自分が心地よいと思うもの」を集めて空間をつくり上げていったお施主様。

硬質なモルタル床とは打って変わって、リビングの床はカーペットを採用。小さい頃に近所の人に連れていってもらった避暑地の別荘で過ごした時間が好きで、その空間をイメージしました。

モルタルとカーペットという異素材の組み合わせは、色味を近づけることで馴染ませました。硬い素材と柔らかい素材のコントラストは、オフィス兼自宅として過ごす空間に、感覚的なメリハリをつくってくれています。

ソファとベッドを置いたリビングゾーンには、よく見ると天井に照明がありません。くつろぐときは、ベッドサイドのスタンドライトだけで過ごしています。

ヨーロッパでは、部屋全体を明るく照らすのではなく、必要な場所だけを照らして明暗をつくり、リラックスした雰囲気をつくり出すのだそう。そうした照明のあり方に触れた経験が、ダイニングに吊るしたルイス・ポールセンの「VL 45 ラジオハウス ペンダント」を主役にした照明使いにも活かされています。

以前の家では朝から晩まで働き詰めという生活を送っていたと話すお施主さま。この家に暮らし始めて、根を詰めているなと思う時は照明を落としてソファで過ごしたり、仕事をする時と食事をする時で使う椅子を変えるなど、オンオフをうまく切り替えながら暮らせるようになったと言います。

旅先で食器や花器を集めたり、手持ちのキャビネットをDIYで塗装したり、植物を置きたい場所に合わせてソファの位置を変えるなど、部屋を自分好みにアップデートし続ける暮らしを楽しんでいるお施主さま。ヨーロッパを旅して見つけた「本当に心地よいと思えるものに囲まれて暮らす幸せ」を、今も大切に育んでいます。

※こちらの事例はimageboxでも詳細をご確認いただけます。

EcoDeco

EcoDeco

株式会社Style&Decoが運営するリノベーションブランド。中古マンションの仲介から資金計画、リノベーションにまつわるあらることをトータルにサポートしています。コーディネーターは、不動産探しから設計まで一貫して担当できる不動産と設計のプロ。「住まい手の暮らしに合わせたオーダーメイド」のリノベを得意としています。

テキスト:サトウ

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