内部の詳細を早く見てほしい!という気持ちをひとまず抑えて…まずは物件概要から。

舞台となるのは、大阪・中津に建つ、A~D棟という4棟からなる大規模マンションです。このマンションは、梅田駅徒歩圏内という抜群の立地ながら、閑静な住宅街に位置する、界隈では知る人ぞ知る有名なヴィンテージマンションです。

敷地の北側には淀川が流れ、中央には大きな公園が広がり、周囲にはスーパーやコンビニ、飲食店なども揃う、理想的な住環境。

このお部屋のもう一つの注目ポイントは、メゾネットになっているという点。上下階に分かれた構造で、マンション内のどの住戸からも淀川の景色を楽しめる贅沢なつくりになっています。

まずは、下階に位置するダイニングキッチンからご紹介していきます。

オーダーキッチン天板』を用いた造作キッチン。シンプルながら、タイルがアクセントとして取り入れられ、素材の質感や温もりを感じる空間に仕上がっています。

キッチンの手前には、使い勝手の良い造作カウンターが設けられています。キッチンの延長として調理スペースを広げるだけでなく、ダイニングテーブルや収納スペースとしても活躍する、頼もしい存在。

キッチン全貌。戸棚の把手とタオル掛けには『溶融亜鉛メッキの把手』でラフさをプラス。

手元灯には小ぶりの『ミニ磁器レセップ』を2灯使い。

カウンター天板はモルタル調の仕上げに。

キッチンとダイニングが自然に一体化した、くつろぎの場が広がります。

R開口の垂れ壁が、空間を柔らかく彩ります。

ベンチやオープン棚など、暮らしの手掛かりになるような要素が散りばめられたリビング。

程よいおこもり感のあるヌック。ベンチの下は収納に。

元押入れだったスペースを活かしてつくったというヌックは、こもり感が絶妙。ここで一息ついて、静かな読書のひとときを楽しんだり、ゆったりリラックスしながら過ごしたり…まさに癒しの空間です。

二人暮らしでもし喧嘩をしてしまったときにも、別々に寝ることができる予備ベッドとしても使えるように、という遊び心のある裏設定もあるんだとか(笑)。

下階と同じこだわりの造作建具やヘッドボードが、空間を引き締めます。

続いて上階へ。上の階は寝室兼プライベートルーム。

寝室の特徴は、小上がりの仕様になっていること。ベッドフレームを必要とせず、マットレスや布団を敷くだけでベッドルームが完成します。さらに、小上がりの下は収納スペースになっていて、無印良品の収納ケースがぴったり収まる高さに設定。

鋼製配管と組み合わせた照明は、『工業系レセップ』のフラットグレー。鋼製配管と照明の無機質さが、空間の程よいスパイスに。

ヘッドボードには『クラシックリブパネル』を使用し、壁面はモルタル調の特殊塗装仕上げに。ヘッドボードの見切り材にもこだわり、アイアンを採用。素材感漂う、落ち着いた雰囲気の空間に仕上がっています。

小上がりに敷かれた『チェッカーパーケット』は、クラフト感あふれる表情が特徴。足元に温もりのあるアクセントをもたらしながら、触れるたびに心地良さを実感させてくれるはず。

窓際には、ハンガーパイプが設置してあり、植物を吊るしたり、お気に入りのアイテムを飾ったり、インテリアの一部として空間を自由にアレンジできるようにしてあります。

小上がりの正面に設けられた間仕切壁の裏側は、広々としたウォークスルークローゼットとワークスペースに。

リバーサイドの景色を横目に、作業に没頭できるワークスペース。通り抜けできるクローゼットなら、朝の準備もスムーズ。

眼下に広がる公園の緑を楽しめるのも魅力のひとつ。

そして、いよいよお待ちかね。このお部屋の真髄とも言えるリバービュー。

時間帯や季節ごとにさまざまな表情を見せる淀川の景色は、日々の生活に豊かさと潤いを与えてくれそう。

寝室の外に設置されたオープン洗面も、目を引くポイント。
レトロなタイル仕上げが、懐かしい雰囲気を醸し出し、落ち着いた居心地の良さを感じさせます。

レトロエイジタイル』のオリーブに、素朴な雰囲気の『アルミニウムブラケットライト』がよく合っています。

建物自体のポテンシャルもさることながら、その魅力を一層引き立てるための工夫が、随所に施された住まい。構造や立地の良さに加え、日々の暮らしをより快適に、豊かにするためのこだわりが、ぎゅっと詰まっていました。

今回ご紹介した事例は、cozyplanのプランナーが販売用として、住まい手の暮らしに思いを馳せ、楽しみながら設計した再販物件です。

「自分でイチから考えるリノベーションはハードルが高そう…と尻込みをされている方に向けて、自分で考えずとも、自分の思い描く心地よい暮らしができるリノベ済みの物件を増やしていけたら」そう最後に、力強く語ってくださいました。

株式会社cozy plan

お客様の帰りたくなる家、大好きな家、楽しい家づくりを心がけ、企画・デザインから設計・施工までをすべて完結できるワンストップ体制で、大阪エリアを中心に戸建てやマンションのリフォーム・リノベーション工事を行なっております。

テキスト:八

関連する事例記事

「広いリビング」だけじゃない。家事ラク間取りが「のんびり時間」を生む、100㎡超えの住まい
「広いリビング」だけじゃない。家事ラク間取りが「のんびり時間」を生む、100㎡超えの住まい
誰もが憧れる「広いリビング」。でも、そこでゆっくり「くつろぐ時間」がなければ、本末転倒。子どもが個室に引きこもるのを防ぐ工夫や家事ラク要素を盛り込んで、「広いリビングで家族がくつろぐ時間」をつくり出した事例をご紹介します。
「長く住む家」だから、着飾りすぎず、シンプルに。変わっていく暮らしを受け入れる“素地”の家
「長く住む家」だから、着飾りすぎず、シンプルに。変わっていく暮らしを受け入れる“素地”の家
着回しが効く、長く付き合える一着を選ぶように。つくり込むのではなく、暮らしのベースをつくる感覚でリノベーションして、これからの暮らしに寄り添い続けてくれるマイホームをつくった事例をご紹介します。
遊び心あふれる楽園!セレクトリノベで叶えたアトリエのある家
遊び心あふれる楽園!セレクトリノベで叶えたアトリエのある家
部屋の中の古代文明オアシス、トイレの中の小さな美術館、夢の見守り塔…… 今回ご紹介するのは、大阪・吹田市にある、78㎡のマンションを住まい兼アトリエとしてリノベーションした家です。 お施主様とアーティストであるパートナーが、それぞれの感性や日常の楽しみを住まいに映し込み、遊び心あふれる楽園のような家をつくりあげました。
ミッドセンチュリーと下北沢カルチャーが交差する、“泊まれるリビング”
ミッドセンチュリーと下北沢カルチャーが交差する、“泊まれるリビング”
タイムレスなミッドセンチュリーデザインに、下北沢カルチャーをプラスした空間。ホテルとして快適に過ごせるのはもちろん、仲間と集まって暮らすように楽しめる工夫もいっぱい。家族だけのマイホームとはまた違う、“仲間と過ごす場所”の事例が届きました。