撮影:長谷川健太

敷地いっぱいに建てたが、建物の角を折り込むように庇をつくることで街とのつながりをつくった。(撮影:長谷川健太)

木、重なる

撮影:長谷川健太

一歩中にはいると、ラワンの壁と根太現しの天井。右側は水回りとなっており、まるで箱が置かれたような佇まいです。奥は、半地下になっていてクローゼットと寝室を配置。

ぐるりと壁を囲むように備えられた枠梁が、床の高さが変わることで、キッチンの高い飾り棚から、リビングではデスクになる変化が面白い。(撮影:長谷川健太)

目の前の階段を上がっていくと、ダイニング・キッチン。小上がりのようなスペースがあって、その上がリビングというスキップフロアになっています。

ダイニングやリビングという家族が集まる場所に階段があるからこそ、ふと腰掛けたり、子どもならちょっと宿題をしたり遊んだりと、自然に集まる時間が増えそうです。

寝室や子ども部屋はちゃんと仕切られており、プライベートは確保できるつくり。(撮影:長谷川健太)

リビングから上がる階段の左手には本棚が。目に入った本をふと手にとって、階段に座って読み始めるのもいいですね。

上がるとフリースペースの奥に2つ子ども部屋があります。

まだ先があります。しかも階段とハシゴの2つも!行き着く先はそれぞれ屋上・ロフトでした。

階段の蹴込板を無くすことで、さらに視線の抜けをつくり出しています。(撮影:長谷川健太)

階段をぐるぐると登ったり降りたりしたくなるような、重層的な空間。

間口は広くないものの、吹き抜け越しに光や空気を通すことで、開放感を演出。まるでワンルームのようにそれぞれの空間がゆるやかに繋がっています。

巣のようなニッチスペース

撮影:長谷川健太

キッチンとリビングの間にある、ピアノが置かれている小上がりは、水回りの天井の上。実は、階段の裏に回ると、リビングの床下にニッチスペースがあるんです。

撮影:長谷川健太

高さは子どもが座れるくらいですが、ここをあえて人がギリギリ入り込める高さにすることで、この家ならではの過ごし方が生まれているように思います。

友達の家にこんなスペースがあったら毎日のように通ってしまいそう。(撮影:長谷川健太)

クッションとブランケットを持ち込んで昼寝をしたり、一人で読書に集中したり、ゲームに夢中になったり。開放的な部屋もいいけれど、こういう狭いところに入り込みたい気分の時もある。そんな自分も肯定してくれるかのようなやさしい空間です。

同じように歳を重ねる、木のキッチン

撮影:長谷川健太

長く住むことを想定して、生活に欠かせない水回りや寝室は下層階に配置したこの住宅。

根太現しの天井、ラワンの造作階段・壁に、ラワンの面材のキッチンと吊り戸が好相性。(撮影:長谷川健太)

そんな長く付き合っていく住宅のキッチンには、木のキッチンがよく似合う。壁や階段にも使われているキーマテリアル、ラワンを面材にした『木製システムキッチン』を取り入れていただきました。

ラフな表情を持ちながら、食洗機やオーブン*も入る本格仕様。

キッチン上には、ラワンで作った造作吊り戸。『オーダー吊り戸棚』の発売前にできた物件だったのですが、現在はサイズオーダーができるので、「木製システムキッチン」と一緒にご注文いただけます。

レンジフードは、高さ20cmと存在感もミニマルな『フラットレンジフード』。ステンレスのシャープが雰囲気が、水平に続いていく枠梁のラインを邪魔しません。

住まい手が歳をとるのと同じく、家もそれだけ歳をとっていく。ふんだんに使われた木も同じように経年変化していくのでしょう。「木製システムキッチン」もそんな時の流れに寄り添ってくれると思います。

 

天井が高く、開放的な空間でありながら、こもれる場所がある秘密基地のような住居。一度は憧れたツリーハウスのような、公園で秘密基地をつくって遊んだ幼少期を思い出すような。その雰囲気を引き立てるのは、木の表情なのかもしれないと思いました。

*ビルトインオーブンは、2023年7月27日に発売した新仕様にて選択可能になりました。こちらは新仕様を試作段階で導入した事例です。

須藤剛建築設計事務所

須藤剛建築設計事務所

「建築を通して暮らしや社会に新しい価値をつくる」
建築の設計をベースに、社会や暮らしに価値を生み出し、身近な生活を豊かにするため、既製概念にとらわれないものづくりを行っている設計事務所。
建築は竣工が完成ではなく、人と人とをつなぎ、自然に人が集い続けてこそ完成すると考え、対話を大切にし、価値観を共有しながら、そこにしかないものをつくっています。

toolboxの東京・目白ショールームから徒歩6分にある、彼らの事務所兼店舗「CaD」では、美味しいホットドッグ、コーヒーやケーキが楽しめます。

テキスト:庄司

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