築50年、福井市の中心部にあるビルの一室を、作業部屋兼オフィスとしてリノベーションした事例の紹介です。

オーナーは、福井県出身の建築家であり、家具や建材の商品開発を行うデザイナー。中国の設計事務所で経験を積み、日本に帰国。設計事務所としての活動を軸に、自社プロデュースによる築古ビルの再生や建材の輸入販売を行っているそう。

大きな開口から光が降り注ぐリビングスペースは、足場板やブリックタイル、コンクリートなど、ワイルドで主張のある素材同士を組み合わせた空間。

床と壁に「チャイナブリック」を使用したダイニングキッチン。中国で実際に使用されていた古いレンガをスライスして作ったブリックタイル。アンティークならではの色むらが、築古ビルの無骨さと見事に調和していますね。

壁は「チャイナブリック 大連ホワイト(古材)」、床は「チャイナブリック 上海ブルー三丁掛」。仲間に協力してもらいながら、DIYで一枚一枚貼っていったそうです。

キッチンの背面には、銅パイプの棚が映えています。

ダイニングへ続く廊下にも「チャイナブリック 上海ブルー三丁掛」が使われています。

空間ごとに異なるスイッチをセレクトしているのもオーナーのこだわり。白いモルタル壁と銅パイプ、チャイナブリックのあるキッチンには『アメリカンスイッチ』をセレクト。インダストリーな雰囲気の空間に似合うスイッチです。

ダイニングキッチンの反対側の壁には、扉の真鍮金物と合わせて、『メタルスイッチプレート』の真鍮をセレクト。シーンごとに丁寧に素材選びをしています。

水回り空間には「メタルスイッチプレート 鉄」を発見。少しずつ錆ができてプレートが家と共に育ってきています。

全体を白で塗装した明るい印象の洗面とトイレ。元々の壁天井の表情をうっすらと残しつつ色を重ねることで統一感を出す、リノベーションならではの手法です。植物やアンティークのハシゴといった小物で、閉じた空間に屋外のような雰囲気と頭上の抜け感をつくるインテリアテクニックが秀逸。

洗面台まわりには『メタルフレームミラー』と露出配管、植物をコーディネート。ラスティックに仕上げた壁にもピッタリです。

「古いビル×古材のレンガを使ったブリックタイル」という組み合わせのほか、足場板や、既存壁の表情を残した塗装など、「古びた佇まい」を強調するような内装づくりで世界観をつくっています。

(shiotsu)

  • 「メタルスイッチプレート ダブルコンセント (GY)」は販売を終了しました。

関連する事例記事

「長く住む家」だから、着飾りすぎず、シンプルに。変わっていく暮らしを受け入れる“素地”の家
「長く住む家」だから、着飾りすぎず、シンプルに。変わっていく暮らしを受け入れる“素地”の家
着回しが効く、長く付き合える一着を選ぶように。つくり込むのではなく、暮らしのベースをつくる感覚でリノベーションして、これからの暮らしに寄り添い続けてくれるマイホームをつくった事例をご紹介します。
屋根は大きな“植木鉢”!? 人も植物も鳥も、家そのものも育ち続ける、生態系のような住まい
屋根は大きな“植木鉢”!? 人も植物も鳥も、家そのものも育ち続ける、生態系のような住まい
東京・練馬区の石神井公園のほとりに建つ、アーチが連なる不思議な建物。「なんのお店だろう?」と思いきや、実は住宅なんです。散歩の途中につい足を止めて見入ってしまうその佇まいは、そこに住む人だけでなく、植物や鳥までも受け入れる“器”として計画されたもの。そんなユニークな考え方のもとつくられた「鶴岡邸」をご紹介します。
緑と光、建築、家具。“素材の良さ”を引き立てる、やりすぎないヴィンテージマンションリノベ
緑と光、建築、家具。“素材の良さ”を引き立てる、やりすぎないヴィンテージマンションリノベ
一年待ってでも手に入れたかったのは、建築家・内井昭蔵が手がけた、森のような中庭を囲むヴィンテージマンション。築後50年を経ても色褪せない建物本来の魅力を尊重しながら、お気に入りの家具たちが主役になる空間にリノベーションしました。
「これがほしい」を選ぶだけ。WEBでつくる“自分仕様”の規格住宅
「これがほしい」を選ぶだけ。WEBでつくる“自分仕様”の規格住宅
「家づくりの楽しさを、もっと気軽に感じてほしい」そんな思いから岡山の住宅メーカー「ライフデザイン・カバヤ」と一緒に企画した、WEB上でシミュレーションできるセミオーダー型の規格住宅。その仕組みを使ってマイホームを建てられた、ご家族の暮らしをご紹介します。