アンティークならではの色むらが壁に味わいを生み出します。(大連ホワイト(古材))

探し求めたのは「本物のレンガ」のブリックタイル

古いレンガ造りの壁。ニューヨーク・ブルックリンの建物によくある、あの空間に憧れます。

ただ、レンガ造の建物がほとんどない日本であのイメージを実現しようとすると、ブリックタイルを貼ることになるわけですが、あの雰囲気になるブリックタイルというのがなかなかない。

ヨーロッパやアメリカの建物で使われている本物のアンティークレンガをスライスしたものは、高価すぎて手が出せない。

お手頃な値段のものをと探すと、レンガ風に新たにつくったタイルがほとんどで、表情がどこかのっぺりとしていたりた、嘘っぽい加工が施されたものばかりが目につきます。

レンガ造りの建物に実際に使われていた本物のレンガで、かつ自然に風化したアンティークはないものか。探しに探して意外な国で見つかりました。

古い建物を解体するときに出る古レンガを使用。

大連で出会った日本ルーツのレンガ

今回ご紹介するのは、中国のさまざまな都市で見つけた本物のレンガをスライスしてつくったブリックタイル。

種類は「満州レッド」、「大連ホワイト」、「上海ブルー」の3種。「上海ブルー」は古材に加えて、新品3サイズの展開もあります。

まずは、「満州レッド」と名付けた赤レンガのブリックタイルからご紹介。イメージする赤土の自然な色、土がぎゅっと締まった密度感、劣化具合もちょうど良く、見つけたときには「これぞ探し求めていたものだ!」と大興奮したわけですが、このレンガの出自を聞いてさらにテンションが上がります。

実はこのレンガ、第二次世界大戦のころ、日本人から伝えられた製法でつくられたものだというのです。

さらに古い建物を解体して出てきたこのレンガが見つかったのは、かつて満州と呼ばれたエリアにある都市、大連。日本人によって伝えられた技術で生まれたレンガが、長い時を経て今日まで生きながらえてきたのかと思うと、そのひとつひとつにロマンを感じずにはいられません。

満州レッド。(古材)

そしてもうひとつ、大連で出会ったのが「大連ホワイト」。

土そのものが白いレンガは珍しく、アンティークゆえの色むらが、白でありながら奥行きのある表情をつくり出してくれます。

こちらも実際に建物に使われていたアンティークレンガをスライスしてつくられています。

「大連ホワイト」は年季を感じる白壁に。

上海の風景を作る青いレンガ

最後に見つけたのは、「上海ブルー」と名付けたレンガ。

上海はかつてイギリス・アメリカによる租界時代がありました。

そのときに建てられた建物が西洋様式の風景をつくっているわけですが、そこで使われているレンガがかっこいいのです。

赤レンガとは違い、煤けた黒い瓦のような色合いが魅力で、実に渋い。シックな色合いとほどよいムラが、上品な空間をつくるのにとても使いやすそうです。

積み上げられた時間を感じさせる壁の仕上がり(上海ブルー二丁掛)(写真提供::Arts& Crafts)

「上海ブルー」のネーミングは、現地で青いレンガを意味する「青砖(チンジュアン)」と呼ばれていたことから。実際の色味は淡い黒色ですが、青味がかっているのが特徴です。

こちらのレンガは現在でも製造が続いており、アンティーク品に加え、新品で二丁掛と三丁掛、四丁掛も展開します。

「上海ブルー三丁掛」を床に敷いた事例は石畳を思わせる。

上海の風景を形作る「上海ブルー」のレンガ造り。

古びた自然な風合いの壁

古材の3種類はアンティークレンガをスライスしてつくっているため、タイルの状態にばらつきがあります。形が不揃いだったり、割れや欠けがあったり、表面に白いモルタルが残っていたり、煤けて黒っぽくなっているものなど。

ただ、このばらつきがこのブリックタイルの魅力。きれいにつくられたものとは違い、時間を経て自然に変化したレンガ壁を思わせる仕上がりがつくれます。

また「上海ブルー」の二丁掛と三丁掛、四丁掛も、新品ではありますがきめ細かな精度でつくられているとは言い難く、色むらがあったり、製造時の黒い煤焼けが残っていたり、サイズも若干不揃いだったりします。でも、このラフさがちょうど良いのです。

時代を感じさせる本物のレンガが暮らしの背景となる空間、おすすめです。

1枚1枚異なる表情が、独特な風合いを引き出す。(満州レッド(古材))

(担当:荒川)