今回ご相談いただいたのは、ご夫婦と大学生、高校生の2人の娘さん、小学生の息子さんの5人家族です。
弊社で定期的に開催している「リフォーム相談会」でご相談いただいたことがきっかけで、より理想的な住まいへと整えたいという思いから、ご依頼をいただきました。

約20年前に購入された建売の木造一戸建てにお住まいで、お子様の成長とともにリビングやキッチンでの過ごし方も変わってきたとのこと。購入当初の理想からは住宅に求めるものも少しずつ変化していました。加えて、長年使い続けた設備機器の交換も必要になってくるタイミングで、どうにかしたいという欲求が高まってきていたご様子でした。

今回は長年の暮らしで見えてきた、細かなモヤモヤを解決し、今求める理想の暮らしを手に入れたリフォームの事例をご紹介します。

after図面。赤い部分は新規の壁です。

before図面。

もともとはキッチンとリビング・ダイニング、和室が、それぞれ間仕切りや引き戸によって区切られた間取り。
普段から家族全員がリビングで過ごす時間が多いということもあり、今回のリフォームではLDKのどこにいても自然とコミュニケーションが生まれ、暮らしの中でお互いの気配を感じられる、一体感のある空間にすることが大きな目的でした。

リビングと繋がるキッチン。あえて現しにした柱がチャームポイントです。

まず初めに、キッチン空間から。
以前は、横長の開口部からリビングが覗けるものの、壁で仕切られ独立した空間でした。

夫婦とも、毎日通勤するスタイルの共働き。妻のMさんにとって、平日のお仕事帰り、疲れたなかでキッチンに立ち、晩ごはんの支度をする時間はどこか孤独に感じることもあったそうです。

ご相談いただいた当初は、キッチンの位置はそのままで交換だけを行い、カウンターから上の壁を取り払いたいというご要望でした。

before。

お子さんがまだ小さかった頃は、間仕切りがあると危険なものに手が届かないという、安全面でのメリットがありました。ただ、今の暮らしではその必要性も薄れてきており、既存の開口ではリビングの明かりが届かず、冬場は暖気が回らないことも気になっていたとMさん。

料理をしながらでも、家族同士でコミュニケーションが取れる、明るく開放的なキッチンが理想というお話から、思い切って間取りから変えることをご提案。キッチンの間仕切りを撤去し、リビング・ダイニングと一体となる空間にレイアウトを変更しました。元の床暖房をいかすべく、フローリングは床暖対応で上から張り替えられる『リフォームフローリング』に。

キッチンは組み合わせ次第で自由にレイアウトが可能な『ユニキッチンシステム』をL型に配置し、あわせて収納と作業台を兼ねるカウンターを中央に設けています。

既存の柱を巻き込むかたちで造作したカウンター。引き出しの把手には『T番把手』を使用しています。

中央のカウンターは空間の広がりを邪魔しないよう、明るい色味のシナ合板と、左官塗りの天板で造作。
こうすることでキッチンに回遊性が生まれ、リビングからのアクセスもしやすくなっています。
椅子を置いても足が入るよう、リビング側のキャビネットを可動式にしているのもポイントのひとつ。

天板の素材は塗装下地として使われるファイバーパテをクリア塗装した仕上げとしています。

裏側はオープン棚にして、引き出せる仕様にした炊飯器置き場や米びつなどの収納に。

カウンター上は、お弁当づくりや、お料理の一時置きにもちょうど良く、前よりも娘さんたちが自然と手伝ってくれるようになったのだとか。ときにはイスをつけてカウンターでさっとご飯を食べたり、コーヒーを飲んだり。ときには小学生の息子さんがお勉強したりと、使い方の幅も広がり、自然なコミュニケーションが生まれやすくなったそうです。お子さんが大きくなると、食事の準備時間も、学校の様子を聞いたりする大事な時間ですよね。

Mさんのご要望で、『ハンガーバー』を上下に2つ設置。下のボックスには水筒などを立てて活用。シンク周りの使い勝手を上げています。

モデストレセップ』はブラックをチョイス。壁面のアクセントとなっています。

壁面には『T番タイル』を採用し、すっきりとした印象に仕上げています。あわせて、壁付照明として「モデストレセップ」を設置しました。

もともと少し暗く感じていたキッチン空間も、白を基調とした仕上げと照明計画によって、空間全体に光が回るよう整えています。

モデストレセップ」とお客さまのお気に入りという『手編みロープ照明』の組み合わせ。

キューブ型レンジフード』の幅に合わせて背面の壁を造作。既存の窓はできる限り活かしました。

あかりとりの窓は、移設したレンジフードと重なる位置にありましたが、背面のフカシ壁とタイルの納まりを工夫し、採光が確保できるよう可能な限り残しています。
「朝、コンロ前に立つときに差し込む光が気持ちよくて、お気に入りです」とMさん。

こうした小さな工夫の積み重ねによって、これまでどこか一人で向き合うような感覚のあったキッチンでの時間も、心地よく過ごせるものへと変わっていきました。

カウンター奥に見える、キッチン正面の縦長の引き出し、実はゴミ箱になっています。

蓋代わりの中段の上にゴミ袋のストックを置いて。

ちなみに、オープンな壁付けキッチンの場合、ごみ箱をどこに設置するかも気にしたいところです。この家では、リビング・ダイニング側からキッチンに向かう正面の引き出しに「ユニキッチンシステム」のダストボックス引き出しを配置しました。キッチンと一体になって、見た目はすっきり。

リビング側にはごみ箱を置いていないのですが、アクセスがしやすく、リビング側で出たゴミもさっと捨てに行けるので、不便は感じていないそう。ごみ箱が分散すると、ゴミ出しの時に面倒ですし、わりきって一箇所に集約するのもありですね。

木製ガラス引き戸』の上枠は、ちょっとした物置きにも。

もともと開き戸だった廊下からリビングへの扉は、気候の良い季節には開け放したままにでき、閉じているときでもLDKの広がりを感じられるようにしたいというご要望から、既存の開口を広げ、幅1メートルの「木製ガラス引き戸」を設置しています。

玄関からの視線は通さずに光だけを取り込めるよう、上部はチェッカーガラスの仕様にし、引き戸の上枠を端から端までスッとラインを通すことで、隣り合う空間をゆるやかに繋いでいます。

リビング側から見たセカンドリビング。

壁に入っていた構造用の柱と筋交を現しにしています。

before。

もともとは夫のSさんの寝室兼息子さんの勉強部屋だった、リビング奥の和室。

空間を仕切っていた2枚引き戸は撤去し、壁面を部分的に解体することで、リビングと連続するかたちでセカンドリビングとして使える空間に。

「上の娘2人と息子はちょっと歳が離れているので、見たいテレビも違う。食後は男組と女組に分かれて、夫と息子はセカンドリビングで一緒にゲーム、娘二人はリビング側でドラマをみたりしています」

元々お子さんたちが思春期を迎えても個室にこもることなく、1階で一緒に過ごすことが多かったという仲の良いご家族ですが、もう一つのリラックスできる居場所を設けることで、それぞれが無理なく居場所を選びながら過ごせるようになりました。

ゲーム用の小さなテレビがもう1台。お父さんの趣味の楽器も並んでいます。

セカンドリビングの奥にいても、キッチン側の様子まで見通せます。

セカンドリビングとなった元和室では、既存の折れ戸を壁面に合わせて白塗装しました。その隣には奥行きのある可動棚を設置し、趣味のレコードや本などをディスプレイできるように。隠す収納と見せる収納を使い分けられるかたちにしています。

「以前は引き戸で閉じられていて、奥の部屋にいるとリビングの様子が見えなかったのですが、今はみんなで会話ができます。セカンドリビングにいてもキッチンにいる私にお互い声を掛けやすい。あと、お湯を沸かしながら、ちょっとコンロ前を離れた時など、どこからでも火元がみえるのも安心です」というMさん。

空間としてのつながりだけでなく、日々の過ごし方にも変化が生まれています。

棚板は安全面を考慮してR加工を施しています。

before。

もうひとつ、以前から使いづらく気になっていたという玄関収納は、オープンな可動棚へと変更しています。
既存の壁にシナ合板を増し貼りし、仕上げを兼ねつつ棚柱の下地としたミニマムなつくりです。

5人家族で朝の動線が重なりやすい中、今までは開き戸の収納だったため、靴を取り出す際に土間へ降りる必要がありましたが、どこからでもスムーズに靴の出し入れができるようになりました。

シーチングカーテン』でゆるやかに仕切る。

こちらは玄関から入ってすぐの廊下の正面。以前は壁面だった部分を解体し、縦長の収納を造作しています。

さっとコートを掛けられたり、置き場に困っていたという釣り竿の収納場所としても活用できるようにしています。

リビング・ダイニングと隣り合うお部屋を一体につなげ、視線や動線の抜けを整えることで、それぞれの居場所がゆるやかに重なり合うような空間になりました。

建て売りの家を購入し、住み始める前に、気になるところに手を加えるケースもありますが、今回は、そのまま住んでみたからこそ見えてきた、気になるポイントをひとつずつ整理しながら、今の暮らしに合ったかたちへと整える、そんなアフターリフォームになったと思います。

ちなみに、今回の工事期間は約5週間。お仕事を休みやすく、日々のお弁当もいらない夏休みの期間に合わせての決行となりました。ご実家への帰省と2階での避難生活で、キッチンが使えない期間を乗り切られました。最初のうちは、ホットプレートを駆使してみたりもしたそうですが、洗面台では大きなホットプレートも洗いづらいと、最後の方は湯煎や電子レンジであたためる料理に頼って乗り切られたそう。2階の個室にぎゅうぎゅうに集まってと狭い中での苦労はあったそうですが、お子さんたちにとって、記憶に残るリフォームの思い出の一つになってくれていたら嬉しいです。

現場からは以上です。

TBK
オーダーメイドリフォーム
自分好みの空間を、専属スタッフと一緒に実現するフルオーダーリフォーム
対応地域
東京23区および近郊
ツールボックス工事班|TBK

ツールボックス工事班|TBK

toolboxの設計施工チーム。住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。ご予算や目的に応じ、既存や素材をうまく活かしたご提案が特徴です。

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毎週水曜日の13時から15時まで、東京・目白ショールームに施工チームがいます。工事に関するご相談も承っておりますので、この時間もご活用ください。

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担当:白鳥

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