東京から那須した、toolboxスタッフの森(旧姓竹沢)は、夫婦と小学校3年生になる息子との3人暮らし。移住して新築戸建ての家を建てるその一部始終は、「家づくりドキュメンタリー」で、連載形式でお伝えしてきました。

物件選びは暮らし方選び 〜土地探しから購入・工務店選びまで〜
物件選びは暮らし方選び 〜土地探しから購入・工務店選びまで〜
「あれ?東京に住み続けなきゃいけない理由、なくない?」 ということで、2021年9月に東京都世田谷区から、栃木県那須塩原市に引っ越したtoolboxスタッフ・森(旧姓:竹沢)。人生初の地方移住、新築戸建てへのチャレンジを赤裸々にお届けします。

那須に移住して、4年。まちづくりのイベントに参加したり、同じように移住してきた人たちとの出会いも広がっていく中、移住してきてこれから商売を始めようとする人たちが、最初にチャレンジしてみる場が少ないと感じていたという森。

ご縁があった空き家だった戸建て物件をサブリースして、改装した上で募集にだすことになりました。いわゆる賃貸のオーナー業です。

物件は、新幹線の止まる「那須塩原駅」から車で約10分。駅前と移住組が好む山側の別荘が入り交じるエリアのちょうど中間くらいの街中に位置します。

2階建てで、1階の手前が店舗区画、その奥と2階はそのまま住居として使える職住一体向きな物件です。

約40㎡の土間が広がる店舗スペース。

店舗区画との間のガラス戸を開けると、板間が広がるつくり。住居の入口も別にあります。

住居部分にあがると、外からの想像通り、THE和風な内装。室内は、1階の一部を畳から板間に変え、そのほかは水回り以外、あえて大きく手を加えず、襖や表層を塗り替えるだけとしました。

奥には畳の和室が。

大木をスライスした素朴な欄間の装飾が、那須連山を彷彿とさせて、お気に入りだそう。

さて、こんな味わいある和な物件に合わせて、どうバランスをとるか悩ましいのが、水回りの設備選び。

ツルっとピカピカしたものを選ぶと、そこだけ真新しさが際立ち、味がでてきた周囲の柱や木建具などの雰囲気から浮いています。

今回は、そんなお悩みに白ベースで清潔感は出しながらも、マットな質感の素材を組み合わせることで、解決していきました。

まずは、キッチンから見ていきましょう。

窓は、レトロな型ガラスの手前に断熱用のインナーサッシを取り付けました。

マットカラーのキッチン天板』とキャビネットの組み合わせが自由に選べる『ユニキッチンシステム』を合わせて、半分オープン、半分収納付きのキッチンに。

既存のレトロな窓から明かりは入るものの、そこまで日当たりがいい方角ではないのですが、白いマットな天板が、光を受け止め、やわらかく反射。木枠との相性も含め、明るく、やさしい印象をつくりだしていました。

明るい白天板だと、木の台所道具が映えますね。

フラットレンジフード』とコンロにはさまれた壁は、『マットカラーのキッチンパネル』で、周囲の塗装壁と同じようなマットな質感で繋げつつ、掃除がしやすくなっています。

マットカラーのキッチン天板」は、オフホワイト(K-6003KN)。

シンク下のオープンな部分は、ごみ箱を入れたり、スツールを置いたりと、自分でアレンジしやすい仕様に。隠す部分と、オープンな部分の余白を自由につくれるのも、「ユニキッチンシステム」のいいところ。

 

キッチン奥からぐるっとつながる廊下の一部が、オープンな洗面コーナーになっています。

洗面台はプライウッドの積層の木口がアクセント。タイルのオレンジ目地も効いてます。

壁一面の100角の『T番タイル』に『プライウッド洗面台』が壁付けされた洗面コーナー。こちらもベースは、白いアイテムで統一しました。

「プライウッド洗面台」は、奥行きが450mmと浅めなので、こういうせまめの廊下の一角にもおすすめです。

洗面台の表面はDAP加工という水に強い仕様なので、水が跳ねても安心。

付属のシンクも、コンパクトめではあるものの、顔を洗ったり手を洗うのに、過不足ないサイズ感。

黒い『ストレートホース混合栓』は、ご要望の多い、ホースが引き出せて、シンクが洗いやすいものとなっています。

壁に半埋め込みで、ミラー本体のカラーは見せつつ、すっきりと。

合わせているミラーは、『クロップドミラーキャビ』の650サイズ。壁に本体の奥行きの2/3程を埋め込み、奥行き感が出ないように設置しています。

「プライウッド洗面台」が、一般的なものより奥行きが浅いので、ボックスタイプのミラーを半埋め込みにしました。収納はしっかり使えながら、圧迫感は軽減。顔を洗う際にかがんでも、頭が当たる心配もなく、よいアイデアですね。袖壁には、『ホワイトスチールバー』のタオル掛けを合わせて。

近日発売予定のレセップ。根元のツヤっとした部分がチャームポイントです。

照明は、袖壁上の埋め込みレセップに『フロストLED電球』Φ50のスノーボール を合わせています。壁からボール球がぽこっと飛び出るシルエットがかわいい。

賃貸オーナーにとっては、どこにお金をかけるかのメリハリも事業的には大事なポイント。和風の物件は、既存の柱や長押などの木部をとにかく白く塗りつぶすという方法もありますが、今回は和な部分はあえてそのままに、水回りにポイントを絞りました。

木部のレトロさに馴染む、明るく清潔感ある白いマットなアイテムをベースに、ポイントでとツヤ感のある陶器のタイルやシンクたちをセレクトしています。

気に入ってくれる入居者さんが見つかりますように。

最後に2階の様子もちらっとご紹介しましょう。

2階は和室が2部屋とバルコニー。日当たりぽかぽかです。

二間続いているので、分けても大きく一つで使っても。

地元民にも愛される町中華の「百華園」さんが道路向かいにあります。撮影ついでに、ランチをいただいたのですが、ボリューミーな名物カツ餃子でお腹いっぱいになりました。

こちらの物件、現在、東京R不動産のサイトで入居者募集中(2026年5月19日時点)。気になる方はお問い合わせください。

この1階が、まちを訪れる人の新しい立ち寄り場所になるのを、楽しみにしています。

2階からピンクの外観がかわいい「百華園」さんの眺め。

テキスト:来生

関連する事例記事

ベッドルームが“もうひとつのリビング”に?「広さ」ではなく「居場所」がある間取り
ベッドルームが“もうひとつのリビング”に?「広さ」ではなく「居場所」がある間取り
みんながスマホやタブレットを持つ今、「家族でTV鑑賞」というシーンは、少なくなってきているかもしれません。それぞれが別のことをしながらも、互いの気配を感じられる。そんな距離感で過ごす暮らしを考えた、リノベーション事例を紹介します。
「完璧」より「アドリブ」?古い倉庫兼住居を、1年かけて改装した秘密基地DIY。
「完璧」より「アドリブ」?古い倉庫兼住居を、1年かけて改装した秘密基地DIY。
toolboxスタッフ仙波が手に入れたのは、自宅から車で1時間、元・電気工具屋さんの古い倉庫兼住居。理想の床を求めて「朝鮮貼り」に挑んでは絶望し、タイルを貼る位置を間違えては「まあいいか」と笑い飛ばす。完璧を目指すのではなくアドリブで形にしていくDIYの記録をスタッフ本人が綴ります。
ほぼ解体なし、在宅工事で2週間。“台所”の痕跡を残した戸建てのキッチンリフォーム
ほぼ解体なし、在宅工事で2週間。“台所”の痕跡を残した戸建てのキッチンリフォーム
ツールボックス工事班|TBKが設計施工を担当させていただいた、ダイニングキッチンの収納力増大と、使い勝手にフォーカスしたリフォーム事例です。
築古の魅力を残して間取りを一新。飾れる余白とレイアウトの自由度をそなえた賃貸ワンルーム
築古の魅力を残して間取りを一新。飾れる余白とレイアウトの自由度をそなえた賃貸ワンルーム
ツールボックス工事班|TBKが設計施工を担当した、東京R不動産と共同で企画した賃貸リフォーム事例。建物が持つ古さを活かしながら、入居者が自分の暮らしを反映しやすいような、余白を持たせた住まいです。