ブリティッシュショートヘアのタルホちゃんと暮らす、イラストレーターのお施主さま。

インテリアスタイリスト・石井佳苗さんの著書で「壁をあまりつくらず緩く間仕切る」というアイデアに出会い、いつか自分の住まいをつくるなら、「家具や素材の違いで空間を区切ってみたい」と思っていたそう。

そこでリノベーション会社の担当プランナーが提案したのは、ワンルームを3つの三角形で斜めに間仕切るプラン。

一見大胆ですが、プランをよく見ると、キッチン、ダイニング、リビング、寝室、書斎がしっかりとおさまり、斜めの配置が空間に奥行きを生み出す、44㎡をくまなく使いこなす間取りでした。

玄関横には、コンパクトな洗面スペース。個室にせず、オープンに配置しています。縦貼りの細いタイルを使ってコーナー感をつくりました。帰宅後すぐに手を洗えるのも、このレイアウトならでは。

玄関収納には、近所の中古家具店で見つけた〈LYON社〉のロッカーをセレクト。コンパクトな玄関なので、下足入れはあえて作らず、お気に入りの家具を使っています。

玄関を入ってすぐのキッチンは、アイランドキッチンを斜め45度に配置。床仕上げも角度を揃えて切り替えました。

そして、キッチン上部にご注目。軽やかな『フラットレンジフード』が、視界の広がりを遮らない、緩やかな間仕切りを手助けしています。帰宅して玄関扉を開けた時に、部屋全体を一目で見渡せるのも嬉しいポイントです。

友人とカウンター越しにおしゃべりしながら料理を楽しむ……そんな過ごし方もできそうです。

ダイニングスペースの床は塩ビタイル、リビング・ベッドスペースはカーペット。床仕上げの素材を変えることで、ゆるやかに空間を区分けしています。

リビングとベッドスペースを区切るのは、オリジナル造作のキャビネット。

寝室側からはベッドのヘッドボードとして、リビング側からはリビングボードとして活用できるデザインです。お気に入りの小物を飾ったり、カウンターとしてちょっとした作業をしたりと、使い方も自由自在。

天板はアール型になっており、周囲をぐるりと優しく通れる設計です。この形状が、リビングと寝室の境目を緩やかにし、圧迫感を軽減しています。

黒い天板のアクセントになっているのは、ゴールドのカバー付きコンセント。上向きにコンセントを設置しているため、使わない時はカバーで隠すことですっきりとした佇まいに。

休日はこのベッドでゴロゴロしながら、のんびり過ごしているそう。

窓辺の空間は、壁と天井を板張りにして変化をつけました。

窓辺の開放感と落ち着くおこもり感が同居する、不思議な空間です。

また、この板張り天井の上はキャットウォークになっており、ワードローブをつたって猫ちゃんが登れるようになっています。自分だけではなく、愛猫の居場所もしっかりと計画されています。

板張り天井に取り付けた照明は、丸い電球に真鍮カバーをあしらったオリジナル。球がこぼれ落ちるようなデザインが、穏やかな時間をもたらしてくれます。

ワークスペースとベッドスペースは、造作のワードローブで仕切りました。ワードローブは天井まで塞がず上部を開けているため、他のスペースとのつながりを感じられます。

ワークスペースは、あえて暗く囲まれた空間にすることで、作業に集中できる環境に。秘密基地のようなワクワク感もあり、仕事の合間の休憩時間も、ここで過ごしたくなりそうです。

また、ワークスペースの暗がりがあるおかげで、部屋全体を見渡した時も、開放的ながら落ち着きを感じる空間になっています。

緩やかに仕切る工夫によって、44㎡の中にさまざまな居場所をつくり出した住まい。自宅でお仕事もされるお施主さまだからこそ、仕事と生活のゾーンが仕切られつつも繋がる、この間取りがフィットしたのでしょう。さまざまな景色や居場所がある家のつくりは、イラストのお仕事の発想にもつながりそうです。

斜めの間取りを軸に、自分にとって心地よい暮らしを描いたワンルーム。そこには、住まい手の感性が素直に表れていました。

ゼロリノベ

ゼロリノベ

株式会社groove agentが運営するリノベーションサービス。「大人を自由にする住まい」をコンセプトに、家を買うことで自由になる「家のさがし方」「家のつくり方」を提案。
東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪を中心に、資産性のある中古マンションの「物件さがし」から「リノベーションの設計・施工」までワンストップで提供しています。

紹介している商品

テキスト:osako_a

関連する事例記事

“いつか”に備えて、部屋は増やさず、動線は整える。家族の変化を受け止める67㎡の住まい
“いつか”に備えて、部屋は増やさず、動線は整える。家族の変化を受け止める67㎡の住まい
若いファミリーの家づくりでは、子どもの成長や家族構成の変化にどこまで先回りしておくかが悩みどころ。そんな悩みへのヒントがあるのが、今回ご紹介する中古マンションリノベーション事例。収納と動線の工夫で“いつか”に備えながら、“今”の家族がのびのびと暮らせる空間を叶えました。
北欧ヴィンテージのトーンを纏って。愛着ある家具から始まった、好みを五感で味わう家づくり
北欧ヴィンテージのトーンを纏って。愛着ある家具から始まった、好みを五感で味わう家づくり
お施主様の趣味であるサウナから着想を得た洗面室、愛車が映える広々とした玄関土間。長く愛用してきた家具のトーンを内装へ活かしつつ、多様な素材で切り替えることで、場所ごとに異なる居心地を生み出しました。住まう人の「好きな雰囲気」を家全体へ丁寧に浸透させていった家づくりをご紹介します。
内と外を曖昧に繋ぐ土間空間。40㎡のルーフバルコニーを活かす、大らかなアトリエのある住まい
内と外を曖昧に繋ぐ土間空間。40㎡のルーフバルコニーを活かす、大らかなアトリエのある住まい
玄関から広いルーフバルコニーまで視線が気持ちよく抜ける、赤土色の土間空間。間取りを大胆に見直しながら、視線や光、素材の見せ方を丁寧に整えたマンションリノベーション。ツールボックス工事班|TBKが設計施工を担当しました。
80㎡を二人でコンパクトに暮らす。子育てがひと段落した夫婦のアフターリフォーム
80㎡を二人でコンパクトに暮らす。子育てがひと段落した夫婦のアフターリフォーム
ツールボックス工事班が工事を担当させていただいた、お子さんのひとり立ちを見据えた暮らしを考えるリフォーム事例です。必要な場所とものを集約し、80㎡を二人の暮らしにちょうど良いスケールにまとめあげました。