みなさんは、家の中のどこで服を着替えますか? 着替えるタイミングは? 洗濯した服を干す場所は? 服の収納方法ひとつをとっても、畳んでしまう派、ハンガーに掛ける派。家族ごとに分けたい人、衣替えをせずオールシーズンの服をまとめておきたい人……と、服との付き合い方は人それぞれ。
だから、クローゼットの位置も「個室の中」だけが正解ではないはず。家族が集まるリビング、出入りの起点になる玄関、毎日通る廊下、洗濯をする洗面まわり。あるいは、服の収納そのものをひとつの部屋として楽しむという考え方もあります。
暮らし方や服との付き合い方によって、クローゼットの“ちょうどいい場所”も変わってくる。今回は、個室から飛び出した「服の収納」の間取りアイデアを紹介します。
リビングという、「暮らしの真ん中」にクローゼットを
いつも過ごすリビングに、好きなものを飾って眺めるように。そんな感覚で、「服の収納」をリビングにレイアウトしてみる。ちょっと意外ですが、服を「インテリア」として捉えてみると、そんな発想もありそうです。暮らしの中心に置くことで、クローゼットは単なる収納ではなく、その家らしさをつくる景色のひとつになります。
case1 リビングはまるでショップ。無機質なインテリア空間に服や靴をディスプレイ
え、ここお店じゃないの? と思ってしまいそうですが、いいえ、家なんです。アパレル業界で働くご夫婦が目指したのは、スタジオやショップのような空間。白とグレー、ステンレスで統一した無機質なワンルームスタイルの空間に色を添えているのが、一角に設えた服のコーナーです。
その様子は、収納というよりもディスプレイ。服を掛けるハンガーパイプは天井からワイヤーで吊り、お気に入りの靴は床にずらり。白い台はDIYでつくったもので、靴箱、ベンチ、飾り棚の3役を兼ねています。 ヴィツゥの「606 ユニバーサル・シェルビング・システム」にもハンガーポールを組み込み、服の収納をLDKの中に分散。服をスポットライトで照らしていることも、ショップ的演出のポイントです。お気に入りの服そのものが、リビングの風景をつくっています。
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case2 「服を選ぶ時間」を特別なものにする、木の壁に囲まれたリビングインWIC
リビングダイニングの真ん中にどんと据えられた、約5.8帖のウォークインクローゼット。リノベーションしたマンションには撤去できない構造壁があり、個室側に大容量のクローゼットを設けるには制約のある間取りでした。憧れだった「大きなウォークインクローゼット」を叶えるためにたどり着いたのが、リビングインのスタイルでした。
暮らしのメインの場所であるリビングにたっぷりとつくられたクローゼットは、アパレルの仕事をしているご夫婦の「服への愛」の表れ。お気に入りのワードローブを受け止めるのは、『アイアンハンガーパイプ』を使って造作したハンガーラック。アイアンの素材感が、ショップの什器のような佇まいをつくり出しています。『クラシックリブパネル』と曲げた合板でつくった木の壁も、“特別な場所”感をアップ。「服を選ぶ」という毎日の何気ない行為を、楽しみな時間に変えてくれる空間です。
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玄関のそばに服を収納して、「行ってきます」も「ただいま」も快適に
お出かけ前に、服を選んで身支度。帰ってきたらアウターやバッグをしまって、部屋着に着替える。そんな毎日の動きを考えると、「服の収納を玄関のそばに置く」という間取りのアイデアもあります。ポイントになるのは、玄関と服の収納をどう「つなぐ」のか。暮らし方に合わせて動線を考えることで、毎日の身支度や片付けが、もっとスムーズになりそうです。
case1 玄関と洗面をクローゼットでつなぐ、朝も晩も快適な身支度動線
玄関の土間から直接出入りできるウォークスルークローゼットをつくった、マンションリノベーション事例。玄関土間側には下足棚、カバンや帽子を掛けられる有孔ボード収納も設けて、服も靴も持ち物も、その場でまとめてコーディネートできる空間にしています。
さらに、このクローゼットは洗面脱衣所にも直結しており、朝は洗顔やメイクまで、帰宅後は手洗いから着替え、入浴後の身支度までがワンストップ。脱いだ服をそのまま洗濯に出せるのもうれしいところ。洗面脱衣所は廊下とつながっており、ぐるりと回遊できることも、快適動線のポイントです。
帰宅すると、ついついダイニングの椅子に上着やカバンを置いてしまう……という人も、こんな収納が玄関で待ち構えていたら、自然と片付け上手になれそうです。「お帰りなさいませ」とカバンを受け取り、身支度までサポートしてくれる、“有能な執事”のようなクローゼットです。
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case2 寝室のクローゼットに続く土間。「飲み」にもアウトドアにも出掛けやすい収納とは?
寝室に設けた、ルーバー扉付きのクローゼット。それだけなら普通ですが、ユニークなのは、開けると中が玄関土間につながっていること! クローゼットも玄関土間も家の奥まった場所にあり、押入れ的に使える存在ながら、2つをつなげることで暮らしの動線の快適度をアップさせています。
例えば、お出掛け前や帰宅時の着替えがしやすいのはもちろん、飲み歩きが好きなご夫婦は、焼き鳥屋で煙の匂いがついたアウターを、土間のハンガーバーに一晩掛けてからクローゼットに収納。アウトドアに出掛ける時は、土間に置いた道具とクローゼットにあるウェアをその場でまとめてパッキング。日々の生活だけでなく、趣味と遊びまで楽しみやすくなりました。
寝室内に取り付けたハンガーパイプも、布団を干すだけでなく、室内干しやカバンの収納に大活躍しているそう。暮らし方からクローゼットの在り方を考えた、アイデアあふれる事例です。
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3.廊下を「通るだけ」の場所にしない。服の収納を兼ねるアイデア
部屋の中にあるクローゼットを、廊下に出してみる。間取りの上ではちょっとした違いでも、暮らしの中での使い勝手はぐっと変わってきます。毎日通る廊下を、ただ「通るだけ」の場所にしておくのはもったいない。そこに「服の収納」を組み合わせれば、移動のついでに着替えたり、服を片付けたりできる場所になります。
case1 隠れ家ショップ風の廊下!? 在宅ワーク夫婦のオン・オフを切り替える身支度スポット
この家に暮らす夫婦は、共に在宅ワークがメイン。それぞれの仕事場をつなぐ廊下をクローゼットにしました。収納扉は付けず、ハンガーパイプ収納の下にはヴィンテージ感のあるキャビネットをレイアウト。廊下兼収納という実用的な場所でありながら、洞窟のようなこもり感が隠れ家ショップを思わせる、服を選んで着替える時間を楽しめる空間にしています。
この廊下にはトイレや浴室、洗面も並んでおり、朝はここで身支度を整えて仕事へ。妻はアスレティックトレーナーで、自宅にトレーニングルームがあり、浴室で汗を流してからの着替えもスムーズ。オンとオフを切り替える場所としても活躍しています。
実はこの廊下には窓があるのですが、取り外しできるパネルで遮光しています。窓がある場所に服を収納したい。でも服の日焼けは避けたい。なら、窓を塞げばいい。という発想は目から鱗。自分たちの暮らしに合わせた間取りづくりができる、中古マンションリノベーションならではの事例です。
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case2 壁で仕切らず、「服の収納」で仕切る。光と視界を広げる間仕切りアイデア
約50㎡のマンションをリノベーションした、こちらの住まい。コンパクトな空間に開放感をつくるために生まれたのが、廊下と寝室を壁で仕切るのではなく、天井吊りにしたハンガーバーとローキャビネットで仕切るというアイデア。寝室の窓とリビングドアの2方向に視線が抜けていく、広がりを感じる空間です。
寝室の一角にはウォークインクローゼットがあって、ハンガーバーとローキャビネットは、普段着やカバンをしまう場所。ハンガーバーには自然光が届き、エアコンの風も当たる位置にあるので、室内干し場所としても使えそうです。
廊下の先にはオープンな洗面があり、帰宅したらアウターを掛けて、手を洗ってリビングへ。光や視線の抜けを大切にしながら、共働き夫婦の忙しい日々もしっかりサポートしてくれる間取りです。
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「洗う・干す・しまう」から考える、クローゼットの場所
洗濯した服を干して、取り込んで、それぞれの部屋へしまいに行く。毎日のことだからこそ、服を持って家の中を行ったり来たりする手間は、できるだけ減らしたいもの。そう考えると、「着替える」という行為も、洗濯仕事のそばに寄せてみると快適なのかも? 家事ラク視点から生まれた、服の収納アイデアを見てみましょう。
case1 洗濯仕事のストレスをなくしたい!から生まれた、クローゼット一体型の洗面脱衣所
以前の住まいで、洗面脱衣所、ベランダ、各部屋のクローゼットと、洗濯仕事の動線が長いことにストレスを感じていたという施主夫婦。中古マンションをリノベーションした新しい住まいでは、洗面脱衣所の「中」にクローゼットを配置しました。
洗面脱衣所の窓辺は浴室に続く通路になっており、室内干しのスペースにもなります。乾いたらクローゼットへスライド移動。洗濯機は乾燥機能付き、浴室には暖房乾燥機も取り付け、洗濯物の乾燥体制は万全です。一方、洗濯機会の少ないアウターは、玄関に造作した収納にしまっています。
クローゼット一体型の洗面脱衣所は、朝の身支度にもメリットが。服を選んでは鏡の前へ移動する手間がなく、自然光が差し込む明るい空間で着替えからメイクまで完了。「面倒をなくしたい」からこんなホテルライクな空間が生まれるなんて。日々の小さな不満が、心地よい家づくりの重要なヒントになることを教えてくれる事例です。
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case2 キッチンのそばにファミリークローゼットを。家事動線をLDKにぎゅっと集約
タイル貼りのボックスと、ポリカーボネートの扉と壁。白く塗り上げた板壁と屋根に囲まれたブースは、家族の衣服をまとめたクローゼット。この収納があるのはリビングの一角。周囲には洗面脱衣所やキッチン、その隣に洗濯機置き場があり、家事の中心地のそばに服の居場所をつくりました。
洗濯乾燥機やバルコニーから乾いた洗濯ものを取り込んだら、そのままクローゼットへ。タイルのボックスは内側が棚になっており、リビング側からは立ったまま洗濯ものを畳む作業台としても使えます。また、クローゼットの床には『ウールカーペット』を採用。静電気が起きにくく、埃を吸着し、調湿性もある素材なので、実は服の収納とも好相性。
寝室まで行って服を着替えるのではなく、家族が長い時間を過ごすLDKの中で着替えも片付けも完結。リビングで遊ぶ子どもを見守りながら、服にまつわるあれこれをこなせます。家事と子育てがちょっと身軽になる、間取りのアイデアです。
「服のための部屋」をつくる。クローゼットを主役にした空間づくり
クローゼットは、寝室や個室の一角につくるもの。そんな考えに縛られず、その家・その暮らしごとの“ちょうどいい場所”につくるアイデアを紹介してきましたが、最後にご紹介するのは、空間の一角に服の収納をつくるのではなく、服のためにひとつの部屋をつくった住まい。クローゼットを単なる収納ではなく、暮らしの中で楽しむひとつの空間として考えてみます。
case1 「閉じた収納だと詰め込んでしまう」なら、いっそオープンに!服選びを楽しむクローゼット
玄関を入ると広がるのは、まるでセレクトショップのようなオープンクローゼット。ここは、中古マンションをリノベーションし、愛犬と暮らす施主の住まい。ずらりと並んだ服や靴からも、ファッション好きな一面がうかがえます。
大胆なクローゼットは、実は「閉じた収納だと、中に詰め込んで散らかしてしまう」という、自分の癖に合わせて生まれたもの。お気に入りのカラフルな靴や服は、たしかに隠してしまうのはもったいない! 見せることで、インテリアの一部として空間に生かされています。
買い物をするような感覚で、その日の一着を選ぶ時間は楽しそう。「オープンにするなら、いっそお店風に」という仕立てなら、服を片付けることも「ディスプレイする」感覚に変わりそうです。洗面もクローゼットの一角にあり、服を選んで、メイクをして、鏡の前でその日のコーディネートを仕上げる。毎日の気分をアゲてくれる、身支度が楽しみになる収納です。
case2 「古着ストリート」を家のど真ん中に。コレクションを眺めて楽しむクローゼット
ハンバーガー店を営む施主の趣味は、古着やヴィンテージ雑貨のコレクション。時間をかけて集めてきたお気に入りたちの居場所としてつくられたのが、家の中心にあるこのクローゼットです。
天井から吊るしたサイズオーダーの『アイアンハンガーパイプ』には、たくさんの古着をディスプレイ。収納量を確保するなら上下に2本並べることもできますが、あえて1本を目線高さに設置して、ショップのように服を並べています。ただしまうのではなく、愛着のあるコレクションを「見せる」「眺める」ための場所としてつくられています。
このクローゼットはリビングと寝室の間にあり、両サイドには室内窓を設置。玄関からはもちろん、リビングからも寝室からもコレクションを眺められます。空間を仕切りながら、お気に入りの古着や雑貨を家のどこからでも楽しめる。まさに、家の真ん中を通る「古着ストリート」のようなクローゼットです。
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さまざまな空間事例や、「使用アイテム情報」を紹介している『imagebox』。
今回ご紹介した以外にも、「服の収納」のタグからさまざまな実例を見ることができます。空間づくりの参考に、ぜひご覧ください。