ご実家の建て替え話が出た際に、「自分の家を買う」という選択肢もあることに気づき、住宅購入をした40代のお施主様。「新築マンションも見たけれど、全くときめかなかった」と、中古マンションを買ってフルリノベーションすることを選びました。

約67㎡ある部屋は、1LDK+WICの間取りに。「狭くて暗い玄関は嫌だった」と、玄関は広々とした空間にしました。玄関の隣に設けた個室は、開けっ放しにしやすいよう引き戸で仕切っています。

個室の窓辺には、『ガーゼカーテン』のフラットスタイルをお使いいただきました。この個室は、現在はお父様が使用中。その後、実家は建て替えずに売却することになり、売却タイミングがお施主様の家づくりと重なったため、一時的にお父様と一緒に住むことに。

休日は基本的にお出かけしているというアクティブなお父様。平日もお施主様との生活リズムが異なり、食事は別々、時々二人で居酒屋にお出かけするような距離感で暮らしているそうです。

同居することにはなったものの、お父様には家づくりの相談をほぼしなかったそうで、お施主様の「今の自分が欲しいモノ」「今、良いと思うこと」を最優先してリノベーションしました。

広々としたホールにレイアウトされた洗面スペースも「欲しかったもの」のひとつ。照明は『ボールライト』で、洗面ボウルは朝、髪を濡らして身支度ができるようにと、大きめのものを選びました。

お施主様が自分で選んだ白タイルは、貼るのも自分でやってみたのだとか。洗面の水栓はキッチン用のもの。自分に合った使い勝手を追求していったら、この選択になったそうです。

丸みを帯びた形が特徴的な便器も、お施主様が選びました。もっと低価格のものにするか悩んだそうですが、使うたびに「かわいいな」と思っては、「毎日使うものには投資した方がいいんだな」と実感しているそうです。

愛猫のためのトイレスペースも備えた脱衣室には、洗濯機の上に『アイアンハンガーパイプ』を取り付けています。タオルをかけたり、洗濯物をここでハンガーに通したりでき、機能的な場所になりました。

床はナチュラルな色味のフローリング、壁はライトグレーの塗装壁にしたLDKは、明るいけれどゆっくりくつろげる落ち着きを感じる空間です。

現在はリビングの一角がお施主様のベッドスペース。畳ベッドは布団を上げれば小上がりのように使うことができ、ベッド感がないのがいいですね。棚などの家具でベッドスペースを仕切ることも考えたそうですが、お父様が朝キッチンを使っていても気づかずに眠れているので、このままで過ごしているそう。

リビングの窓辺にも『アイアンハンガーパイプ』を設置。やわらかに光を通すカーテンは『ガーゼカーテン』で、こちらはギャザースタイルを選びました。リーン・ロゼのソファが置かれたこの窓辺も、お施主様のくつろぎスポットです。

衣服はWICにまとめているので、リビングはすっきり。物があまり置かれていない広々とした空間はフロアに床暖房が入っており、猫と一緒にゴロゴロしたら気持ちが良さそう。

キッチンには、ダイニングテーブルの代わりに、天板が広々としたカウンターを造作しました。食事をとる以外にも、お菓子作りをしたり、趣味のお絵描きをして過ごしたり、リビング側の壁にプロジェクターで映像を投影して海外ドラマを観たりと、お施主様はほとんどの時間をこのカウンターで過ごしているそう。一台で何役もこなすカウンターが、ワンルーム的な暮らしに彩りを与えてくれています。

ステンレスの箱のようなキッチンは、IKEAのキッチンキャビネットにステンレス天板を組み合わせてつくったもの。カウンターテーブルの天板は、お手入れしやすいメラミン化粧板を選択しました。キッチンの上に取り付けた『モデストレセップ』はtoolboxの東京ショールームで出会って採用しました。

間取りも、設備機器も、内装仕上げもパーツも、すべてを自分で考えて選び、スケルトンの状態からどう空間が出来上がっていくのかもしっかり見届けながらつくった住まいに、お施主様は満足感と安心感も感じているそうです。

将来、部屋が手狭になったり、不便なところが出てきたとしても、「それはその時考えればいいかなって」とお施主様。不確定な将来に先回りをしてあれこれ備えるのではなく、「今の自分がしたいこと」を一番にしてつくった住まいは、結果的に、つくり込まれ過ぎていない自由度が高い空間になりました。

現在のお施主様は「パッチワーク風に敷き詰めたい」とラグを集めてみたり、裁縫ができる趣味スペースづくりの妄想を膨らませたりしているそうで、「今したいこと」がどんどんと溢れ出てきている様子。そうした「今」の積み重ねが、これからの暮らしの可能性を広げていくのでしょう。この先もずっと「今の自分」を楽しめそうな住まいです。

※こちらの事例はimageboxでも詳細をご確認いただけます。

EcoDeco(株式会社Style&Deco)/ エコデコ

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テキスト:サトウ

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