あまり見たことのないこの天井、通常は天井造作で隠してしまうデッキプレートをあえて現しにして白く塗装しているのです。デッキプレートとは床や屋根の下地材に使われる鋼板のこと。解体時は赤茶色の錆止めが塗られザラっとした荒々しい質感でしたが、錆止めを削り白塗装を施すことによって無機質になりすぎず、空間に馴染みながらも天井にアクセントを加えてくれます。

また、デッキプレートの凹凸に沿ってライティングレールを取り付けることで存在感を減らしたり、レンジフードの色を天井と揃えて馴染ませたりなど、空間の上部がスッキリと収まっていることで遊び心のあるインテリアたちが引き立てられています。

部屋の奥まで繋がるルーバー天井によって奥行きがより広く感じられる

壁には『アイアンハンガーパイプ』のコの字型を壁付け。壁の色と揃えることで目立ちすぎずまとまっています。

キッチンの正面にある小上がりの畳スペースはレコードがぴったりと収納できる高さになっています。その時の気分に合わせてレコードを選んだら、インナーテラスにあるプレーヤーに盤をセットして、畳に寝転がりながら、小上がりに腰掛けて外を眺めながら、ただひたすらに音楽を体に取り入れる。そんな素敵な時間が想像できます。

バルコニーに面した明るい空間のワークスペースはまるで外で仕事をしているような開放感がありそう。

インナーテラスにはワークスペースもあります。

在宅で仕事をする時っていかに気持ちを切り替えられるかが結構需要だなと思うのですが、仕事部屋をひとつ作ろうとするとそこまでスペースは取れなかったり……。そんな時、段差ってかなり有効。インナーテラス、ダイニング、畳スペースと段差を設けることで、空間を切り替えるだけでなくオンオフの気分の切り替えもしてくれます。

ブルーの塗装壁が目を惹くベッドルーム。リビングと繋がっているデッキプレートの天井が上部の開口部を突き抜けています。こうすることで寝室のようなコンパクトな空間でも奥行きが感じられ開放感が生まれています。

玄関を入ってすぐの位置に配置されたもう一つのワークスペース。夫婦共に在宅勤務が多いということもあって部屋の対角線上にワークスペースを設置。お互いの環境音も干渉しないようになっています。

洗面室とは別に、一歩飛び出してレイアウトされたシンク。そうすることで廊下までも洗面空間として活用することができるのでとっても開放的。

洗面スペースは玄関を開けてすぐの廊下に配置。

玄関脇の洗面スペースって少し奥まった位置につけたり、コンパクトなものが多かったりするけれどこれは横幅もあるオープンなもの。それでも、この洗面スペースは設備感が強く感じられません。これは、フレームレスなミラー、ボリュームを抑えたステンレスの洗面台など、要素を減らしてスッキリと仕上げているからなのかも。ミニマルに仕上げられた洗面空間との対比で壁付け照明のフォルムが際立っていますね。

見せたい場所を魅せるために、周りを構成している要素の素材、仕上げ、サイズ感などを考える。そのように考えていくことで自然と空間全体にまとまりが生まれてくるのではないかと思うのです。

のっぺりとしがちな天井に少し印象を加えながらも、仕上げで一体感を持たせてインテリアを引き立てる。バランス感がとても参考になる素敵な事例の紹介でした。

ゼロリノベ

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株式会社groove agentが運営するリノベーションサービス。「大人を自由にする住まい」をコンセプトに、家を買うことで自由になる「家のさがし方」「家のつくり方」を提案。
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テキスト:しもむら

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