戸建てを購入した友人の話を聞いたことがきっかけで始まった、マイホーム探し。ヴィンテージのアイテムが好きなお施主様が選んだのは、中古マンションリノベーションでした。

完成したのは、斜めのラインを各所に取り入れた住まい。元々の3LDKから、空間を広く取れる1LDK+土間という空間へ変身しました。

お部屋に入って一番最初に目がいくのが、三つ並んだアーチ。この三連アーチ開口のある壁は、四角い住戸の中を斜めに走っていて、アーチの奥は多角形や三角形のスペースになっています。

中にはインテリアを飾ったり、ベッドルームを設けたり、ペットの部屋にしたり。好きなものや色を並べた空間はまるでお店のショーウィンドウのようです。

お施主様のお気に入りの一つである、鮮やかなピンク壁。何色ものバリエーションの中から選び抜いたピンクだそう。

室内の床仕上げに使っているのは、テラゾー風のビニル床タイル。リビングから一段高くなったベッドスペースの床部分には違う柄を使用し、空間を視覚的に区切っています。扉はありませんが、カーテンで仕切れるようになっており、就寝時はおこもり感のあるベッドルームになります。

お施主様のもう一つのお気に入りが、キッチンに取り入れた「カラー目地のタイル」。カラフルな収納箱や食器を飾るようにしまって、タイル壁とのスタイリングを楽しんでいます。

キッチン本体やラックはステンレスで統一、合わせた『フラットレンジフード』もステンレスを採用していただきました。

トイレには『モデストレセップ』とペンダントライトを使って照明を2つ設置。天井と壁に2つ設置することで陰影が生まれ、コンパクトな空間に奥行きが生まれています。
手前に吊るしたペンダントライトは、その時の気分に合わせて灯具を変えて楽しめます。

洗面台は、クローゼットと玄関土間のそばにオープンにレイアウト。手洗いだけでなく、身支度をするときにもアクセス抜群です。

斜めの壁や四角いタイルの直線的でスタイリッシュな要素と、洗面器や鏡、ライトの丸く柔らかい要素の組み合わせに、お施主様のセンスを感じます。

丸で合わせた鏡と『メタルラウンジライト』は2つずつ。高さを変えているため、立っているときも座ってメイクなどをするときも明るく顔を照らしてくれます。ボール型のライトは光が全体に広がって顔に影が出にくいので、洗面にもおすすめなんです!

 

お気づきの方もいると思いますが、タイルとカラー目地はキッチンとお揃い。タイル面のふかし壁の上にステンレス板が貼ってあり、異素材の組み合わせが個性を放っています。

玄関土間と繋がるオープンなクローゼットは、まるでセレクトショップのような雰囲気。お洋服の並べ方からファッション好きな一面も伺えます。買い物をするような感覚でその日の一着を選ぶ時間は、身支度の気分が上がりそうです。

服を「見せる収納」にしているのは、実は「閉じた収納だと中を散らかしてしまう」という、自分の癖に合わせた工夫でもあったそう。お施主様お気に入りのカラフルな靴や服は、たしかに隠してしまうのはもったいない!インテリアとして空間に生かされています。

モルタル土間は、自転車と椅子や絵のインテリアが置かれていますが、置く家具や物によって使い方を自由に変えることができそう。広さの分だけ、妄想も広がるスペースになりました。

ビニル床タイル仕上げの床は、リノベーションを担当した設計士からの提案だったそう。お施主様は当初、モルタル調の床を希望していましたが、石目調の柄に惹かれたことに加え、汚れが目立ちにくく、さらに愛犬の足も滑りにくいという、一石三鳥なところが気に入ったと言います。

「斜めを取り入れた間取り」と聞くと、インテリアを置きにくそうなイメージを抱きますが、この家はむしろその逆。斜めのラインが家の各所に余白を生み、好きなものを存分に飾ることができる、インテリア好きなお施主様にとってピッタリな空間になりました。

個性的“だから”暮らしやすい。「普通の形」にとらわれず、自分仕様な住まいを追求することで叶えた、“マイベスト”なマイホームでした。

 

※こちらの事例はimageboxでも詳細をご確認いただけます。

ゼロリノベ(株式会社グルーブエージェント)

「大人を自由にする住まい」をコンセプトに、家を買うことで自由になる「家のさがし方」「家のつくり方」を提案するリノベーション会社。
東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪を中心に、資産性のある中古マンションの「物件さがし」から「リノベーションの設計・施工」までワンストップで提供しています。

テキスト:西尾

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