オリジナルのキッチンを考えるとき、まずは天板の素材を何にしようか?と考え始める人も多いのではないでしょうか。
面積も大きく、お部屋に与える影響も大きいので自分好みの見た目で選びたい。だけどどうしても気になってくるのが「汚れの落ちやすさ」や「傷のつきにくさ」といった機能面についてですよね。
ネットで調べると、オイル鍋試験や鉛筆硬度試験などさまざまな情報が出てきますが、実際の暮らしにどう置き換えればいいのか分かりにくいことも。そこで今回は、toolboxで取り扱っているキッチン天板に、日常生活でうっかりやってしまいがちなシチュエーションの“汚れ・熱・傷”を検証してみました。
toolboxのキッチン天板、どんな素材がある?
今回主に検証していく天板は以下の4種類。それぞれの素材の特徴をご紹介していきます。
・ステンレス
・人工大理石
・木
・メラミン
<番外編>
・モルタル
・タイル
ステンレス
キッチン素材としてもはや定番となっているステンレス。飲食店の厨房などでも広く使われており、耐水性、耐熱性、耐久性に優れています。toobloxで販売しているキッチンもステンレス天板のものがほとんどで『オーダーキッチン天板』『業務用キッチン』『木製システムキッチン』など。今回はバイブレーション加工されたもので検証していきます。
人工大理石
人工大理石とは樹脂を人工的に固めた素材のこと。耐水性に優れ、カラーや柄が色々あるのが特徴です。toolboxでは『ホワイトミニマルキッチン』に白い人工大理石を使っています。今回はこの人工大理石で検証します。
木
木の温かみのある素材感をキッチンにも取り込める木天板。経年変化によって少しずつ味わいが増していくのが特徴です。toolboxでは『フリーカット無垢材』『フリーカット集成材』があります。今回は「フリーカット無垢材」タモにセラウッド塗装をしたもので検証。優れた撥水・耐汚性能があり、熱や乾燥にも強い塗装です。
メラミン
メラミン天板とは、メラミン樹脂を含ませた紙を何層も重ね、木材の基材に圧着して仕上げた天板のこと。toolboxの『マットカラーのキッチン天板』は高圧メラミンで仕上げられており、耐熱性や耐汚染性に優れ、表面硬度が硬く傷がつきにくい特徴があります。今回は8色あるカラーの中でホワイトを検証します。
また、キッチン天板として使うことを前提にした商品ではありませんが、汚れや傷への耐性がどのくらいあるのか気になったので、<番外編>としてtoolboxで販売している『モルタル天板』と『水彩タイル』を使ったタイル天板でも検証してみました。
「モルタル天板」はライトグレー、タイル天板は「水彩タイル」コットンに防カビ目地のホワイトを使用しています。
汚れを放置するとどうなる?
日々料理をしていると、気づかないうちにこぼれてたり、汚れを放置してしまったり、なんてこともありますよね。そこで今回は、実際の暮らしの中でこぼしがちなものを使って、天板がどうなるのかを検証してみました。
また洗面に使われることもある天板なので、参考としてヘアカラー剤やうがい薬など、一般的に天板にはNGとされているものについても、実際にどの程度汚れが残るのかを試してみました。
今回検証したものはこちら。
・ケチャップ
・油
・コーヒー
・醤油
・氷の入ったコップ
・マジックの落書き
・ヘアカラー剤
・うがい薬
これらを一晩放置してから水拭きをして変化を見ます。
このようにマスキングテープで区分けして全部の天板で試してみました。
ヘアカラー剤は変化がわかりやすいように真っ赤のものを用意。
一晩置いて、水拭きしてみるとこのような結果に!
※クリックすると画像が大きくなります
今回検証した結果、ステンレスがいちばん汚れが落ちやすいという結果になりました。ただし、人工大理石・メラミン・セラウッド塗装の木天板も、マジックペン以外の汚れはほとんど落ちたので素材による大きな差はなさそうです。汚れの落としやすさでいうと、ステンレス・人工大理石・セラウッド塗装の木天板は表面がツルっとしているため、力を入れずにするりと拭き取れました。
また、汚れが残るだろうと予測していたヘアカラー剤とうがい薬が意外と落ちていたのはびっくり!人工大理石とメラミンで同じ白天板でも汚れの残りやすさに違いがあったのは発見でした。
結果として、どの素材もキッチン天板として十分に汚れに強い!ということが分かりました。
残ってしまったマジックペンの汚れについて、一般的によく使われている落とし方を2つ試してみました!方法は除光液とメラミンスポンジです。
結果としてはどちらの方法でも汚れはきれいに落とすことができました!メラミンスポンジは落ちるまでしっかり擦る必要がありましたが、除光液は力を入れなくてもスルッと落ちました。とはいえ、どちらの方法も塗装が剥がれたり、変色したりする可能性はあるので、その点は理解した上で試すかどうか判断するのが良さそうです。
番外編のモルタル天板、タイル天板の結果はこちら!
どちらもキッチン天板用途の素材ではないので、時間がたった汚れは落としにくい印象でした。もし使う場合は汚れはすぐ拭く!というのを徹底するのが良さそうです。
天板の素材:木
フリーカット無垢材 ブラックチェリー オイル塗装
使用年数:3年目
濡れたら拭く、それで基本は大丈夫です。そんなにビビらなくても付き合っていける、けどズボラな自分をちょっと引き締めてくれるくらいには手がかかる感じが好きです。「育てる」みたいなたいそうな意識もないです、勝手に育ちますから。そこが良いんです。これからどうなるかも楽しみです。(toolboxスタッフ・佐古)
熱いものを放置するとどうなる?
料理をしていると、熱々のフライパンやオーブンから取り出したばかりのグラタン皿など、ちょっとだけ天板に置いておきたいってときありますよね。そこで今回は、実際に熱いものたちを天板に置いてみるとどうなるのかを検証してみました。
今回検証したものはこちら。
・沸騰した鍋(IHで温めたもの)
・熱々の料理(グラタン)
・200度に予熱されたオーブン角皿
これらを10分放置したあと、天板に変化があるのかを見てみます。
こんなに熱いものを置いて大丈夫かしらとハラハラしていたのですが、なんと全て変化なしという結果に!
ですが、基本的にはどのメーカーの天板でも「熱い鍋・やかんなどは鍋敷きを使用する」と記載があるので、今回の結果は参考程度にしておくのが良さそうです。
傷をつけるとどうなる?
ちょっとだけ食材を切りたいとき、まな板を出すほどでもなくて、天板の上で切りたくなることってありませんか?そこで今回は、包丁を使って天板にあえて傷をつけ、どのくらい跡が残るのかを検証してみました。
包丁の腹を10回叩きつける(左)&10回こすってみる(右)とこのような結果に。
※クリックすると画像が大きくなります
結果として、すべての素材に傷は残りました。 特に木天板とモルタルは傷がはっきり残り、一方で白いメラミンと人工大理石は見た目ではあまり分からない印象でした。天板の色味によっても傷の目立ちやすさなどは変わってきそうですね。
また、今回は小さな範囲で見ているため、実際より傷が目立って感じられる部分もありそうです。 傷がついた直後はショックですが、日常的に使っていくうちに少しずつ馴染み、そこまで気にならなくなってくる気もします。
あわせて、ステンレスと人工大理石は耐水サンドペーパーで軽くやすることで、傷が目立ちにくくなりました。ただし、表面をやすることで汚れが付きやすくなったり、光沢感が変わる可能性もあるため、その点を理解したうえで判断するのがよさそうです!
番外編のモルタル天板、タイル天板の結果はこちら。
タイルに関しては傷もほとんど残らず!モルタル天板に関しては、傷は残りましたが元からムラのある仕上げなので個人的にはそこまで気にならないかもと思いました。
天板の素材:ステンレス
オーダーキッチン天板 バイブレーション
使用年数:5年目
細かな傷は実際にはたくさんついているんだと思うのですが、バイブレーションなので馴染んでくれて気にならないです。 大掃除の際などにはちょっと強めの洗剤を使うのですが、変色したりしないのもステンレスの頼もしいところです。(元toolboxスタッフ・小林)
検証結果をまとめて発表
ということで色々な検証をしてきましたが、素材ごとの結果を表にまとめてみました!
分かりやすく◎・◯・△の3段階で評価していますが、これは私の独断と偏見なので参考までに。
今回の検証を通して、実際に木天板などを使っているスタッフの話を聞きながら感じたのは、メリット・デメリットの捉え方は人それぞれだということ。
例えば、料理は好きだけれど毎日こまめなお手入れは難しい人なら、清掃性を優先するのがいいし、厨房のようにガツガツ料理がしたい人なら耐久性を大事にする。そんなふうに、キッチンでイメージしている振る舞いや求めるものを整理することで、自分に合った天板が見えてくるはずです。
毎日使うキッチンだからこそ、日々の暮らしや行動を振り返ってみて、自分に合うキッチン天板を選んでみてください。
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