表情豊かな壁面で魅せるオフィス空間。(502号室)

以前にも『skeleton & tools』を利用して、所有しているオフィスビルの1部屋を改装したオーナー様。さらに2部屋お願いしたいと、ご相談をいただきました。(以前の改装の様子はこちら

築50年を超えた、エレベーターもない古いビル。さらに28㎡、38㎡と小さな区画で、一般的な事務所内装ではなかなか集客が難しい状況でした。

前回の部屋はほぼスケルトンに近い内装にしましたが、今回はさらに目を引く一手を盛り込みたいというご要望でした。

「skeleton & tools」では、天井や壁、床の仕上げ、電気工事などオフィス空間の基本となる改装を行う「skeleton base」に、「&tools」という様々なオプションを追加して、空間を自由にアレンジすることができます。

そこで今回は、「&tools」の中からアクセント壁を取り入れることで、印象的な「オフィスの顔」をつくり、物件のセールスポイントとすることにしました。

ハードな土間や塗装壁と、優しい木の表情の組み合わせ。(501号室)

アクセント壁として採用したのは、ストレートなラインがシンプルな『ウッドウォールパネル タモ柾目』。

ニレ板目とタモ柾目の2つのバリエーションがある壁材で、今回は少し都会的な印象を持たせたかったので、木目があっさりしているタモ柾目を採用することに。

塗装はムラが出ないよう、コテバケを使って丁寧に塗っていきます。

こちらは塗装工事の様子。使用したのは『ワトコオイル クリア』で、無塗装時の素朴な表情から、艶やかな表情に変化しているのがわかります。

「ウッドウォールパネル」の無塗装品は、着色で好みの雰囲気にアレンジできることも特徴。この部屋では、黒くズッシリとした印象の土間とバランスを取るために、クリアで明るめに仕上げました。

壁面をスッキリと見せるため、巾木と廻縁はなくしました。

もうひとつのポイントは、巾木や廻縁をあえてつけなかったこと。

床面からスッと板壁を立ち上げ、梁下もそのままで納めることで、「ウッドウォールパネル」の存在感が際立ち、より印象的な壁面になりました。

シンプルな給湯室。卓上IHコンロが置けるようコンセントを設置しています。(502号室)

給湯室は『ミニマルキッチン』のみ!でシンプルに仕上げました。バイブレーション加工の天板は傷が目立ちにくい、と賃貸でも好評。潔いフォルムと質感で、ラフな空間とも相性が良いキッチンです。

トイレには、シンプルな空間にも映える、印象的な照明を取り付けました。

トイレには壁付け照明『マリンデッキライト』を設置しました。明かりを灯すと浮かび上がる十字の紋様が、コンクリートを直に白塗装した壁を彩ります。

改装前のエントランス。

改装後。エントランスドアもオフィスの顔として重要なポイントです。

エントランスは既存のドアに、新たに塗装を施しました。元のアイボリー色から深いブルーグレー色に塗り変えることで、重厚感を演出しています。

Pタイルを剥がしてみると、年月の経過を感じさせるラフな表情のモルタル床が現れました。

「skeleton base」では、床の仕上げを「土間」「フローリング」「カーペット」の3つから選ぶことができます。今回は土間プランをお選びいただきました。

土間プランの場合、既存の仕上げを剥がしてみるまでその下がどんな表情になっているかわからないので、私たちも毎度ドキドキしています。

今回は古いPタイルを剥がしてみると、黒ベースに少し茶色味がかったマダラの表情が現れました。

モルタル床は、柄の長いローラーで一気に塗り進めていきました。

これはこれで面白い表情だったのですが、今回目指す空間の雰囲気に対して少し大味すぎたので、既存の表情を活かしながら黒染めしてお化粧直し。

毎回判断の難しい土間プランですが、建物の個性が表出する部分なので、どう対処するかを考えるのが楽しいプランでもあります。

白塗装の壁面とモルタル床のコントラストに、「ウッドウォールパネル」が映えるオフィス空間。

「skeleton base」で空間をシンプルに整えつつ、「&tools」でウッドウォールパネルを加えることで、オフィスの顔となる印象的な背景をつくり上げることができました。

クールな土間と、柔らかな雰囲気をもたらす板壁。程よい緊張感を持ちながら働けるような、そんなオフィス空間になったのではないでしょうか。

現場からは以上です。

同じ角度からのbefore。白やライトグレーの内装なのに、暗くてじめっとしている印象でした。

(担当:モリムラ / テキスト:シラトリ)

ツールボックス工事班|TBK

toolboxの設計施工チーム。

住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。
ご予算や目的に応じ、既存や素材をうまく活かしたご提案が特徴です。

 

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※毎週水曜日の13時から15時まで、東京・目白ショールームに施工チームがいます。工事に関するご相談も承っておりますので、この時間もご活用ください。

skeleton & tools
定額制オフィス改装パッケージ
スケルトン空間をベースに、必要な要素をカスタマイズできるオフィス改装サービス
定額制の基本空間:¥41,800 / ㎡
対応地域
東京23区および近郊
担当:morimura / テキスト:白鳥

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