お客様にとって思い入れのあるお家。最初のリノベーションは1階のLDKを中心に。

ガラッと全部を変えるのではなく、「収納量・使い勝手・広がりのあるリビング」という今の暮らしを快適にするために必要な条件に絞って手を加えていったそう。

床材は風合いのあるオークの無垢床をセレクト。壁面に新設した造作棚のブルーグレーが空間のアクセントになっています。

お客様が国内外で集めた食器や雑貨のコレクションが、窓枠の上までずらり。キッチン対面に新設したカウンターの下は調理家電が収まるカップボードに。

キッチンの対面にある柱と一体になったカウンターと、壁面の造作収納の天板は、床材とお揃いに。統一感を持たせながらコストダウンも叶う選択です。

キッチンは既存のものを活かし、扉を塗装して把手を付け替えただけ。そう言われなければ気づかない程、お部屋の雰囲気によく似合っています。

好きなものがはっきりしているというお客様。アイテム一つ一つに、軸をぶらすことなく「自分たちは、これ」と選び取っていった様子が伝わってきます。

それから12年の時を経て、今度は2階の主寝室と洋室に手を入れることに。

間取りは大きく変えず、元々クローゼットだった部分を変えて、お部屋の使い方を広げています。

まず、主寝室のクローゼットは書斎スペースに。

元々お部屋の一角に置いて使っていたデスク。「サイズ的にも、ここに収まったらちょうど良いのでは?」と計画されたそう。

自宅で仕事をする機会が増えた、ここ数年。書斎をつくりたいけれどどこに設けよう……と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?収納量との兼ね合いもありますが、こんな転用の仕方もありなんですね!

こちらのお家では、ただクローゼットを無くすのではなく、分散していた収納場所を一箇所にまとめて、より使い勝手よく考えられていました。左の扉が新設したウォークインクローゼットへと繋がります。

続いて、洋室のクローゼットだった場所も見てみましょう。

こちらの洋室は、独立された娘さんがお孫さんを連れて泊まりにきたり、趣味のお料理とお花のワークショップを開く際に、人が集まる場所にしたいと考えられたそうです。

んん?

あの端っこにいるのはもしや……?

なんと!『ミニマルキッチン』と『塗装のキッチンパネル』がピッタリ収まっています!

ゲストをもてなす際に、お茶を入れたりグラスを洗ったり……ミニキッチンとして使っているそうです。

暮らしの変化で、お部屋の使い方は変わっていくもの。全てを新しくするのではなく、小さなスペースに新たな役割を加えていくだけでも、家での過ごし方を変えていけるんですね。

一方、お部屋の内装は「憧れていたヘリンボーンの床とパリ・メルシーのカフェで見た壁が忘れられない」と、これまで旅した街や、好きなお店で見たものからイメージを固めていったんだとか。

既存の建具は、自分たちでエイジング塗装を施したそう。

リノベーションの時期や、選ぶ素材は違えども、家全体で見てみると同じ空気が流れているような印象を受けます。

自分の体験によって、深く記憶に残っている「好き」の感覚は、きっと時を経ても変わらないのかもしれないですね。

2度のリノベーションのパートナーに選んだのは「リノベ業者というよりもお友達感覚」とお客様が話す、空間社。今回は、できる部分は自分の手で、専門的な施工部分は空間社の力を借りて進めていったそう。

自分で手を加えた経験は、家への想いをより特別なものにしてくれたのではないでしょうか。

時を経て、変えていくものと変わらない、むしろ深まっていくもの。そんな家との向き合い方を見せていただきました。

(岩崎)

紹介している商品

株式会社 空間社

株式会社 空間社

世田谷区・目黒区・渋谷区・港区を中心とした東京都内近郊で、マンション・戸建て住宅のリノベーションを行っています。プランニングから設計、施工を経て完工・お引き渡しまで、同一の担当者が責任を持って進めていく、安心の専任制を採用しています。

関連する事例記事

築28年戸建ての1階リノベ。玄関・洗面・LDK、家族の暮らしのベースになる場所を心地よく整える
築28年戸建ての1階リノベ。玄関・洗面・LDK、家族の暮らしのベースになる場所を心地よく整える
4人家族が暮らす2階建ての住まい。「これからもずっと住み続けられる、思い入れのある家にしたい」と考えるようになり、家族の暮らしに合わせて1階部分をリノベーションしました。
“木とタイルで魅せる”。ありふれたビルに個性をつくり出すオフィスビルのリノベーション
“木とタイルで魅せる”。ありふれたビルに個性をつくり出すオフィスビルのリノベーション
ありふれた内装だった賃貸ビルに、リノベーションで、「このビルに入居したい」と思わせる魅力をプラス。 コストを抑えながらも素材使いの工夫で個性をつくりだしたリノベーション事例です。
「長く住む家」だから、着飾りすぎず、シンプルに。変わっていく暮らしを受け入れる“素地”の家
「長く住む家」だから、着飾りすぎず、シンプルに。変わっていく暮らしを受け入れる“素地”の家
着回しが効く、長く付き合える一着を選ぶように。つくり込むのではなく、暮らしのベースをつくる感覚でリノベーションして、これからの暮らしに寄り添い続けてくれるマイホームをつくった事例をご紹介します。
「ナチュラルワイン」とノンアルの「クラフトビール」を堪能できる、まちと繋がるお店
「ナチュラルワイン」とノンアルの「クラフトビール」を堪能できる、まちと繋がるお店
台東区、上野桜木町の住宅街の中に佇む、車庫を店舗に改修した「inclus wine & brewing」。ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)ショップとノンアル専門クラフトビールブルワリーの事例をいただきました。