白をベースとした室内に、ブラインドの隙間から優しい光が差し込みます。その光を受けるのは『燻蒸フローリング』。時を経て色褪せた表情を表現したフローリングです。築古を感じさせるコンクリート躯体に塗装した壁と、時を経て色褪せたような表情の燻蒸フローリングがとてもマッチしていると感じます。
オーナーさんが燻蒸フローリングを選んだ理由は、少しくらいの傷なら目立ちづらいという特性が気に入ったからとのこと。
借り手が変わっても経年変化を楽しめる物件となりそうですね。
一段上がった先は『チェッカーパーケット』が敷かれたキッチン。
複数種類のフローリングを使うと空間の統一感がなくなるのでは……?と心配になる方もいるかと思いますが、見てください、この見事な融合を!段差があることで、柄の強いチェッカーパーケットが、ラグのように違和感なく溶け込んでいます。
古いマンションをリノベーションしたこちらのお部屋。コンパクトなキッチンの頭上にはホワイトの『フラットレンジフード』。実にしっくりと馴染んでいて、まるで元から設置されていたかのようです。ダクトの存在もかえってかっこよく見えます。
シンクとコンロまわりは『古窯70角タイル』の胡粉。
貼り方にもこだわりがあるそうで、シートで販売されたタイルをわざわざシートから剥がして一枚一枚貼りつけたとのこと。目地を細く、敢えてギュッと貼り合わせることで、独特の味わいが生まれました。
キッチンの主役である食材やうつわたちの邪魔はしないけど、ゴチャゴチャしがちなキッチン天板まわりを、胡粉の色合いがすっと引き締めています。
窓台に「古窯70角タイル」の胡粉をさりげなく貼っているのもいいですね。「古さ」に「味わい」のある小物を配置して、心地のいいレトロ感が生まれています。