壺屋は、那覇市にある壺屋焼のまちで、1682年に琉球王府が各地の窯をこの地に集めたことから始まりました。現在も「壺屋やちむん通り」には工房や器店が並び、焼き物の文化が暮らしの中に息づいています。
宿のコンセプトは“やちむん”。1階「SOU」は陶土を生む地層を、2階「TAMARI」は釉薬が滴る様子をイメージした空間。やちむんに包まれながら、壺屋のまちと焼き物文化に触れる滞在が楽しめます。
2階の壁には、やちむんの釉薬をイメージしたタイルを使用しています。釉薬が滴るような自然な表情と、光をまとった色の重なりが、柔らかな美しさを生み出しています。
キッチンには『木製ミニマルキッチン』をご採用いただきました。左官仕上げの壁とラワンの深い色味とのコントラストで、タイルの青がより鮮やかに見えます。キッチンを照らす『ミルクガラス照明』は、これから棚に飾られるやちむんの器を優しくライトアップしてくれる予定。
洗面には『陶器の手洗い器』『ストレート混合栓トール』『木製ラウンドミラー』をご採用いただきました。
1階のダイニングと寝室をつなぐ建具には「地層」を感じさせるwhoの壁紙を使用。写真家”ノモトヒロヒト”の「Lines」がデザインされており、抽象的なストライプが歴史的背景と時間の流れを表現しています。
この空間にあると、焼き物に欠かせない土の地層と、壺屋焼の300年の歴史の積み重ねを感じさせます。
高温多湿な沖縄の環境に考慮して、寝室の床座には織物ビニル床材のボロンを使用しています。
床座と言えば畳だと思っていましたが、こうした素材もあるのですね。
2階の寝室には、鮮やかなブルーの建具を取り入れました。釉薬の青にも見えるし、沖縄の青い海のようにも見えます。
2階の天井は、セメント瓦裏現しになっています。
沖縄の田舎道で見かける古い民家の多くに使われているのが、このセメント瓦。現在は鉄筋コンクリート住宅の普及により、セメント瓦を製造する工場や職人も減りつつあります。沖縄の歴史を感じさせる、貴重な存在です。
また、再建築不可の物件をリノベーションして宿泊施設として蘇らせたため、解体した建物の劣化箇所を炭素繊維で補強しています。
その際の左官補修をそのまま仕上げとして活かしながら、全体的に沖縄らしいニュートラル色合いでまとめた空間になっています。
「Tsuboya apartment」は夜の表情も魅力的。暗くなると、丸い照明がポッと浮かび上がり、部屋を優しく照らしてくれます。
歴史を感じるセメント瓦裏現しの古さと、現代的な照明が融合し、ほっと落ち着く居心地の良い空間を演出しています。
やちむんや沖縄らしさを随所に散りばめた空間は、陶器の質感や柔らかな色合いが五感に心地よく届き、滞在する人を穏やかに包み込みます。やちむんの世界観を感じながら過ごす宿は、壺屋という土地への愛着も自然と深まりそうです。
アートアンドクラフト
建築設計/施工/不動産仲介/建物再生コンサルティングのプロ集団です。
大阪・神戸・沖縄を拠点に、マンション1室からビル1棟まで既存建物の再生を得意としています。
大阪R不動産も運営しているtoolboxのグループ会社です。
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