「ホテルと家のイイトコドリ」をコンセプトに、企画・開発・運営を手がけるBARE NOTE STUDIOが展開するホテルブランド「illi Stays」。
今回ご紹介するのは、下北沢駅から徒歩5分というロケーションに位置する宿泊施設「illi Amu Shimokitazawa」。「Amu」は“Amusement”に由来します。訪れた人の感性を刺激し、遊び心と楽しさに満ちたひとときをお届けしたい、という思いから名づけられました。
ホテルらしい快適さと、自宅のような気楽さ。
その両方を叶える客室には、リビング、ダイニング、キッチンに加え、洗濯乾燥機まで揃い、家具や収納も普通のホテルよりずっと充実しています。
空間の設計デザインを担当したのは、float。プランニングから細部の納まりまで、何度も試行錯誤を重ねながら、ひとつひとつ形にしていきました。
ライブハウスやカウンターカルチャーが息づく街、下北沢。その雑多で自由な空気感を、客室のディテールに散りばめています。
象徴的なのが、レコード盤を使ったオリジナル照明。実はこれ、『工業用レセップ』をアレンジして仕上げた照明なんです。ノスタルジーとアート性を融合し、ホテルのキーモチーフとしてサインや室内の随所に採用しました。点灯すると、盤面に刻まれた微細な溝が光を反射し、音楽の街らしい情緒を漂わせます。
客室デザインのベースは、ミッドセンチュリーの整ったフォルム。濃い木目に青や黄色の差し色を合わせ、どこか懐かしく落ち着いた空間に仕上げています。そこにレコード照明やアートといった遊び心を加えることで、下北沢らしい自由で雑多な空気が溶け込みました。
床には光沢のあるタイルを一面に敷き詰め、視覚的な広がりとホテルらしいきらめきをプラスしました。
食事を買ってきてみんなで囲んだり、簡単に料理をして楽しんだり。おしゃべりしながらくつろぐ時間も、ここでは自然と心地よく流れていきそうです。
設計上の工夫も随所に。入り口や壁にはR曲線を取り入れ、動線を自然に導きながら、空間全体をやわらかく見せています。キッチンの壁には床とトーンを揃えたブラウンのタイルを貼り、黒の『フラットレンジフード』を組み合わせることで、主張しすぎず空間に溶け込む仕上がりにしました。
造作家具は、合板の小口をあえて見せるラフな仕上げ。街の空気感をそのまま切り取ったような素材使いが特徴です。
洗面空間も客室のトーンが連続し、心地良い気分で身支度ができます。
サテンの『壁付セパレート混合水栓』が上質な存在感を与えながら、アイアンの『ハンガーバー』と落ち着いたラワン材の組み合わせが、空間に程よいラフさを添えて。
居室空間も洗面空間もユニット感のある什器やカラフルな家具を組み合わせ、滞在者の感性を刺激する空間に仕上げています。
ベッド周りは、意匠的な寸法とベッドメイクのしやすさ、動線確保のバランスを見極めながら計画されました。
今回はダブルベッド3台をバンクベッド仕様で配置し、最大6人でも快適に過ごせるプランに。日中は窓辺で街の雰囲気を眺めながらのんびり過ごすのも良さそうです。
レコード盤のオリジナル照明が、枕元でもやわらかな表情を灯しています。
部屋のサイン灯にはイエローのアクリル板とLED照明を組み合わせ、温かみと視認性を確保しています。
ライブハウスを思わせる光の演出と、備え付けのレコードプレーヤーが、滞在者に音楽と時間の深みを与えてくれます。
そんな空間だからこそ、料理をしたり、洗濯をしたり、ソファでごろごろしたりと、気づけば自宅のようにくつろいでしまう心地よさがあります。日常の延長を、家族はもちろん友人たちと一緒に、旅先でもそのまま楽しめる場所です。
泊まるだけじゃもったいない。
このホテルには、“滞在そのものを楽しむ”ための体験が詰まっています。
ギャラリーのような空間が感性を刺激し、友人や家族と集いながら、部屋の中にいても下北沢の魅力をぎゅっと味わえます。
ホテルでもなく、自宅でもない。
そのどちらでもあるような、“みんなで過ごすリビング”がここにはありました。
illi Amu Shimokitazawa
仲間と一緒に下北沢らしい雑多で自由な雰囲気を味わえるホテル。賑やかな南口商店街を抜けた先にあります。
東京都世田谷区代沢5丁目30−2 A*G下北沢 5階(MAP)
下北沢駅徒歩5分
illi Stays
HP:https://illi-group.com/
企画・開発・運営:株式会社BARE NOTE STUDIO
株式会社float
“floatでありながら、floatらしさを持たず”をコンセプトに、日常の中に“非日常”の要素をプラスし、創造力が掻き立てられ、自由な発想を引き出す空間を設計する。
そんなインテリアデザイン会社を目指してます。
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