以前の住まいにも愛着はあったものの、「間取りや内装がもう少しこうだったら……」という思いが心のどこかにあり、大阪への引っ越しを機に、思い切って中古マンションのリノベーションに踏み切ることを決意されたお客様。

動線の工夫やデザインのこだわりなど、自分たちの「こうしたい!」を形にした住まいは、果たしてどんなふうに仕上がったのでしょうか。早速ご紹介していきます。

全体の色味を抑え、落ち着いた雰囲気にまとめられたリビングダイニング。

すっきりとした空間の中にも、インターホンを取り付けるためのニッチを“お家型”デザインにするというささやかな遊び心が忍ばせてあり、ふわっと心なごみます。

サイズや仕様にとことんこだわったというキッチンは、シンク側とIHヒーターを分けることで、コンパクトなアイランド型を実現し、ぐるりと回遊できる動線を確保。収納スペースもたっぷり備え、すっきりと使いやすい空間が完成しました。

グレートーンのスマートな印象の中に、ニュアンスカラーのタイルや木の素材感を取り入れることで、ふわりとした温かみが感じられます。

さらに、身長の高いご主人に配慮し、頭をぶつけないように浅型の『フラットレンジフード』を採用。使い勝手と快適さのバランスが絶妙なキッチンが完成しました。

「絶対ほしい!」と思っていた、タッチレス水栓や大きめの食洗機も導入。使い勝手がぐんと良くなり、家事の負担も軽減。毎日のことだからこそ、満足度の高い選択になったそうです。

テレビは壁掛けにすることで、すっきりとした印象に。

そして注目すべきは、正面に見える愛犬チャーリーくん専用のお部屋!わんちゃん用のゲージは、どうしても上部にデッドスペースができがちですが、収納の下にお部屋を作ることで、空間をすっきり保ちながら、上手にスペースを活用するというアイデア。

家族がくつろぐソファのすぐ脇にあるので、みんなの気配を感じながらチャーリーくんも安心して過ごせる空間になっています。

掃除のしやすさを重視して床にはタイルを採用。小窓と出入り口のデザインがとっても愛らしくてきゅん……。

空間のアクセントに一役かっている、リビングに設けられた真鍮のハンガーバー。

浴室をコンパクトにまとめるため、洗面スペースは廊下に面したオープン仕様に。これが意外にも使いやすく、帰宅後にさっと手を洗ったり、ベッドルームのすぐ前に位置しているため、朝の身支度動線にもぴったりだそう。

「チャーリー(愛犬)のお部屋が本当に気に入っています!」というお客様。遊びにきた友人たちからもとても好評とのこと。

かくいうわたしも愛猫専用のお部屋をつくりたい気持ちがむくむく湧いてきました。ペットとの暮らしをさらに楽しくするためのアイデアが広がる、素敵な事例です。

株式会社Standard

大阪・北摂を拠点に、ライフスタイル提案を行うリノベーション会社。マンション、戸建て、店舗のリノベーションはもちろん、物件探しからローン相談、デザイン、設計・施工まで、すべてをワンストップでサポート。それぞれのニーズやライフスタイルにぴったり合った「居心地いい空間」をトータルでご提案してくれます。

テキスト:八

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