オーナーさんがお困りの戸建てをカリアゲて、リノベーションして賃貸運用する「カリアゲ」プロジェクト。今回は、長屋のように並びの建物と隣接する木造の2階建て約51㎡が生まれ変わりました。

細い路地を入った3件目が今回の物件。アーチ型の庇が目印です。

この物件、オーナーさんの要望で耐震性能をあげるべく、壁の面積を増やす耐震補強工事をしています。

入口も、元はよくあるガラガラーと開けるガラス引き戸と窓だったところを両端は壁にして、新たなエントランスを設けたのだとか。以前の雰囲気が全く想像つきません。

before:昔ながらの入口。

入口を入ると、レトロな木造の世界に新規のグレーが融合した世界が広がっていました。

1階は細かく部屋が分かれていたところを広いワンルーム仕様にしています。

正面の壁には「ミニマルキッチン」と「フラットレンジフード」のステンレスコンビ。正面にもステンレスの板を貼って。無機質な壁面にお似合いです。

部屋の中央にある丸い照明は、元ゲームセンターで使われていた丸いシェードをリメイクしたものなのだとか。

キッチン側から玄関側を見たところ。

バーチカルブラインドの部分が玄関扉です。

2階のトップライトからの明かりを1階にも伝えるため、階段は蹴上げ部分を取り除き、下の収納部分も解体して、軽さをだしています。

元々壁があった位置に沿って貼られていたオリジナルの床はそのまま活かし、その他の部分はグレーのモルタル調の塩ビシートに。階段下は、元々は収納として閉じられていたので、2階から同じ雰囲気の板貼り部分を移設してきたのだとか。実は結構手がかかってる!

before:階段も元はどっしりと。

before:部屋の奥から入口側を見たところ。

元々土間は真ん中の柱から階段側の左側部分のみだったそうですが、土間も全面に拡張。植物を置いたり、大事な自転車を置いたり。面白く使えそうです。

2階に行ってみましょう。

2階は元々透明の波板のトップライトがついていました。その光を1階まで届けるために、床の一部を樹脂素材のグレーチングに。

元々引き戸で仕切られていた二間を、折り戸で仕切れる仕様に。開け放てば、一つながりの部屋として使えます。

床も折れ戸も、ラワン材。ラワン材は色味の個体差があるので、濃い4枚を扉用に、それ以外を床用にと使い分けたそう。

水回りは一階のキッチン奥に新設。

ちょうど、グレーチングの床の下部分にあたります。朝の身支度は光が落ちてきて気持ちよさそうですね。

ミラーを横断する露出配管が斬新な水回り。

気になるグレーの壁部分ですが、実はこれ、耐震補強で貼り増ししたOSB合板にパテをしてクリア塗装をしたものなのだとか。

洗面所奥の裏口側の外観はこちら。

お隣の建物とは、くっついてるようで、くっついてないそうです。

マンションのリノベーションに比べると、まだまだ事例が少ない戸建てリノベーション。
コンパクトでも、築古でも、性能をあげつつ、見た目もよくしてこうやって活かしようがある。こんな活用術がもっと皆様に広がりますように。

ちなみに今回の物件は、グループ会社「東京R不動産」で募集をかけたところ、内見申込が複数あり、最終的にカップルの方が成約となったそう。仲介担当によると、普通のマンションにはあきて、変わった戸建て物件に住みたいという20-30代の方の需要があるみたいです。

空家の運用にお困りのオーナーさんは「カリアゲ」要チェックですよ。

Photo:中村晃

(来生)

ルーヴィス

ルーヴィス

古い建物を活用し、既存のいい部分は活かしながら「懐かしい新しさ」に変化させるリノベーションを行っています。
toolboxでも初期からお世話になっている施工パートナーです。

※お住まいになりながらの改修工事はお受けできません。

関連する事例記事

80㎡を二人でコンパクトに暮らす。子育てがひと段落した夫婦のアフターリフォーム
80㎡を二人でコンパクトに暮らす。子育てがひと段落した夫婦のアフターリフォーム
ツールボックス工事班が工事を担当させていただいた、お子さんのひとり立ちを見据えた暮らしを考えるリフォーム事例です。必要な場所とものを集約し、80㎡を二人の暮らしにちょうど良いスケールにまとめあげました。
予算の制約を個性に変える。既存の痕跡もパーツも家具も、“素材”としてコラージュした住まい
予算の制約を個性に変える。既存の痕跡もパーツも家具も、“素材”としてコラージュした住まい
57㎡の古いマンションのリノベーション。限られた予算の中、現しのコンクリート躯体やハツリ跡も“内装を構成する素材”と捉え、パーツや家具、照明と、コラージュするように空間を“編集”した住まいをご紹介します。
118㎡に、旅の記憶と愛着を詰め込んで。宝箱のような海辺のヴィンテージマンション
118㎡に、旅の記憶と愛着を詰め込んで。宝箱のような海辺のヴィンテージマンション
L型バルコニーから海辺の街を見渡す、広さ118㎡の角部屋。世界各地から持ち帰った思い出の品々を、自分好みの色や柄で彩った“箱”に詰め込んでつくった、とことん私的なリノベーション空間をご紹介します。
ホテルライクに暮らす。モノトーンに木の彩りを添えた、素材のコントラストが映える住まい
ホテルライクに暮らす。モノトーンに木の彩りを添えた、素材のコントラストが映える住まい
「ホテルライク」と「家事ラク」は両立できる? 街中にある61㎡のコンパクトマンションを、ホワイト×グレー×ブラックを基調にリノベーション。回遊性のある家事動線で、ホテルのような居心地を無理なく保てる住まいを実現した事例です。