広さが気に入って購入したという物件は80.2㎡。二人暮らしにはたっぷりとゆとりのある広さです。お施主様からのリクエストは、「家の中のあちこちに、お茶を飲んだり本を読んだりできる居場所が欲しい」というもの。
広さを活かすため新規で壁は立てず、空間の仕切り方を工夫することでたくさんの居場所がつくられました。
そんな居場所づくりは玄関からはじまっています。
居室一つ分を使った玄関土間は、自転車やシェルフを置くゆとりもある、広々とした空間。自転車をいじったりグリーンのお世話をするのにも活躍しそうです。
作業の休憩や、出かける準備待ちの時間は、窓辺のベンチで過ごせます。
玄関の対面は、腰高の造作家具で仕切った書斎。玄関からダイレクトにつながり、ここだけみるとオフィスのよう。
腰壁だけと思うと仕切りとしては心許なく感じられるかもしれませんが、ファミレスやカフェのボックス席をイメージしていただいたらわかるように、適度な仕切られた感覚が結構ちょうどよかったりします。
玄関土間側と書斎側、つながった空間にいても干渉しすぎないバランスが保てる仕切り方です。
書斎の窓際にはソファを配置して、コーヒーブレイクもここでできるように。ソファはリビングに置くものとばかり思っていましたが、余白があるところに置くことで、セカンドリビングのような空間になりますね。
中央のフローリングを進んだ先は、少しだけ階段があり、スキップフロアになっています。
構造上やむを得ない段差も、横に本棚を携えた腰掛けられるスポット。生活と仕事のスイッチを切り替える役割も担っています。
段差を上がった先のLDKは、寝室と一体になったひとつながりの空間。玄関、書斎からLDK、寝室まで建具は一つも設けていないんです。
リビングと寝室の中間は、縁無し畳のくつろぎスペース。壁や建具はなくとも、余白のスペースがあることで、寝室との間に適度な距離が生まれています。
畳のよさは、やはり床に座ったりごろ寝したり。猫にでもなったような気分で過ごせること。日当たりの良さも相まって、くつろげる居場所がたくさんあるこの家の中でも、格別の居場所でしょう。
壁際にはベンチを造作し、収納と腰掛けられる居場所も確保。寝転がるも座るも、腰掛けるも、好きに過ごせる、まさにフリースペースです。
寝室は、ダブルベッドと小さなデスクだけとコンパクトに。
畳スペースとの境には、合板で造作したシェルフを設けて腰壁でゾーニング。リビング側からの目隠しにもなっています。
キッチンは、道具や器類をオープンに収納した、厨房のような設え。というのも、上部に取り付けている『ハンガーラック』は、業務用厨房機器としてつくられているもの。ボウルや鍋類をのせたり、道具をかけたり。料理好きの相棒的ラックなのです。
キッチン本体は、『オーダーキッチン天板』とラワン合板で造作。『水彩タイル』のシエナを全面に合わせて、あたたかな雰囲気にまとめています。
唯一引き戸を設けた水回りは、洗面・ランドリー・トイレが一体になっています。床には「土間タイル」を採用し、清掃性よし。
ユニットバスを囲うような L字のレイアウトで、上の写真の左の奥がトイレ。トイレの建具はないのですが、落ち着くサイズ感でこもれる空間になっています。同居人数が少なければ、洗面と一体でもそんなに支障はないですし、窮屈さもクリアできます。
トイレの向かいは、キッチンと同じ「水彩タイル」を採用した洗面。コンパクトな水回りにも合板やタイルを採用して、素材を楽しめる居場所に仕立てていました。
80㎡のワンルームに二人暮らし。ただ開放的にするのではなく、間仕切りや余白の持ち方の工夫によって、小さな居場所を散りばめた住まいです。
部屋を移動することなく、今いる場所で腰掛けて、本を読んだりお茶を飲んだり。家全体がリビングになったかのような、新しい暮らし方をみることができました。
ゼロリノベ
株式会社groove agentが運営するリノベーションサービス。「大人を自由にする住まい」をコンセプトに、家を買うことで自由になる「家のさがし方」「家のつくり方」を提案。
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