大阪市淀川区の駅前に立つ、印象的な青色のビル。
ここに暮らしているのは、ご夫婦とお子さん3人の、5人家族です。

外壁の色は、海をイメージした青。
「家に入る前に見える景色から、少し広がりを感じられたらいいな」そんな想いから選んだ色なのだそう。普通の家ではなく、自分たちらしい場所で暮らしたい。そんな想いから、物件探しの段階からリノベーション会社「クジラ」と伴走しながら、住まいづくりがスタートしました。

建物は、1階が店舗兼事務所、2階以上が住居という構成。
1階にはロシア語書店を運営するテナントが入り、2階は将来カフェとして使えるよう、設備やレイアウトにあらかじめ余白を持たせています。

「今すぐ始めるわけじゃないけれど、やりたくなったときに無理なく形にできるように」
そんな将来を見据えた考え方が、住まいの随所に散りばめられています。

1階にはロシア語書店が入居しており、奥さまはこちらで働いています。
ロシアでは冬場の日照時間が短いため、住まいの中では気分が明るくなるよう、色鮮やかな壁や個性的な壁紙を取り入れる工夫があるのだそう。そのロシアらしいポップさを、この店舗の内装にも落とし込んでいます。

2階は、家族が自然と集まるメインフロア。
住宅でありながら、どこか店舗のような使い勝手も感じさせるキッチンが、暮らしの中心になっています。

キッチンは、『オーダーキッチン天板』を使い、ご家族が持っていた業務用のお好み焼きテーブルの高さに合わせて設計。レンジフードには、空間の広がりを邪魔しないシンプルな箱型の『フラットレンジフード』を採用しました。
ダイニングとの間に壁を設けず、視線が抜けることで、キッチンに立っていても閉鎖感がなく、家族の気配を感じられる空間になっています。

キッチンまわりは、料理好きなご主人のこだわりがぎゅっと詰まっています。
友人宅で実際の使い勝手を体感しながら、イメージを膨らませて選んだ設備たち。ステンレスの業務用キッチンは、鍋や調理道具を気兼ねなく置けるタフさが魅力。フットペダル式の水栓やフロントオープンタイプの食洗機など、「実際に使ってラクかどうか」を基準に選ばれました。

キッチンに立つと、子どもたちが並んで勉強している姿が自然と目に入ります。料理をしながらでも家族の様子を見守れる、ちょうどいい距離感が生まれています。

 兄弟が横並びで机に向かう姿も、この家の日常の風景のひとつです。

3階には、小上がりスペースを設けました。
家族がくつろいだり、子どもたちが遊んだり、それぞれが思い思いに過ごせる中間的な居場所です。
お子さんたちは、このフロアで過ごす時間がいちばん長いのだそう。

収納はあえて作り込みすぎず、小上がりの下を活用。暮らしの変化に合わせて、使い方を更新できる余白を残しています。

4階は、寝室・浴室・洗濯スペース・ロフトをまとめたフロア。
とくに家族で話し合いが盛り上がったのが、 「4階にトイレをつくるか」「お風呂は3階か4階か」というポイントだったそう。

検討を重ねた結果、4階にトイレは設けず、そのスペースをロフトに。今では、このロフトが子どもたちのお気に入りの居場所になっています。

お風呂と洗濯スペースを4階にまとめ、ベランダへとつながる動線にしたことで、洗濯→干す、の流れもスムーズ。
「そのうちベランダにテントサウナを置いてみたいんです」なんて、暮らしの妄想もふくらんでいるんだそう。

子どもたちが3階で過ごしている間に、4階でひとり洗濯物を畳む時間ができたり。同じ家の中にいながら、少しずつ“自分の時間”も持てるようになったと奥さま。

この住まいでは、ドアで細かく空間を区切るのではなく、フロアの違いで居場所をつくるという考え方を大切にしています。音や気配は感じられるけれど、視線はほどよく外れる。縦に広がる住まいだからこそ、家族それぞれが心地よく過ごせる距離感が生まれました。

暮らしを最優先にしながらも、仕事や将来へとゆるやかにつながる。店舗付住宅ならではのバランス感覚が、この住まいの魅力です。

KUJIRA|クジラ

KUJIRA|クジラ

【未来に繋がる「カッコいい」を創る】をミッションに、空間から生まれる感動や居心地を大事にしながらワンストップリノベーションを提案してくれるリノベーション設計施工会社。

自宅リノベから店舗・オフィス、街のデザイン・開発など幅広く大阪で活躍しています。

テキスト:小尾

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