働くことと同じだけ「くつろぐこと」に比重を置いたオフィス
オフィスといえば「働くための場所」というのが一般的なイメージですが、こちらのオフィスは少し考え方が違います。
執務スペースと同じくらいの広さを“ラウンジ”にあて、「仕事」と「くつろぎ」を同じ比重で設計しているのが特徴です。
両方のスペースを順番に紹介していきます。
明るさと温かみを備えた執務スペース
まずは執務スペースと会議室。
こちらも快適に過ごせる工夫が随所に散りばめられています。
天井はスケルトンで仕上げつつ白く塗装。開放感と明るさを確保しつつ、露出したダクトや冷媒管にはグリーンを垂らすことで、ハードな印象を和らげています。機能性だけでなく、自然を取り込んだ心地よさもプラスされていました。
また、身体に近い床やデスクには木を使用。手触りや視覚からも温かみを感じられ、長時間いてもリラックスできそうです。写真は夜ですが、日中は大きな窓から自然光が差し込み、より開放的に働けることでしょう。
会議室は最大12人が座れる広々とした空間。
床には青の幾何学模様のカーペットが敷かれ、執務スペースとは異なる雰囲気で、クリエイティブな会話を引き出してくれそうです。
デスクの天板には黒のメラミン素材を採用。空間を引き締め、落ち着いた印象を与えています。
頭上にリズミカルに灯る3灯の『ガラスボール照明』は、大きめのサイズ感が広い会議室にちょうどよいアクセントになっていました。
オフィスのもう一つの主役、ラウンジ
ここからが特に気になる「ラウンジ」のご紹介。
執務エリアと同じくらいのボリュームで用意されています。
大きく3つのコーナーに分かれており、その日の気分や過ごし方に合わせて「どこで過ごそうか」選べるようになっているのが魅力的です。
休憩や交流はもちろん、カフェにいるようにパソコンを開いて作業をしていたり、ちょっとした打ち合わせをしたりと、執務空間の延長としても自然に機能しているようです。
バーカウンター
ラウンジの中心にあるのは、ブロックで組まれた腰壁に木天板をのせたバーカウンター。ラフな素材感に厚みのある無垢の天板を組み合わせることで、素朴さと上質さが同居した空間になっています。
足元には黒く仕上げられた小上がりのような段差を設け、カウンターに座る人の足元をすっきり見せる工夫も。腰壁のブロックとの素材の違いが際立ち、空間全体の奥行きを強調しています。
写真の右端にはきらりと光る『トグルスイッチ』が。細部まで空間の雰囲気を支えていました。
右側の壁は黒いタイル貼りで仕上げられ、ブロックや木と好対照。奥行きと引き締まりを与えながら、お酒のボトルやグリーンを引き立てています。
壁一面に組まれた木製の棚は「見せる収納」として機能し、ラウンジらしい温度感を演出。
「どんなお酒が並んでいるんだろうー?」とついつい気になってしまいますが、働くスタッフが持ち込んでいるものなのでしょうか。仕事終わりが楽しくなりそうです。
また、頭上には『ソケットランプ』が等間隔に吊られ、シンプルながらもリズムのある光が夜の空間をより印象的にしています。
パレットの小上がり空間
ラウンジの一角には、パレット材を組んでつくった小上がり空間があります。
ステージのように床を一段上げることで、執務エリアと自然に切り替わり、「ここはくつろぐ場」と一目で分かるゾーニングに。
ソファやテーブルの土台もパレットで構成され、ラフで親しみやすい雰囲気に仕上がっています。
腰掛ける高さもちょうどよく、時には段差自体がベンチ代わりになるなど、使い方の自由度が広がりそうです。
また、座り心地の異なる選択肢があるのも特徴です。ソファでしっかり腰を下ろす、ビーズクッションでだらっと横になる、床に腰をかけて仲間と話す——その時の気分や人数に合わせて思い思いに過ごせそうです。
オープンな大テーブル
ラウンジの最後は、中央に配置された大きなテーブルエリアについて。
天然木の無垢板をそのまま活かした天板は、ざっくりとした木目の表情がありながらも白く塗装された椅子と組み合わせることで、空間全体にやわらかい印象を与えています。
椅子はあえてデザインを揃えすぎず、異なるフォルムをミックス。ほどよい抜け感が生まれ、ラウンジのリラックスした空気感を後押ししています。
背後の壁に飾られたポスターや、天井から吊るされたグリーンが視覚的なアクセントとなり、カジュアルさの中に洗練された雰囲気を加えています。
また、奥にはハンモックや丸テーブルも設置されており、「集まる」「一人でくつろぐ」といった異なる過ごし方を同じ空間にレイヤーしているのも特徴です。
丸テーブルの脚には、『スチールプレート脚』が採用されていました。軽やかでシャープなフォルムがラウンジにも自然な軽やかさを添えています。
ラウンジ全体をひとつの大きな余白として設計することで、自由な働き方や交流のスタイルを受け止められる場になっていました。
働き方も、過ごし方も自由に選べる空間
仕事をするだけでなく、休憩や交流までもが自然に生まれるオフィス。
執務とラウンジを同じ比重で設計することで、「働く」「くつろぐ」「集まる」といったシーンを自由に行き来できるのが、この空間の魅力です。
ただ「働く場」ではなく、ここで過ごす時間全体を豊かにすることを意識してつくられているのが印象的でした。
細部にまで「過ごしやすさ」と「らしさ」を込めた設計。まさに“1日中いられるオフィス”の姿の体現でした。
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