家族4人で暮らすには、少しコンパクトな住まい。そんな空間でどう心地よく暮らしていくかを考える中で、頼りになったのが、過去の家づくりの経験でした。今回は「やりたかったこと」を間取りや素材選びに反映し、自分たちにとっての暮らしやすさを丁寧に形にしていきました。

家族みんなで使う場所と、家族それぞれの居場所。そのバランスをどう取るか、ゾーニングに工夫を凝らし、随所に暮らしやすさのアイデアが詰まっています。

室内にはあえて廊下を設けず、限られた面積を無駄なく活かす間取りにしました。

玄関から仕切りなく続くLDKは、ダイニングキッチンとリビングゾーンで床仕上げを変えた細長い空間。
コンクリート躯体現しの素材感に合わせ、キッチンにはシンプルで存在感のある黒の『フラットレンジフード』を採用いただきました。

アイランド型のキッチンを回遊できるプランに合わせて、レンジフードも梁下にすっきりと納まり、空間のリズムを整えています。

LDKの壁沿いには長い造作カウンターを設けていて、その使い方がエリアごとに変化。
キッチン側では家電や食器の収納に。ダイニングでは振り返ればすぐお酒が手に届くバーカウンターとして。リビングではお子さんのスタディスペースに。

空間の統一感は保ちつつ、使い方は自由で多目的。暮らしにフィットする変幻自在のカウンターです。

家族の誰がどこにいても気配が感じられるLDKで、「楽に暮らせるようになった」とお施主さん。自然とLDKに集まりたくなる間取りは、まさにご家族のライフスタイルが反映されたかたちです。

子ども部屋では、2段ベッドのようにベッドスペースを上下互い違いに配置することで空間を間仕切りました。限られたスペースの中でも、お子さん二人の個室をしっかりと確保しています。

玄関には、土間収納をつくりました。家族のクローゼットとして使いつつ、作業スペースとしても活用できる余白を確保。室内窓で光と抜けを取り入れ、個室感を保ちながらも圧迫感のない空間に仕上げました。

床材には、お施主さんが「使ってみたかった」というモルタルを採用。汚れや傷を気にせずガシガシ使えるタフさが魅力で、玄関土間だけでなく、リビングや子ども部屋の床にも取り入れました。

洗面スペースは、LDKや玄関とトーンを揃え、グレーの塗装壁とモルタルの洗面台を組み合わせた仕上げに。トイレは、床と壁にシックなカラーのフロアタイルを使い、落ち着いた中にも個性を感じる空間になっています。

コンクリートやモルタルといった無骨な素材に、マットな黒の建具や塗装壁を組み合わせることで、ラフになりすぎないバランスの取れた内装のお部屋。素材や色の選び方にも、お施主さんのセンスと工夫がしっかりと感じられます。

家族みんなが心地よく集まりながら、それぞれの居場所もしっかりある住まい。
お施主さんのアイデアがたくさん詰まった、素敵な事例でした。

ハコリノベ

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そんな想いをモットーに、不動産の仲介、販売、リノベーションをワンストップで行う会社です。
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テキスト:小尾

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