『チェッカーパーケット』が伸びやかに広がる、明るくて、あたたかな空間。この事例をみた瞬間に、胸がときめいたのを覚えています。
和室と天井を解体してできた広々としたLDKは、陽がたっぷり入ってきて、見るからに心地よさそう。昼間は陽の光を浴びながら、夜は木製のシャンデリアからのやわらかな光を受けてのんびりと。そんなシーンが自然と浮かんでくるよう。
ホワイトと明る目の木のツートーンでまとめられた空間は、シンプルなのですがセンスが光っています。
全体に敷き詰められているのは、「チェッカーパーケット」。オーク材を組み合わせたフローリング材は、どこか懐かしさを感じます。この程よいクラフト感が、かなり好きな、というか、この事例をみてさらに好きになったフローリングです。
LDKから玄関へ続く廊下も同じフローリングで仕上げています。リビング扉は、フローリングにレールをつけなくて良いように吊り戸にしているので、伸びやかに視線が奥に引っ張られて気持ちがいい!
柄物のフローリングはハードルが高く感じるかもしれないのですが、意外と懐が深いなと思っています。パターンが入ることで空間に木が多くてものっぺりしないですし、ものが少なくても寂しくない。逆に持ち物が多くなっても受け止めてくれそう。
そして何より、VitraのダイニングテーブルやYチェアなど、北欧の名作家具たちが纏うたおやかな空気にしっくり来るのです。
壁側には白いシステムキッチン。シンプルですが、素材選びやデザインが効いた空間になっています。
まず目につくのが、造作した木製の作業台。家具のキャビネットのような佇まいですよね。壁付けのキッチンとダイニングは少し距離がありますが、作業台がゆるく空間をつなぎ、キッチンの設備的な要素を抑えてくれる存在。
ダイニング側には引き出しや開戸がついていて、『クラシックリブパネル』のラウンドを扉部分や側面にあしらっています。天板は、「クラシックリブパネル」と同じニヤトーを使用しているそう。
「クラシックリブパネル」を含む側面は、『ワトコオイル』のミディアムウォールナットで着色。つまみのバランスや引き出しの納まりが美しく、赤みがかった色合いも相まって、まるで北欧家具のような仕上がりです。
ちなみに、リブパネルは、デンマークのコペンハーゲンでつくられたのが最初と言われているので(諸説あるそうですが)、北欧ルーツを感じるのかもしれません。
キッチン側はオープンな収納になっていて、食器などを取り出しやすく。作業台は動かせるようになっているので、部屋のレイアウトを変えたら家具のように使うのもアリです。
キッチンのタイルは『古窯70角タイル』のパールホワイト(布目)を天井まで貼り上げています。
このタイルは布目という布を押し当てて、木綿豆腐のような模様が入ったムラのある表情が特徴。豆腐ゆえか和っぽい印象もあるのですが、実は北欧テイストと相性がバッチリなんです。
色鮮やかで艶やかな陶器と、ムラのあるタイルがいいバランス。特にパールホワイトの色味がトーンを少し下げてくれるので、赤茶のラワンの造作棚やオークのソケットを引き立てつつも、コントラストをつけすぎず、落ち着いた印象にまとまっています。
キッチン脇には、スチールのニッチ棚。お気に入りやすぐ手に取りたいものたちを並べて。
洗面にも、キッチンと同じ「古窯70角タイル」を使っていただいています。設備的になりがちな洗面の中で、タイルの質感にホッとしそう。こういうちょっとしたところに、お気に入りが欲しいんです。
洗面にも使われていた、真鍮の「ハンガーバー」はトイレにも。白壁と木の中に真鍮が加わることで上品な印象を与えてくれています。
玄関もホワイトと木ですっきりと。足元は『土間タイル』で清潔感がある仕上がりです。
水回りは設備や収納力など機能性をしっかりと確保しつつ、有機的な素材が家具や小物などの魅力を引き立てる。持ち物と素材のバランス、機能面と見た目や素材感のバランスが絶妙なお住まいでした。
※こちらの事例はimageboxでもご覧いただけます。
紹介している商品
株式会社ルーヴィス
古い建物を活用し、既存のいい部分は活かしながら「懐かしい新しさ」に変化させるリノベーションを行っています。
toolboxでも初期からお世話になっている施工パートナーです。
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