大阪市内の中古マンションをリノベーションした、ご夫婦のお住まい。ともにリモートワーク中心の生活を送るお二人が望んだのは、リビングの一角に「こもりすぎず、それでいてしっかり集中できる」ワークスペースをつくることでした。

「作業に集中できる環境でありながら、リビングの広々とした開放感はそのままに」。
そんな理想を叶えたのが、天井まで届く本棚でゆるやかに仕切られたワークスペースです。

ランダムに組まれた棚が、空間にリズムと抜け感をもたらします。置く物次第で視線をコントロールできるから、気分や使い方に合わせて、“こもり具合”を自在に調整できる、心地よい居場所が生まれました。

ご夫婦それぞれが使いやすいように設計されたL字型のカウンターは、短手側の角をR型にくり抜くことで、隅まで無駄なく活用できる工夫が施されています。

キッチンには、ボトルグリーンのカウンター収納と、印象的なデザインの下がり天井を採用。カップボードも含めて、すべて造作で仕上げられています。

シンク側だけがリビングへ少し張り出すように配置された長いキッチンカウンターは、コンロとあえて距離を取ることで、作業スペースをたっぷり確保。

キッチン天板には大理石を用い、白いタイルを組み合わせることで、素材感を活かしつつ上品に仕上げています。

コンロ脇の壁に取り付けられた黒い金物は、鍋に直接水を注ぐことができる「ポットフィラー」と呼ばれる水栓。シンクまで移動せずとも、コンロ上で直接鍋に水を注げるため、シンクとコンロの距離をあえて取った今回のようなレイアウトでも、快適に調理できる優れものです。

キッチンカウンターと木の下がり天井は、特徴的な窓辺と対を成したデザインだったんですね。斜めに設けたアーチ入口のパントリー棚も広がりを感じられます。

洗面室には『人工大理石の洗面カウンター』を採用し、キッチンと素材感を揃えています。天井にはハンガーパイプを取り付け、洗濯動線に配慮した家事ラクアイデアがここにもきらり。

寝室は、三角形の開口が印象的なウォークインクローゼットを設け、空間のアクセントに。天吊り収納を取り入れることで、足元すっきり、広がりを感じる空間に仕上がっています。

もうひとつのお部屋にある畳の小上がりのように見えるスペースは、実は移動式の収納ユニット。シーンに合わせて自由にレイアウトを変えられるようになっています。

大谷石と木のアクセントパネル、タイルを組み合わせたエントランスは、凛とした佇まいの中に、自然素材ならではのやさしいぬくもりも感じる印象的な空間に。

縦のラインが美しく並んだ『クラシックリブパネル』は、空間をすっきりと整えてくれると同時に、パネルの凹凸が壁に自然な陰影を生み、時間とともに移り変わる表情も楽しめます。

間仕切や空間をすっきりみせるためのアイデア、家事をラクにする工夫に加え、程よい遊び心も感じられる。ご夫婦が「暮らしの中で大切にしていること」が住まいのあちこちから伝わってくる、素敵な事例です。

株式会社Standard

大阪・北摂を拠点に、ライフスタイル提案を行うリノベーション会社。マンション、戸建て、店舗のリノベーションはもちろん、物件探しからローン相談、デザイン、設計・施工まで、すべてをワンストップでサポート。それぞれのニーズやライフスタイルにぴったり合った「居心地いい空間」をトータルでご提案してくれます。

テキスト:八

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