自分らしいインテリアづくりの基礎となるフローリング選びのポイントを紹介する「フローリングガイド」。Vol.1では「見た目」から考えるフローリング選びについて。Vol.2では「フローリングの種類」と「樹種」についてお話ししました。
Vol.3の今回は「塗装仕上げ」について。フローリングの塗装に使われる主な塗料は、オイルとウレタンの2種類。見た目や質感などの仕上がりが異なるだけでなく、日々のお掃除やメンテナンス方法も違ってきます。
フローリングの商品開発を担当し、施工部隊のリーダーも務めるtoolboxメンバー。
フローリングの「無塗装品」と「塗装品」って?
好みの塗料や色で仕上げることができる 「無塗装品」
フローリングの表面に塗装仕上げが施されていない状態のものが「無塗装品」です。そのままでも使えないことはありませんが、汚れや傷がつきやすいため、保護の目的からも、フローリング施工後に塗装するのが一般的です。
使う塗料の種類や色を自分の好みで選ぶことができるのが「無塗装品」のメリットです。
塗装済みなので、貼るだけで床が完成する 「塗装品」
あらかじめ塗装仕上げが施されている状態のフローリングが「塗装品」です。貼り上がり後の色合いや艶感、肌触りなどが確認しやすく、お部屋に貼った際の仕上がりをイメージしやすいのが利点。
貼るだけで施工が完了するので、工事期間が短く済むというメリットもあります。
「無塗装」と「塗装済み」の撥水テスト
無塗装品は水が染み込み、塗装品は弾いているのがわかります。
塗装することで汚れを防止することができるため、塗装して使うことをおすすめしています。
塗装と一言で言っても、保護を目的とした塗料と、着色を目的とした塗料、保護も着色もできる塗料があります。
保護を目的とした塗料と、保護も着色もできる塗料についてはこの後の章で詳しく紹介します。
着色を目的とした塗料には「ステイン塗料」と呼ばれるものがあり、基本的には木部を保護する成分は含まれず、着色だけを目的としているため、ステイン塗装後には保護用の塗料を上から塗ることをおすすめしています。
塗装仕上げの有無を選べる ラスオークフローリング
「無塗装」は、塗る塗料を自由に選ぶことができ、「クリア塗装」はメンテナンスが容易なウレタン塗装が施されています。
人気のオーク材を使った、天然木ならではの豊かな表情を感じることができる複合フローリングです。
2大塗装仕上げ、オイルとウレタンはどう違う?
フローリングの塗装仕上げに使われる主な塗料の種類は、オイルとウレタン。それぞれ性質が異なり、見た目、質感、使用後のメンテナンスの仕方も変わってきます。
長い時間をともに過ごすことになるフローリング。付き合い方も考慮しながら選びたいです。
原料・性質
見た目
肌ざわり
経年変化
オイルとウレタン塗装品以外にも「ワックス」というものがあります。
ワックスは固形化したオイルのことで、バターをイメージするとわかりやすいです。
オイル塗装よりも塗膜が厚いですが、ウレタン塗装よりは保護が弱いものになります。
フローリングの塗装におすすめのオイル塗料 ルビオモノコート
植物油由来の木部用塗料。特殊技術によって木材表面の繊維に塗料が入り込み、一度塗りでしっかり木材を汚れや水から保護しながら着色。
マットな質感で、塗り重ねてもムラにならず、理想の色合いを実現可します。化学塗料のような嫌な匂いもせずDIYにもおすすめです。
フローリングと快適に過ごすための“メンテナンス”
フローリングと暮らす上での注意点や、塗装仕上げに適したお手入れ方法があります。
フローリングを選ぶ段階でメンテナンス方法を知っておけば、暮らし始めてから快適に過ごすことができます。
傷の対策
シミや汚れの補修方法
日常のお手入れ
メンテナンスの頻度
オイルとウレタンの最大の違いはオイルは油(液体)、ウレタンは硬化した樹脂(個体)だということです。
油は経年とともに乾燥してゆくため、1年に1度の塗り直しが理想で、ウレタンの塗膜は半永久的に維持されるためメンテナンスが手軽に済みます。
着色次第で雰囲気がガラリと変わる 「無塗装品」のフローリング
クリア仕上げか着色か、着色の場合でもどんな色の塗料で塗装するかによって、仕上がりの雰囲気が変わってきます。また、元の樹種の色合いによっても仕上がりが異なるので、サンプルを取り寄せて、実際に塗料を塗って仕上がりを確認しておくことがおすすめです。
実際に塗って色を変えてみた
好みの色に仕上げることにこだわった事例を紹介します。
無塗装品のパーケットフローリングにステイン塗料を5度塗り重ねて、表面保護用にオイル塗料を2度塗って、深い味わいのフローリングを作り上げました。着色によってフローリングのイメージを大幅に変えることができます。
自分好みの空間を手に入れるために、フローリング材及び仕上げの塗料を選ぶ際は、求めている見た目や質感に配慮するだけでなく、フローリングとの付き合い方にも考慮して検討することが大切です。
次回、Vol.4は最終回。気に入ったフローリングが実際に我が家で使えるかどうかを知るための「機能性を兼ね備えたフローリング」の紹介をしていきます。