レンジフードをtoolboxオリジナルで開発しました。その名も『フラットレンジフード』。
無駄な凸凹をなくしたスクエアな形状で高さは20cm、ダクトをスッキリとりまわせる、リノベーション空間でぜひ使ってもらいたいレンジフードです。
そんなフラットレンジフードを開発したのは、toolboxで商品企画を行う椎野将志(しいのまさし)。
設計事務所で住宅・店舗の設計を行い、その後キッチンメーカーでキッチンの設計を経て、toolboxで商品企画を担当。今までの経験を元に、当時から自分が欲しいと思っていた、軽やかで空間を邪魔しないレンジフードを作りました。
目指したのは「広々と開放的で気持ちが良いキッチン」を作ること!開発担当者椎野が、フラットレンジフードに込めた想いをご紹介します。
悩みはいつもレンジフード
toolboxで主に開発業務をしている僕にとって、レンジフードは必ずオリジナルでつくりたい商品のひとつでした。
「え?なんでレンジフード?」と思われるかもしれません。
確かに、レンジフードはあまり着目されることがないアイテムだと思います。でも、住宅を設計する際にいつも悩まされるのが、レンジフードなんです。
主な悩みは大きく3つ。
「大きすぎること」空間の中で視線を遮るので、なるべくコンパクトにしたい。
「スイッチが目立つこと」スイッチパネル部分だけ色が違っていたり、ロゴが目立ったりが気になります。
そして最後が「ダクトが目立つこと」。
排気ダクトはレンジフード本体から屋外の排気口につながれています。通常は、天井裏に隠れて見えてきませんが、リノベーションで天井アゲをすると、このダクトが露出することになります。このダクトをなるべくすっきり見せることが出来れば空間も広く感じられます。
開放的なキッチンを作っても、頭上にどっしり構えているレンジフードが、空間の広がりを邪魔をしてしまうんです。
朝にコーヒーを淹れるときも、夜にスープを煮込む時にも、レンジフードがもっと軽やかで空間の邪魔をしないものだったら、キッチンはもっと伸びやかで、気持ちよく過ごせる場所になるのに。
そんな思いから「軽やかなレンジフード」づくりは始まりました。
「軽やかさ」をだすための形
まず、考えたのは形。レンジフードが取り付けられるのは、目線のちょっと上くらいの高さ。「目障りにならないこと」が第一条件。
何度も試行錯誤を重ね、たどり着いたのは、高さ20cmのスクエアな形でした。
斜めのラインや凸凹をなくすことで、なるべく印象に残りにくい形に。
20cmという高さも、対面式のキッチンで天井からレンジフードを吊るしたとき、レンジフードによって視線の抜けが遮られてしまうのを、少しでも抜けを生かすため。
スイッチの取り付け位置もこだわりました。一般的なレンジフードは正面にスイッチが付いていることが多いのですが、フラットレンジフードは底面に取り付けました。
とにかく外観には何も出っ張りがない、フラットな形状を目指しました。
すっきりダクト、軽量化を実現するためのターボファン
外観の「軽やかさ」は理想形に辿りついたものの、これを実現するためには避けて通れない排気ダクトの処理、質量としての軽やかさも重要でした。
「フラットレンジフード」では、ターボファンという排気方式を採用しました。
ターボファンの特徴は排気ダクトの接続位置の自由度が上がり、上部だけでなく、側面、背面にも排気ダクトを取り付けるが出来るということ。また、本体の重量を軽くできるため、壁に取り付ける際の補強の金具も不要となりました。