玄関ドアを開けると、まず目に飛び込んで来るのが、裏山の緑。

「ここは本当に家の中なの?」と一瞬戸惑ってしまいそうな、不思議な光景です。

こちらは、山の麓に位置するお家。家の裏側に山が広がる自然に囲まれた環境を生かし、外とのつながりを意識して設計されたそう。

土間仕上げの床と、下部のサッシが見えないように取り付けられた窓が、外の地面と一続きになっているようにも感じさせていて、どこまでが家の「中」なのか曖昧にしています。

また、幅を広くとった玄関スペースや階段の蹴込板を無くしスケルトンにすることで、視線が窓外の緑へと気持ち良く抜けていきます。

「ダイニングテーブルは、生活感を出さないよう、存在感があまりなく空間に溶け込むものにしたい」との思いから、『角パイプフレーム脚』と『フリーカット無垢材』をご使用いただきました。

「スチールの脚が細身でスタイリッシュな印象で、土間床ともマッチしています。脚が細いけれど、もちろん安定感もあって、購入してよかったです!

オーダーメイドで空間に合わせて大きさも決められたので、その点もメリットが大きかったと思います」

と満足していただき、嬉しい限りです。ありがとうございます!

どこか幾何学的で無機質にまとめられた室内は、外の自然の美しさを際立たせ、より印象的に見せています。

キッチンにも、大きなFIX窓と高い位置に小さな窓が1つ。

小さな窓は、まるで森の風景を額縁に飾っているようで、大きな窓にはない魅力があります。

続いて2階に上がる前に、スイッチにご注目下さい。

「日本の定番スイッチだと、生活感が出てしまう」と悩まれ、『アメリカンスイッチ』を採用して頂きました。

シンプルでメカっぽさを感じる見た目は、質感のある壁とウォールサインでこだわった壁面に悪目立ちする事なく、よく馴染みます。アメリカ生まれの名脇役ですね。

話を戻して、階段を登った先を見ていきましょう。

なんと贅沢な景色でしょう!

これでもかと幅いっぱいに広がる水平連続窓は、まるで映画館のスクリーンのように広々と空を映します。

天井が窓に向かって高くなっていることで、自然と視線が空に向かって誘導されていきます。

こちらは夕暮れ時の写真。

夕日の色が白い壁に美しく移り、外の景色までもがこの家の一要素になっています。

窓ガラスに走る木軸と、その先の空の広がりの効果で、全てを受け止めてくれそうなおおらかな雰囲気が空間に生まれています。

この事例の様々な窓を見ていくと、窓一つ一つの大きさや作り方によって、そこから見える景色に違いが生まれている事に気付かされます。

そして、外との繋がり方の違いによって、それぞれの部屋に異なる表情を生んでいることが面白いです。

皆さんも周囲の環境を取り込む視点から、家づくりのアイデアを膨らませてみて良いかもしれません。

 

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テキスト:hayakawa

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