大判サイズの室内窓『木製ガラス窓』。窓辺の心地よさを壁の向こうに届け、空間に抜けと奥行きを生み出す商品です。
「木製ガラス窓」は、長年人気の「木製室内窓」と同様に、組み立てられた無塗装の状態でお届けする商品。そのまま無塗装の状態でも使用いただけますし、現場で着色してもOK。他の建具やフローリング、家具などの色味と合わせた仕上がりにできます。
基本的には、ガラスを養生して塗装すれば綺麗に塗ることができるのですが、ツールボックス工事班の現場では、生活する中では目に入らない木枠の溝の部分まで綺麗に仕上げるため「室内窓のガラスを外してから塗装」しています。
今回は、「木製ガラス窓」の塗装現場にお邪魔して、「ガラスを外して塗装する」方法を、塗装職人・「塗りlabo+」の工藤さんに見せてもらいました。
やや手間にはなりますが、細部までこだわりたいという場合にはぜひ参考にしてみてください。「木製室内窓」も構造はほとんど同じです。
つけてから塗る?塗ってからつける?
今回は、「木製ガラス窓」の片開きタイプを、オイルステイン塗料でダークブラウンに着色します。
塗装をしてから取り付けるのかと思いきや、すでにLGS下地に無塗装の状態の「木製ガラス窓」が取り付けられていました。
ここに石膏ボードが貼られて、一気に壁っぽくなります。さらに、パテ埋めをしてクロスを貼っていくのですが、その前の段階で室内窓を塗装するそうです。
今回のケースでは、取り付けてから塗装しましたが、順番は現場の状況や職人さんのやり方によるとのこと。塗装してから取り付ける場合は、取り付ける段階で汚れがついてしまうこともあるため、取り付けてからもう一度仕上げの塗装をする場合もあるそうです。
実は細ビスを外すだけ。室内窓のガラスを外す
このように、木枠でガラスを挟み込む構造になっています。特に濃い色で着色する場合は、ほんの少しでもガラス越しに溝の木部が見えると気になることもあるので、今回は、ガラスを取り外し、溝部分まで塗装します。
一方で、ペンキでベタ塗りする場合は、溝まで塗りつぶしてしまうと塗膜の厚さでガラスがハマらなくなる可能性もあるそうです。ガラスを外して塗装するかどうかは、現場で使う塗料の種類と合わせて判断してくださいね。
では、室内窓のガラスを外していきます!
まずはフィックス部分のガラスを取り出します。
ガラスを押さえている中桟の下部と中央の2箇所についている細ビスを外していきます。見えるところにあるのですが、言われないと気づかれないくらいの小さなビスです。
1番サイズのプラスドライバーを使用して、手回しでビスを外していきます。小さいビスはビス頭が舐めて(ビスの溝が潰れて)しまいやすいので慎重に。
ビスを外すと桟が取れるので、倒れないよう押さえながら取り出します。
ガラスの厚み分の細い溝が出てきました。
フィックス部分の取り外し方は「片引きタイプ」も同様です。
次に開閉部分のガラスです。開き戸タイプは、ストッパーの金物や隠し蝶番、マグネットキャッチがついているので、インパクトドライバーで外していきます。マグネットキャッチはマイナスドライバーを使ってください。
今回は、全て取り外しましたが、拭き取りタイプのオイル塗料を使う場合は、金物をマスキングした上で上から塗装して拭き取っても大丈夫そう。
蝶番とストッパーを取り外すと、開き戸部分が取り外せます。
開き戸のガラスはこのように木で蓋をして固定しているので、先ほどと同様に細ビスを取り外していきます。
全て取り外したら、マイナスドライバーなどで引っ掛けて木の蓋を外します。
スライドしてガラスを取り外します。
ガラスが全て取り出せました!
「片引きタイプ」「引き違いタイプ」の引き戸は、上からガラスが差し込まれていて、小さな木片をボンドで接着して蓋をしている構造です。
逆さにしてガラスの自重で木片を外すか、出にくい時は裏からゴムハンマーで優しく叩いてください。戻す時も同様に少量のボンドをつけて木片を差し込めばOK。
「780角 上部押し出しタイプ」「上げ下げタイプ」は、「木製ガラス窓」のフィックス部分と同様に、木桟が細ビスで固定されているので、同様にビスを外してガラスを取り外すことができます。
その他の「450角 押し出しタイプ」「引き違いタイプ」「横長」は、木片で蓋がされている構造なので、先述した「木製ガラス窓」の引き戸タイプと同じ方法で取り外せます。
養生なし!? 職人技のオイル塗装
では、ここから塗装に取りかかります。
まず出てきたのは、水鉄砲のような道具……?
これ、ミニサイズのブロワーだそうです。塗装をする前に木屑を吹き飛ばして、塗装に巻き込まないようにします。
塗料は、VATONのレッドオーク。塗装後拭き取りして仕上げるタイプの塗料です。
では養生して……と来るかと思いきや、そのまま塗装を始める工藤さん。
ギリギリをせめて養生すると、微妙に塗り残しができてしまうんだそうです。ほとんどはみ出さないからOKとのこと。
とはいえ、これはベテラン職人さんの話。仕上がっている壁についている場合はもちろん、DIYでやる方は周辺をしっかり養生しましょうね。
まずは壁からわずかに出ている枠の縁から塗っていきます。おお、本当にはみ出していない……!
縁を塗り終えたら、さらに太い刷毛に持ちかえて、全体をどんどん塗り進めていきます。早すぎて、常にシャッターを切り続けないとついていけません。
3mmの溝もこの通り。ガラスさえ外しておけば、刷毛でサッと塗るだけで奥まで着色できています。
裏側も同様に塗っていくのですが、先ほどとの違いに気づきましたか?
毛幅5cm以上もある太い刷毛のまま、1cmもない際きわを攻めている……大は小をかねるんだそうです。これぞ職人技!
全体をウエスで拭き取ったら、外枠は完了です。
続いて、取り外した中桟や開き戸の蓋になっていた木パーツも同様に塗装してウエスで拭き取ります。
開き戸の枠も溝までしっかり塗っていきます。
さすがの早技で、10分足らずで塗装が完了しました!
充分に乾かしたら、ガラスと金具を元通りに取り付けて完了です。
完成!
後日、パテ埋めをして、クロスが貼られ、竣工が近づいていく現場。
ついに完成したのがこちら。ラワンで造作したキッチンと色味がリンクした統一感のある仕上がりになりました!
工藤さん、ありがとうございました!
塗りlabo+ 工藤文紀
アイアン塗料などの特殊塗装から、内装、家具、外部塗装まで、頼れる塗装職人さん。
「例えば“空の青がいい”と言われた時に、“その人の青はどんな青だろう”と、イメージする色を言葉を交わしてすり合わせて、同じ青をみつける。そんなやり取りをずっと大切にしたいと思っています」(工藤)