「ほしいあかりのイメージ」から考える照明計画の仕方をお伝えする『ライティングガイド』。

Vol.2は、一番身近な「ペンダントライト」について。選択肢が多いので選ぶ楽しさがありますが、逆に何を決め手に選べばいいのか、悩んでしまいがちなアイテムとも言えます。今回はシェードの素材による違い、ダイニングテーブルとの合わせ方、コードの扱い方や、複数灯使いのコツなどを解説。さまざまなタイプのペンダントライトを紹介しながら、器具を選ぶ際のポイントをお伝えします。

この人に聞いた
荒川公良

前職では設計事務所でインテリアデザインに携わっていた、ライティングにはこだわりのあるtoolboxのリーダー。

シーリングライトをペンダントライトに変える方法

ペンダントライトは、天井に付いている「引掛シーリング」または「埋込ローゼット」と呼ばれる部分にコードの先にあるプラグを差し込んで使います。「現在はシーリングライトが付いている」という場合でも、シーリングライトを外した時に「引掛シーリング」や「埋込ローゼット」があれば、お気に入りのペンダントライトを取り付けることができます。

引掛けシーリングとは

シーリングライト

商品ごとに詳細は異なりますが、カバーをはずして基盤を外すという手順が一般的です。

「引掛シーリング」や「埋込ローゼット」には、角形や丸形などバリエーションがあります。弧を描くように空いている2つの穴に、ペンダントライトのコードの先にあるプラグの爪をはめ込みます。最初、穴の大きい部分に爪を差し込み、カチャッというところまで回転させてセットします。

Check! ライティングレールにもペンダントライトが付けられます

ライティングガイドVol.4の3章で詳しく紹介していますが、ライティングレールにペンダントライトを使いたい場合は、『ライティングレールプラグ』の引掛シーリングを使って取り付けることができます。

プラグは、ブラック、ホワイトの2色展開なので、ライティングレールの色に合わせて選びましょう。

部屋全体を明るく照らしたい時はシェード無しタイプを

部屋全体を明るく照らしたい場合は、天井面にも光が届く、シェードのないペンダントライトがおすすめです。

手編みロープ照明』『真鍮ソケットコード』などのソケットに自由に電球を付けるタイプは、口金のサイズがE26/E17にあった電球であれば、器具ごとに決まった許容ワット数の範囲内でどんな電球でもつけられます。

天井高さがある空間では、大ぶりなサイズの電球『ビンテージLED電球』や『大型集魚灯電球』との組み合わせもインパクトがあっておすすめ。

ガラスボール照明』のようなグローブタイプは、グローブに入る電球のサイズに制限があるので事前に確認しましょう。

シェード付きは透光性を意識して選びましょう

シェードや電球を覆うグローブは、素材によって透光性が異なるので、同じ電球を付けた場合でも、あかりの広がり方に違いが出てきます。天井面まで明るくしたいのか、ペンダントライトの下面だけ明るくしたいのか、どこを照らしたいのかを考えながらシェードやグローブの素材を選びましょう。

クリア(ガラス)

乳白(ガラス)

透過性なし(鋼板・内側白塗装)

上下どちらにも光が広がる

上部にも少し光が広がる

下向きにのみ光が広がる

レトロペンダントライト』(※販売終了しました)の3種類のシェードで比較してみました。シェード上部と卓上に注目して明るさを見比べてみてください。

クリア(ガラス)のシェードは、シェードの上部にも光が広がるので、空間全体を明るく照らしたい方におすすめ。透光性がない鋼板のシェードは、シェードの内側に反射した光を含め下方向のみを明るく照らしてくれます。下方向のみに、メリハリを効かせて照らしたい方は、こうした透過性なしのタイプを。半透明の乳白(ガラス)は、クリア(ガラス)と透過性なし(鋼板)の中間といった印象。下部を照らしつつ、上部にも少し柔らかいあかりが漏れます。

ダイニングテーブルのサイズにあった灯数と設置高さ

ペンダントライトが使われる場面が多いダイニングテーブル。低めに吊るして、テーブルに並ぶ食事や囲んで座る人を照らすことで、食卓の雰囲気がよくなります。

座った時に邪魔に感じないサイズ感を選び、光が目に入って眩しくない高さに設置することが大切です。

テーブルのサイズとのバランスも考慮しながら、シェードのサイズや灯数、吊るす高さを考えましょう。

大きめシェード1灯使いは4人掛けより小さいテーブルに

横長テーブルには2~3 灯使いでテーブル端まで光が届く

ガラスボール照明 乳白×ブラック(※販売終了しました)

小ぶりのシェードは低めに吊るすと親密感アップ

シェードのサイズ別おすすめ灯数と高さ

大きめシェードを1灯つける

テーブル幅150cm程度までなら中央に大きめシェードを1灯使いするのがおすすめ。吊り下げる位置は、テーブル天板からの高さが70~80cmが目安。シェードが大きめなので、座る人の頭の位置も考慮に入れましょう。

横長テーブルには2灯から3灯を

長いテーブルに対して中央に1灯だけだと、端の方にあかりが届かない場合があります。そんな時はテーブルの上に2灯から3灯を付けて。吊り下げる位置は、テーブル天板からの高さが60~80cmが目安です。

小ぶりシェードで親密感を演出

小ぶりなシェードの照明器具は、テーブル天板から60cm前後の低めの位置に吊り下げると、より親密な雰囲気が演出できます。目線に近くなるので、まぶしくないよう電球をすっぽり覆うシェードにするか、フロスト電球を選びましょう。

POINT
コード長さの調整アイデア

ペンダントライトのコードが長すぎる場合は、購入時にコード加工がしてもらえるなら希望サイズに加工するのがベスト。toolboxでは、『ソケットランプ』と『ソケットランプ METAL』がコード加工に対応しています。

でもコード加工ができないことの方が多いので、そんなときはコードリールを使ったり、長すぎる分を丸く輪にして結束バンドで留めるなどの方法があります。

コードリールで微調整

結束バンドで束ねる

Check! サイズ別 ダイニングテーブルにオススメのペンダントライト

1灯使いに向いているしっかりサイズ

LT-PD005-05-G092
¥9,800~
LT-PD016-02-G141
¥8,200
LT-PD005-04-G092
¥9,800~
LT-PD016-04-G141
¥9,200

2灯使いもできるスタンダードサイズ

LT-PD005-03-G092
¥6,800~
LT-PD005-01-G092
¥8,800~
LT-PD017-02-G141
¥11,000

2~3灯並べて使う小ぶりサイズ

ダイニングテーブルの中央を照らすためのアイデア

ダイニングテーブルを置きたい位置と、ペンダントライトを取り付ける引掛シーリング(または埋込ローゼット)の位置が一致しない…。そんなお悩みをよく聞きます。

ライティングレールを取り付けた空間でも、必ずしも真下にダイニングテーブルがくるとは限りません。そんな時のために知っておきたいアイデアをご紹介します。

IDEA1
天井フックを使って吊るしたい位置までループさせる

照明を吊るしたい天井位置にフックを取り付け、引掛シーリング(または埋込ローゼット)からコードをループさせる方法です。コードの長さに余裕があるときに有効な方法です。

IDEA2
天井を傷つけたくない場合に使える「照明位置調節器」

引掛シーリングにはめて取り付ける「照明位置調節器」は、天井にフックが取り付けられない賃貸でも使えます。アームは360度回転し、斜めの角度でも狙った位置にペンダントライトを吊るすことができます。

IDEA3
後付けできるライティングレールなら直線上の好きな位置に

引掛シーリングにはめ込んで設置できる「簡易取付式ライティングレール」。専用プラグと一緒に使えば、1.6mのレール内、お好きな位置にペンダントライトを吊るすことができます。

事例でみる複数灯使いの演出テクニック

お店のように、複数のペンダントライトを宙に浮かべたい。同じ照明器具を等間隔で配置して…というのが定番ですが、吊るし方、高さのバランスの取り方などを知っておくと幅が広がります。ここでは、複数灯使いの空間演出法をご紹介します。

高さを段々に変えることで、空間に動きが出ます

LT-PD006-04-G035
¥9,020

同じシリーズの色違いを並べて楽しい雰囲気に

ガード照明 シルバー×ブラック / ゴールド×ブラウン / ブラック×レッド

小さい照明を寄り添うように吊るして明るさも確保

シェードなしのタイプは、束ねてシェンデリア風にも

LT-PD006-03-G035
¥7,920

Check! ソケットランプの3灯吊るしにはオプションの増改アダプタを組み合わせて

1つの引掛けシーリングに対して、通常は1灯しかペンダントライトを吊るせないところ、このアダプターを取り付けると、3灯同時に吊るすことが可能になります。

ライティングレールプラグ 引掛シーリング(WH)と併用

空間に取り入れやすい身近なアイテムであるペンダントライト。今回は、イメージに合ったあかりの演出をするためには、どんなペンダントライトが向いているのか、シェードの形状や、素材、サイズによる違いなど、選ぶ時に知っておきたいポイント、コードの長さや取付け位置の調整などのコツをお伝えしました。

効果的な取り入れ方を知ると、ただ「気に入ったペンダントライトをつけた」だけではない、照器器具がより映える空間演出ができるようになります。次回は、設計段階から計画したい「直付け照明」についてお話します。

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