リビングに「フリーウォール」と呼ばれる壁があるUR都市機構の賃貸物件「カスタマイズUR」。

その壁は自由にカスタマイズしてOKで原状回復義務も免除。

そんな賃貸では、住む人の手によってそれぞれの生活が映し出された個性豊かな部屋がつくられています。

今回は以前募集されていた「コンシェルジュキャンペーン」にて入居されたお二人が、コンシェルジュと一緒にカスタマイズを実施するというので取材に行ってきました。

場所は緑豊かな『品川八潮パークタウン潮路南第一ハイツ』。

お二人にとって引っ越しの決め手になったのが、お腹に赤ちゃんがいる奥様がこれからの子育てがしやすそうな団地であることと、壁を自由に改装ができることの二つだったそうです。

作曲家であるご主人は、家の中での作曲活動が毎日の中心にあります。引っ越す前はご主人の仕事場は家の隅に追いやられて、モノがあふれる狭いスペースしかなかったそうです。

今回、カスタマイズするにあたり目指したのは仕事をするにも生活をするにも快適な空間です。

カスタマイズする前のリビングの状態です。壁一面に貼られた合板の壁がフリーウォールで、どこにでも釘が打ててペンキも塗りやすい壁です。

ご主人の仕事がら、音楽用の機材がたくさんあります。数種類のスピーカーにターンテーブル、そしてピアノ。しかしどれも無造作に置かれていて、快適な仕事スペースとは言い難い状況です。

壁を3つのゾーンに分ける

コンシェルジュとしてお二人をサポートするのは、スタイリストの石井佳苗さん。家具や小物のスタイリングで雑誌や広告の紙面を素敵に彩る仕事をしながら、自身が主宰する「Love customizer」にてDIYで得られる素敵なライフスタイルを提案しています。

そんな石井さんが提案したのは、モノに居場所をつくっていくこと。

そのために横に長いフリーウォールを3つのゾーンに分けていきます。写真のイメージスケッチでは、キッチンに近い右側の壁がダイニング、窓が近い左側がリビング。そして部屋の中央がピアノが置かれた仕事場スペースとして、ご主人の音楽を中心としたレイアウトがされています。

石井さんがサポートするカスタマイズで、フリーウォールがどんな風に変わっていくのか、丸一日使って行われたカスタマイズの様子をみていきましょう。

塗る部分と塗らない部分のゾーン分け

壁を3つに分けるのに選ばれた方法は塗装でした。壁を塗り分けることでゾーンをつくっていきます。

壁の両サイドに色を入れ、ピアノが置かれる中央は元の合板のままにします。あえて塗らずに木の質感を生かすほうがピアノとの相性がよいと考えたそうです。

その塗らない壁との相性を考えて、お二人が選んだのはくすんだ濃い緑色。『ベンジャミンムーアペイント』のdragonfly AF-510です。

DIYは初めてだというお二人に石井さんが丁寧に塗装の仕方を伝授していきます。

自分たちが選んだ色にお二人も大満足。作業は順調に進み午前中で塗装は終了。

部屋に色が入るだけで前の部屋とは見違えるような変化です。

乾き待ちを兼ねて団地の中のインドカレー屋でランチをしました。午後はいよいよ棚をつくっていきます。

棚の配置は置くモノを決めてから

ペンキもすぐに乾き、作業再開。

イメージした棚の位置がどの辺りに来るか、実際に棚板を当てて確認していきます。大事なのは中心となるピアノと一緒に位置を確認すること。使い勝手をイメージして配置を決めていきます。

ここで石井さんからのアドバイス。

「棚の上に何を載せるのかを決めてから、棚の位置を決めるといいですよ」

ついつい棚をつけることだけに集中して、棚の配置だけでインテリアをつくってしまいそうになりますが、さすがはスタイリストの石井さん。置かれるモノのことまで考えてカスタマイズすることが、素敵なインテリアにする秘訣のようです。

日常使いするモノを置いて手を伸ばしやすい位置にするか、お気に入りのモノを置いて飾るような位置にするか。生活と密着した考え方で、無理なく自然に、暮らしを楽しむようにつくっていく石井さんならではのアドバイスです。

憧れの壁掛けテレビ

次はリビングゾーンをつくっていきます。壁掛け専用の金具を壁に留め、テレビを固定します。

テレビ台がなくなることで部屋はすっきりして、スペースも有効活用出来ます。

初めはおそるおそるだった電動ドライバーにも慣れて、テレビの下に取り付ける棚を組み立てていきます。

つくった棚が壁に取り付きました。

どうしてこんな形になっているか分かりますか?テレビを壁掛けにするとたくさんの配線がテレビの下から出てきます。それらを隠すために板が組まれているのです。

細かいところまで抜かりのないカスタマイズ。憧れの壁掛けでテレビにも居場所ができました。

いよいよ完成!

予定していた全ての作業が無事終了。

たった一日で空間が見違えるように変化しました。そして出来上がったフリーウォールにモノが置かれていきます。

レコードやスピーカーに居場所が与えられ、大げさな表現かもしれませんが、壁に命が吹き込まれたようです。

完成後、ご主人が即興でピアノを演奏してくれました。部屋の中に素敵なメロディーが流れ、完成した空間でカスタマイズの達成感に浸る、とても心地のよいひとときです。

お二人の暮らしの中心には音楽がありました。その生活に合わせて部屋を形作っていくことで、お二人ならではの空間に仕上がり、素敵な空間にみえるのだと思います。

これからお二人には3番目の家族が誕生します。この一日で身につけたDIYの技術で、また新しい生活の形がつくられていくのだと思うとワクワクしてきます。

物件情報

UR都市機構のカスタマイズUR
品川八潮パークタウン潮路南第一ハイツ

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