以前の間取りは4DK+納戸という、細かく仕切られた間取りでした。リノベーション後の間取りは、ご夫婦とお子さん一人の3人暮らしに合わせて、1LDK+WIC+書斎の構成に生まれ変わりました。
面積は約88㎡と、広さは十分にある住まい。
ただ、縦に細長い形状のため、光や動線の扱いが悩ましい条件でした。そこに建築士である施主自身のアイデアを重ねることで、その制約を活かした住まいへとリノベーションしました。
住戸中央の吹き抜けに面した開口からの光を起点に、リビング・ダイニングから玄関までをひと続きに。奥行きのあるプランでありながら、住まい全体にやわらかな明るさが広がります。
リビング・ダイニングの奥には、ウォークスルークローゼットと寝室、書斎が続きます。引き戸を開ければ、バルコニーからの光が住まいの奥まで届く構成。空間をゆるやかにつなぐことで、縦長の間取りにも明るさと広がりが生まれています。
バルコニー側の光がよく入る位置に配置した書斎とウォークスルークローゼットは、ガラス入りの引き戸でゆるやかに仕切り、双方に光が巡る空間にしています。視線も光も遮らないつくりに。クローゼットは収納としてだけでなく、友人が泊まりに来た際の客間としても使える広さを確保しました。
書斎の窓辺には、ハンガーパイプを設置。天気のいい日は、そのまま洗濯物を干しておいても気持ちよさそうです。
書斎とリビングの間にある寝室は、書斎側から光を取り込む室内窓を設置。採光を控えめにして、朝寝坊したい時もゆっくり休める場所にしています。
枕棚の下にはハンガーパイプを仕込み、収納と寝床を兼ねた空間になっています。
住戸の中央にあるLDKは、マンション吹き抜けに面した開口を囲むようにレイアウト。寝室とクローゼットの扉を閉めても、明るさと広がりが感じられます。
キッチンには、ラワン材の『木製システムキッチン』を採用。同じラワンで造作したカウンターと合わせました。
素材感のある木の表情が、空間全体を落ち着いたトーンに整えています。
キッチンのすぐ横並びには、ラワン材でつくった大容量の収納棚を配置。玄関土間とつながる位置にあり、食器などキッチン関連のものの収納と、シューズボックスを一体にしています。
日常の動線を意識した、実用性も高いつくりです。
玄関は壁で仕切らず、広々とした土間が開放的なスペースに。
玄関土間から続くのは、オープンな洗面スペースとベンチです。帰宅後に手を洗ったり、腰掛けて一息ついたり。
使い方を限定しない、余白のある場所になっています。
洗面には『フリーカット無垢材』のカウンターと、存在感のある『スプリングホース水栓』を組み合わせました。洗い物をしやすいように、ホース付きの水栓と深めのシンクを採用しています。
今回のリノベーションでは、建具や棚板をシナやラワンの合板で造作し、塗装仕上げに。
完成直後から「程よく使い込まれたヴィンテージ感」が漂い、時間を重ねてきたような落ち着きのある空間に仕上がりました。
光の取り入れ方、素材の選び方、そして暮らしを想像した細やかな設計。
縦長という制約を受け止めながら、暮らしやすく、心地よい日常のリズムをつくり出した住まいです。
はぴりの
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