撮影:刑部信人

今回事例を提供して頂いたのは、佐賀県の嬉野温泉にある「旅館大村屋」。「湯上りを音楽と本で楽しむ宿」と、老舗の温泉旅館にしては珍しいコンセプトを掲げるこの宿。

旅館では温泉そのものを楽しむ時間ももちろん重要ですが、ぼ〜っと入浴後の余韻に浸り、客室で過ごす湯上がりの時間も、醍醐味のひとつ。そこに音楽と本がついてくるなんて……!ああ、最高です。

こちらがその客室。写真の手前は床座でくつろげる、趣のある空間になっています。

奥に見えるカウンターは、ブラケットライトの優しい明かりに照らされた特等席。落ち着いた色合いの木に囲まれたスペースで、気が済むまで読書に没頭することができます。

撮影:刑部信人

部屋の一角には、『木製ミニマルキッチン』が鎮座しています。

薄いステンレス天板が「キッチン感」を感じさせず、キッチン面材と同じラワンを使った壁面と一体になって、空間に溶け込んでいます。

でも、「なぜ旅館の客室にキッチン?」 と思われた方も多いと思います。

コロナ以降、リモートワークや二拠点生活が当たり前になり、「一人客や素泊まりの連泊客」の宿泊需要が増加。そうした需要に対する新しい客室の在り方として、「旅館でも自炊をする」という宿泊スタイルの提供を始めたのだそう。

撮影:刑部信人

洗面台や建具にもキッチンや壁と同じラワンが使われており、統一感があります。

目まぐるしく変化していく今の時代。人には、あえて一旦立ち止まり、自分と向き合う時間が必要だと感じています。

このコロナ禍によって多くの人が実感したと思います、もちろん私も。

木に囲まれた癒しのある空間で、本を片手に音楽と湯上がりの余韻に浸り、心を落ち着かせる。

至福のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

(山本)

『旅館大村屋』
〒843-0301
佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙848
TEL:0954-43-1234
FAX:0954-42-1051

https://www.oomuraya.co.jp/

株式会社オープン・エー | Open A

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馬場正尊が代表をつとめる建築設計事務所。住宅、オフィスから、公共施設、公共空間のリノベーションも手掛けています。
社会課題の解決や、エリアの開発、新しいカルチャーの創出などを実現するべく、設計・デザインを軸としながら、メディアや不動産などを横断した活動をしています。

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