立地や価格、内装の全体的な雰囲気も気に入って購入したリノベ済みの物件。
ただ唯一、ユニットタイプの洗面化粧台だけがどうしても好きになれない……。

今回は、そんな悩みを解決した「洗面リフォーム」の事例をご紹介します。

左がビフォー。右がアフター。

当初は、この家をリノベした大工さんに相談して進めようと考えていたそうなのですが、相談したところ、「今ついている洗面化粧台の何が問題なのか」理解してもらえなかったんだそうです。

そんなときに出会ったのが、以前からtoolboxの商品をよく活用してくださっている「アサクラさん」。

toolboxのサイト内には、toolboxの商品を導入してくださっていたり、アイデアを提供してくださる空間づくりのプロを紹介する「pro list」というコーナーがあります。そのコーナーの中でアサクラさんを紹介させていただいていたのですが、そのコーナーがきっかけとなり、アサクラさんと洗面リフォームを進めていくことに。

ご自身が所有するマンションで何度も洗面リフォームを行っていたアサクラさん。お施主様も今までの事例を見て「好みの空間に仕上げてくれそう」という安心感があったのかもしれません。

pro list」が縁を繋げたのかと思うと嬉しいかぎり。

具体的なリフォームの様子

さて、そんな前置きをしてしまいましたが、ここからはどのようにリフォームしたのか、詳しく紹介していきたいと思います。

まず、あらためて元々の状態をお見せします。

使い勝手には問題ないだろうなと思いますが、ユニットタイプなのでいろんな家で見たことがあり、味気なく感じる人もいるかと思います。

今回はこの洗面台を外して、タイルが中心の洗面空間を考えていきました。

こちらが実際に作業するためにアサクラさんが用意したイラストです。

最初に、もともと設置されていた洗面を撤去し、カウンターと壁の下地を整えます。

この状態からタイルを貼っていきますが、タイルはお施主様とアサクラさんがDIYで貼り付けることにしたそうです。

写真を見る限りですと簡単に貼っているように見えますが、楽に貼るためにアサクラさんが気をつけていたことがあったそうです。

「フォグタイルのサイズは一辺がおよそ10㎝。大きめのタイルを貼る場合はなるべくカットしないで収まるように考えています。洗面の壁の幅は約60㎝でタイル6枚でほぼぴったり収まるサイズ。カウンターを造作したので、その高さや奥行もタイルのサイズに合わせて、カットする部分をかなり減らしました」

タイルDIY経験者だとすごく共感できると思いますが、タイルって何よりもカットが大変ですよね。カットを減らす工夫はなるほどという感じです。(好みのタイルがあれば小さいモザイクタイルを使うというのも一つの手ですね!)

とはいえ、カットが必要なところはあるのですが、それも綺麗に仕上げていました。

タイルが貼られると雰囲気がグッと変わりました。

使っているフォグタイルは特に、色ムラとマットな質感が魅力で、照明が灯された時に落ちる影が印象的に映えます。

 

ここから、シンクやミラー、タオル掛けに照明のグローブを設置して完成。

お施主様の好みのタイルと小物、もともと持っていたというミラーと照明。そんなアイテムを組み合わせて、お施主様好みの空間が完成しています。

気になる費用とリフォーム期間

「私もリフォームしてみようかな……」と思っても、とはいえ気になる費用面。

この事例でどのくらいかかったのか、教えていただけたので紹介します。

結論から言うと約21万円だそうです。

リフォーム費用

・洗面の撤去
・照明の配線
・カウンターの造作
・シンクと水栓本体の代金と取り付け
・タイルの材料(貼る費用はDIYのため含まず)

  • ミラーと照明の本体代は、もともとお施主様が持っていたもののため含んでおりませんが、含めると25万ほど

コストを調整するなかで、シンク自体にはお施主様の強いこだわりがなかったということもあり、安価なものを選んでいるそうです。タイルを自分達で貼ると決めたこともそうですが、どこで自分らしさを出すべきか、逆に許せる部分はどこなのか。そのメリハリを持つことも大事ですね。

 

また、住みながらのリフォームだと工事の期間も気になりますよね。

この家では、既存の洗面撤去に1日、タイルDIYに2日、シンクの設置に1日と、合計4日ほどが実働にかかった日数だと言います。

ただし、タイルをお施主さん交えてDIYするということもあり、最初の現場打ち合わせから新しい洗面が使えるようになるまでにはおよそ2ヶ月かかっているそうです。洗面が使えない期間も1ヶ月ほどあったそうで、やはりある程度の不便は考えておいた方がよさそうですね。

 

とはいえ、最終的に仕上がった洗面にお施主様は大満足しているそう。

気に入らない空間がなくなり、自分の好みの空間に変化。さらには自分でDIYして仕上げたという思いから愛着もひとしおなのではないでしょうか。

自分の家の、気になっているところに少し手を加えてお気に入りに変えていく。リフォームの可能性が広がる事例でした。

アサクラ

東京にある賃貸マンションの管理&経営をしつつ、東京の山奥にある山小屋をDIYで直したり、自分で手も動かしてしまう多才な方。
ブログや「ESSE online」では、賃貸の「現実」やリノベのアイデアなど、大家ならではの視点でコラムを書いています。

コラムはこちらから

紹介している商品

関連する事例記事

機能を集約し、時々での変化を楽しむ。コンパクトな家で豊かに暮らす
機能を集約し、時々での変化を楽しむ。コンパクトな家で豊かに暮らす
50㎡程度しかない長屋を改修した設計者の自邸。限られたスペースの中で、効率的に居場所をつくりだすための工夫や、建物全体に光を行き渡らせるアイデアが施された、ご夫婦二人暮らしの住まいです。
偏愛と変化をおおらかに受け止める、築50年の“大きなおもちゃ”
偏愛と変化をおおらかに受け止める、築50年の“大きなおもちゃ”
30代夫婦のマンションリノベーション。ライフスタイルの変化に対応できる余白を残しつつも、お互いの好きなものをたっぷりと詰め込んだ、2人だけの秘密基地です。
「掃除が嫌い」だからこそ生まれた、“自分と猫の快適”を突き詰めたミニマル空間
「掃除が嫌い」だからこそ生まれた、“自分と猫の快適”を突き詰めたミニマル空間
愛猫と暮らす40代の男性がリノベーションした57㎡1LDKの住まいには、「掃除が嫌い」だからこその簡単にキレイを保てる工夫がたくさん盛り込まれていました。
古き良きのその先に
古き良きのその先に
ツールボックス工事班が工事を担当した、古き良き趣を守りつつ、住みやすさをアップデートした賃貸マンションのリフォーム事例です。