西東京にある団地の一室を購入し、フルリノベーションした60代のKさん。それまでは荒川区で30年暮らしていました。ご主人が亡くなったあと、引っ越しを考える中、購入という選択肢も視野に入り、EcoDecoに物件探しから相談しました。
エリアにはあまりこだわらず、予算の範囲内で幅広いエリアの物件を検討。最終的に選んだ現在の団地は、落ち着いたのどかな雰囲気と、部屋の窓からたくさんの緑が見えることが決め手になりました。
郊外とはいえ近所にはショッピングセンターがあり、移動は車がメイン。街中暮らしからの住み替えでしたが、「緑豊かで落ち着いたこの団地の環境が、今の自分には合っていると感じました」とKさんは話します。
「今の自分に合う環境」を選んだように、住まいも自分仕様に再構築。
「ひとり暮らしなので1部屋で良いし、自分のことだけを考えようと思いました」と、約73㎡、3LDKだった部屋は、ベッドスペースとLDKが緩やかに繋がった、ワンルーム的な間取りにリノベーションしました。
LDKとベッドスペースを仕切る壁は、腰高さより上をルーバーにしました。完全に閉じない間仕切りは、光と風、視線が抜けるだけでなく、冷暖房もLDKと共有できます。
腰壁高さはベッドやダイニングセットが隠れる約1mの高さ。見える範囲をコントロールすることで、場所ごとの居心地をきちんとつくっているのもポイントです。
居心地づくりの工夫は、照明計画にも。ベッドスペースの照明は天井からではなく、壁にアーム式のライトを取り付け、枕元だけを照らせるようにしました。
また、カウンター上に仕込んだ間接照明は、空間をぼんやりと照らし、夜らしいくつろいだ雰囲気をつくり出します。
ベッドスペースの横には、タイル床のインナーテラスをつくりました。
ここは、Kさんが趣味の「盆栽」に没頭する場所。インナーテラスに作業台を置いて、盆栽の手入れができるようにしました。
盆栽は、教室に通って3年目だそう。いまはベランダに台を置いて、窓を開けて室内側からお手入れ作業をしています。
Kさんのもうひとつの趣味は、「パン作り」。生地を捏ねる作業に没頭できるよう、キッチンには奥行きも幅もあるカウンターを造作しました。
テーブルよりも高さがあるので生地をこねる作業がやりやすく、人工大理石のカウンターはキッチン用のアルコールスプレーをかければ台の上で直接作業ができ、これまで以上にパン作りに没頭しているそう。
カウンターにはコンセントも備えたので、アイロン掛けの作業をここですることも。窓外の緑を眺めながらの作業は、ちょっと面倒な家事も気持ちよくできそうです。
リビングダイニングには最低限の家具だけを置き、すっきりと暮らしているKさん。ソファは置かず、夜はベッドで本を読んでくつろぐスタイルを楽しんでいます。
以前の住まいでは、冬場はコタツを使い、パン種の発酵にも活用していたそう。脱・コタツのきっかけになったのは、お知り合いの90歳の方の暮らしぶりでした。「コタツがあると生活も自分もだらけてしまう」と話し、テーブルと椅子の生活を続けるその姿を見て「見習いたい」と、コタツを手放しました。
引越しの際に持ってきた、ご実家のご両親やご主人の荷物も、買取をお願いして整理しました。ご実家や以前の住まいを片付ける中で、「モノが多いと残された人の片付けが大変」と実感したというKさん。持ち物には定数を設けて、むやみに増やさないようにしているそうです。
テレビ横のシェルフは、引っ越し後に新たに購入した数少ない家具のうちのひとつで、お仏壇として使っています。中には、ご主人が集めていたレコードもおさまっているそう。
想定外だったのは、「西東京の冬の寒さ」。予算の都合で床暖房の採用を見送ってしまったことを、少し後悔しているそう。
コタツも手放したので、代わりに導入したのはデロンギのオイルヒーター。じんわりと空間が温まる心地良さを実感しているそうです。
ちなみにバルコニー側の壁はリノベーションの際、インナーサッシを設置することを考慮した壁厚で仕上げており、将来的に二重窓にすることができるようになっています。
「読書」もKさんの好きなこと。「自宅に図書館があると良いな」という思いから、リビングの一角にはライブラリースペースを計画しました。
棚にはまだまだ余裕がありますが、元々はご主人の蔵書を収めるつもりだったのだそう。ですが、専門書も多かったため、必要な人のところへ届けるべく、売却しました。
ものをむやみに増やさない生活を心掛けているKさん。「自分の好きなもの」をじっくりと選んで、ここに並べていくのでしょう。
夜を静かに過ごせるよう、ライブラリーの明かりも控えめに計画しました。
シェードの直径が約13cmの小ぶりなブラケットライト、『タイニーブラケット照明』を添えています。
洗面脱衣所は、トイレと一体の空間にしました。床は、裸足でも気持ちがいい織物ビニル床材「ボロン」を採用。水や汚れにも強い素材です。『スクエア洗面器』を添えた洗面には、『水彩タイル』のセラドンを取り入れ、さわやかな空間にしています。
洗面脱衣所とトイレを一体にしたのは、将来のことを考えて。以前の住まいやご実家で家族の介護をしていた際、車椅子で室内を移動すると扉の開閉が大変だったのだそう。
ベッドの入り口に扉をつけず、ワンルーム的にした理由も、同じ考えからのこと。この家にある扉は、洗面脱衣所兼トイレと、廊下とLDKのあいだ、2箇所だけ。どちらも引き戸にして、車椅子でも開閉と移動がしやすいようにしました。
空間をすっきり広々と使うため、収納は玄関まわりに集約。土間は、隣のウォークスルークローゼットに繋がっており、土間側の窓から光と風が入るようにしています。
ウォークスルークローゼットは洗面脱衣所・トイレの向かいにあり、洗濯から収納までの動線も、身支度動線も快適です。
自分の「これまで」と「これから」に向き合って、健やかに心地よくいられる暮らしを見つけ出したKさん。
住む場所の選び方、モノの選び方、趣味への向き合い方、思い出との付き合い方、将来への備え方。大人の“暮らしの整え方”のヒントが、たくさん詰まった事例でした。
EcoDeco
株式会社Style&Decoが運営するリノベーションブランド。中古マンションの仲介から資金計画、リノベーションにまつわるあらることをトータルにサポートしています。コーディネーターは、不動産探しから設計まで一貫して担当できる不動産と設計のプロ。「住まい手の暮らしに合わせたオーダーメイド」のリノベを得意としています。
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