今回は、「社員が増えたことでみんなが集まれる拠点が欲しい」と、20平米ほどのオフィスを借りたお客様からのご依頼。
お施主様からのご希望は、空間の真ん中に8人ほどが囲める大きなテーブルと思考を広げるための壁一面のホワイトボード。

と同時に、そこは賃貸物件なので、原状回復必須。退去時には元の真っさらな状態へスムーズに戻せることが絶対条件でした。

beforeはこちら。グレーのカーペットが敷き詰められた、無機質な事務所です。

ハコを大きく作り変えるのではなく、今ある空間に必要な要素だけをピンポイントで組み込んでいく。
「インストール」するような感覚のオフィスづくりが始まりました。

元々グレーのタイルカーペットが敷き詰められていた床には、釘、ボンドを使用せず、既存の床の上にはめて敷くだけの『イージーロックフローリング』を選びました。

「元の状態に戻すこと」が絶対条件の今回のような現場において、既存の床を傷めず上からパズルのようにはめ込んでいくだけの施工方法は、有力な選択肢となります。

無機質だった空間に、木という素材が少し加わる。それだけで、どこかラフで爽やかな空気が流れるような気がします。

気をつけなくてはならなかったポイントが、既存の床との段差。

「イージーロックフローリング」は既存の床の上から敷いていくため、どうしても元の床との間に数ミリの段差が生まれてしまうのです。

そこで今回は、見切り材を併用することにしました。

フローリング表面と同素材の無垢のオーク材で見切ることで、視覚的な違和感を抑えつつ、日々の動線もスムーズになり、問題を解消しています。

フローリングの施工には、開発チームのスタッフも参戦!

フローリングの施工は、普段はプロの職人さんに委ねる工程ですが、「はめ込むだけ」という手軽さを 体感すべく自ら挑戦。自分たちで空間を作り上げるという体験を楽しめるのもこの商品の大きなメリットです。

オフィス中央のテーブルには、『ホワイトボード天板』を採用しました。厚さ30mmの天板の表面に、ホワイトボードとして機能する化粧板を貼り合わせたものです。

会議中に浮かんだアイデアを、そのままテーブルに書き留める。20平米という限られた空間の中で、ただの机としての機能だけではなく、思考を広げるための道具としても活躍します。

テーブルの脚には、『黒皮鉄のテーブル脚』を塗装したものを。

本来はL型鋼を溶接しただけの無骨な鉄脚で、溶接跡や黒皮の質感をそのまま楽しむような、素材感の強いプロダクト。今回はそのラフな空気感は活かしつつ、『ベンジャミンムーア』のオレンジ(076)で全艶塗装を施しました。

塗装前の黒皮のままだと少し重たくなりがちな足元に、パッと目を引く色を載せる。ちょっとした遊び心ですが、これだけで殺風景だったオフィスがぐっと垢抜けた印象に変わります。

壁面に目を移すと、壁一面がホワイトボードになっています。

既存の床を傷つけないよう、天井と壁のみにビスで固定する独立した構造を採用。この方法なら、退去時は最小限の補修で元の状態に戻すことが可能です。

下地材として裏側で使われることが多い「LVL(単板積層材)」をあえて表に見せる形で組み上げ、その間にホワイトボードを落とし込んでいます。

この壁面もスタッフ自らが施工を担当しました。

普段は施工に加わることはないツールボックス工事班ですが、自分たちの手で設置を行ったのは、この工法がいかにシンプルで、DIYでも高いクオリティを再現できるかを実証するためです。

天井と床の間にLVLを一本ずつ立て、そこにホワイトボードを丁寧に落とし込んでいく。大きな加工を伴うような難しい工事ではありませんが、垂直や水平を確認しながら一つひとつ組み上げていきました。

現場での作業期間は、わずか2日。

「原状回復が必要だからから諦める」のではなく、今の空間を活かしながら、必要な要素を一つずつインストールしていく。制約があるからこそ見つかった、これからのオフィスの整え方です。

現場からは、以上です。

ツールボックス工事班|TBK

ツールボックス工事班|TBK

toolboxの設計施工チーム。住宅のリフォーム・リノベーションを専門に、オフィスや賃貸案件も手がけています。ご予算や目的に応じ、既存や素材をうまく活かしたご提案が特徴です。

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毎週水曜日の13時から15時まで、東京・目白ショールームに施工チームがいます。工事に関するご相談も承っておりますので、この時間もご活用ください。

テキスト:前田

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