部屋の印象を大きく変えるフローリングの貼り替え。やりたいと思っている人は多くても、それ以上に「難易度が高そう」「専用の道具を使わなくてはできないのでは?」など、尻込みしてしまうようなイメージが多いですよね。
けれども、『イージーロックフローリング』なら、ボンドも釘も使わずに、置くだけで施工完了!既存のフローリングの上はもちろん、畳・モルタル・クッションフロア・タイルカーペットなど、いろいろな床面に対応するので、フローリングにすることを諦めていた賃貸にお住まいの方でも、夢のフローリング生活を手に入れることができます。
和室のイメージを大幅に変えていきます
今回イージーロックフローリングを施工する部屋は築40年の畳の部屋。
このTHE和室をフローリングの部屋に変えていきます!
フックのようなサネが簡単施工の秘密
まずはなぜ、イージーロックフローリングはボンドも釘も使わず施工ができてしまうのか、その理由を簡単に説明します。
それは、このフローリングのサネに秘密があります。
フローリングの側面には、片側は出っ張っている雄サネ、もう片側はへこんだ形状の雌サネがついており、雌サネに雄サネをはめ込むことで接合させます。このイージーロックフローリングについているサネは、それぞれがフックのように引っかかる鉤形になっていて、お互いを連結するような仕様になっています。
そのため、フローリング同士が抜けてしまうことも、ボンドや釘で留める必要もなく、しっかりとお互いを固定してくれるのです。
※写真は旧仕様のもの。現行品は裏面にカルプが貼られています。
サネのはめ方
イージーロックフローリングのサネのはめ方も先に説明しておきましょう。材を斜めに差し込み、隣り合うフローリングに突き当たった時点で手に持っていた方を下げる。
言葉ではちょっとわかりにくいかもしれないので、はめ込みの様子をおさめた動画もご確認ください。
凸凹具合をチェック
畳やクッショフロア、タイルカーペットなどいろいろな床に対応できるというところが強みのイージーロックフローリングではありますが、施工する床面が“平滑である”ということが大事なポイントになります。ですので、事前に床面のデコボコ具合を確認しておきましょう。
くたびれて古くなった畳や毛足の長いカーペット、モルタルの床などは平らに見えても実は平らではないことがあります。その場合、フローリングのサネがはめずらかったり、噛み合わせが悪くなったり、置いた後にカタつきや歩行時にふわふわしてしまうことがあります。そうならないよう、不陸調整シートを使用することをおすすめします。今回施工する場所も、部分的に沈み込みが激しい畳でしたので、下地調整シート「TUPLEX」を使用することにしました。
下地調整シートはあくまで平らな面を作るために使っているので、クッショフロアや既存のフローリング、タイルカーペット、新しめのしっかりした畳であれば、使わなくても施工はできてしまいます。
※この施工には、裏面にカルプが貼られていない旧仕様のものを使ったためTUPLEXを使いましたが、現行品は裏面にカルプが貼られています。商品自体で施工後のカタつきをある程度抑えてくれるため、下地調整のためであれば、TUPLEXは必要ありません。ただし、TUPLEXは湿気を防止する機能もあるため、湿気対策には役立ちます。
部屋の左端から施工スタート
イージーロックフローリングの一番の特徴を紹介したところで、施工の手順に進みます。
まず最初に、雌サネを壁側に来るように左端から施工をスタートさせます。なぜ雌サネが壁側なのかというと、雄サネを壁側にするとサネが出っ張っている分隙間が空いてしまうからなのと、先ほどの動画のように、雄サネに対して雌サネをはめていくからです。
配置はバランスを見て
この時使った旧仕様のイージーロックフローリングは「乱尺」といって、1枚1枚が異なる長さになっていました。施工を始める前に届いた材を長さごとに分類して、バランスを見ながら貼っていくことにしました。ちなみに、1枚1枚の長さが一定ではない貼り方を「乱貼り」と呼びます。
※イージーロックフローリングの現行品はW120×L900の定尺です。
余分な部分をカット
必要な長さを正確に測り、カットするラインをフローリングに記します。
そのラインに合わせてノコギリを使いカット。今回はなんとも大胆に、畳の上でそのままカットしていますが、木屑などが出るのでみなさんは掃除の楽な場所で行うか、養生シートを敷いて行いましょう!
サネをはめてカットしての繰り返し
1列終わったらまた次の列へ。ボンドも釘も使わないのでひたすらこれの繰り返しです。
不陸調整シートは部分的に
「下地調整シートはどこで使うんだ?」と思ったかもしれませんが、今回は全面に使うのではなく、沈み込みの激しい部分にだけ敷いて他の部分と高さを揃えるために使いました。今回の部屋の場合、15mmほど沈み込んでしまっている畳があったので、5枚のシートを折り重ねて高さをだし、調整を行いました。
最後に長い方向のカットに挑戦
最後の一列はフローリングの長い方向のカットが必要になります。長いのでその分真っ直ぐカットするのが難しいですが、やり方自体は今までと同じなので、長さを正確に測り、印をつけ、落ち着いてノコギリでカットしていきましょう。
見違えた元「畳の部屋」
このフローリングの下にまだ畳があるとは信じられないくらい完成された「フローリングの部屋」。置いているだけなので、現状回復を気にする必要もありません。「改装不可」の賃貸でも積極的に取り入れられるフローリングです。
実際、今回施工したのは賃貸に住んでいるスタッフの家です。
使ったのは無塗装品ですが、敷き終わってからオイル塗装を施しました。
床がここまで変わると、今まで置きたかったけど合わなくて断念していた家具たちが置けるようになったり、合わせて壁も変えたくなったり、インテリアへの欲求がむくむくと出てきそうです!