リビングに入ると、まず目に飛び込んでくるのは2つ並んだ『ファクトリーラン』。海外の古い工場で使われていたような雰囲気がある照明は、躯体現しの天井と相性抜群です。

この家は壁式構造のマンションで、壊せない構造壁が住戸内にある造り。そのため、リビング、キッチン、寝室の間にはゲートのような壁が残されています。

まるで倉庫として使われていたスペースにフローリングを敷き、お気に入りの家具を並べて、そのまま生活を始めたような空間になっています。

玄関から左手に進んだ先は仕事部屋。こちらのお住まいはSOHO(Small Office Home Office)という自宅で仕事をするスタイルの間取り。

グレーの床材はフレキシブルボード。工場の壁や下地材に使われることが多い素材で、倉庫っぽさを感じる空間づくりのポイントになっています。照明には蛍光灯を採用し、仕事に集中できそうな空間に。

職住一体のお住まいだからこそ、床材や照明に変化をつけ、気持ちを切り替えられるような工夫がされています。

仕事部屋の隣には、広々とした7畳のウォークインクローゼットが。ヨーロッパの企業や倉庫でも導入されている『メタルシェルフ』に帽子やバッグが並べられた空間は、さながらガレージショップ。お店でお気に入りの1着を探す時のように、服を選ぶことができそう。

休憩時間や仕事終わりに向かうキッチンはこちら。

システムキッチンやレンジフード、タイルはブラックで統一。床材にはリビングや寝室と同じく、木目がはっきりと出る特徴がある南洋材を採用しています。

躯体現しの天井と相性抜群の『モルタル天板』の机。『スチールプレート脚』と組み合わせ、インダストリアルなイメージのダイニングをつくり上げています。

光が気持ちよく入る洗面所では、ステンレス製の洗面台を採用。学校や工場の流しのような雰囲気があり、お手入れもしやすそう。毎日使う場所だからこそ、デザインや見た目だけでなく、使い心地も大切です。

寝室にも服の収納スペースが。造り付けの収納やクローゼットではなく、『アイアンハンガーパイプ』を使ったオープン収納を採用して、がらんとした雰囲気にしています。素材から家具までこだわってセレクトしたというお施主様。入居後はものを増やさないように気をつけているそう。

お施主様のこだわりは細部にも。各部屋のスイッチボックスと露出した配管も、倉庫的空間を演出するインテリアとして、存在感を発揮しています。

玄関ドアの内側はツヤありのブラックで塗装。マンションの玄関ドアは共用部に当たるため交換は容易ではありませんが、専有部に当たる内側は仕上げ変更できる場合も。露出配管や黒フレームのガラス間仕切りとの組み合わせも相まって、空間デザインのポイントになっています。

また、玄関と玄関収納はセットで考えがちですが、玄関には下足収納を作らず、コンパクトなベンチを収納に使用しています。

ご自身の生活に合わせて、削ぎ落とすところは削ぎ落とし、こだわるところにはとことんこだわる。ひとつひとつの素材選びにおいても、一貫して空間のコンセプトに合うかどうかを大切にしている印象を受けました。また、余白が多く残された空間には、今後手を加えることで新たな要素を取り入れることができる余裕も感じます。

自分の「好き」を詰め込んだ唯一無二の空間で営む、職住一体の暮らし。家で過ごす時間が長いからこその、こだわりを尽くした空間づくり事例です。

※こちらの事例はimageboxでも詳細をご確認いただけます。

be naked/株式会社 拓匠開発

千葉市を中心に、平屋を中心とした新築戸建て・中古マンションリノベーション・まちづくりを行う株式会社 拓匠開発の中古マンションリノベーション部門「be naked」。物件探しから設計、工事まで、ワンストップで対応しています。

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