ホースをすーっと伸ばして、ポットに給水。親指のボタンで水の出をコントロール。(フィンレバー)

イノベーティブな水栓との出会い

「キッチン水栓なんて、素材、デザインを追求する以外、もうそんなに大きな進化はしようがないだろう」なんて思っていたわけなんですが、そんなことはありませんでした。

ちょっと違和感をいだくような、いままで見慣れた水栓らしからぬその立ち姿。従来の水栓は、アヒルの首のようなグースネック、直角に曲がったアングルネックなど、立ち上がりからスパウト先端の形状によってざっくり分類ができました。しかしこの水栓、先端が飛び出ている!?

この押してくださいといわんばかりのスパウトの先端に飛び出したハンマーのようなヘッド形状。ここを押して、握って、水をコントロールする「ハンマーヘッド水栓」です。

L字に曲がったスパウト先端が、ハンマーのような形状のヘッド部。上部にプッシュボタン。

作業の流れを止めない、人の動きと連動するデザイン

汚れた手で水栓を触りたくない、根元に水が溜まるのを避けたいというニーズに応えるため、センサーに手をかざす自動水栓が多く出回っています。確かにあれも便利なんですが、センサーの反応がちょっとずれる時があって、わたしは正直苦手です。

けれど、この水栓はそういった問題を新技術に頼って解決するのではなく、人間工学に基づき、本能的にコントロールできるデザインで解決しています。操作は単純でありながら「なんでいままでこういう水栓なかったんだろう」という使いやすい進化を遂げていることが、toolboxが共感するポイントでした。

つくっているのは、ドイツの老舗水栓メーカー「ハンス・グローエ」。1901年に創業し、もう1世紀以上、今ではおなじみとなった水栓たちを、世に送り出してきました。どの家庭にもついてるお風呂のハンドシャワーや、キッチンのホース引き出し式水栓なども、ハンス・グローエが世界で最初のモデルをつくり、他メーカー含め世に広まったアイテムたちです。

ハンドシャワーの高さを好きな位置に固定できる商品が世界ではじめて考案されたのは、1953年。創業者のハンス・グローエが83歳の時だったのだとか。

直感的に操作できる心地よさ

料理中はいろいろなことを同時進行で行っていきます。さっと手を洗って、食材を洗って、切ったらまな板を洗って、鍋に水をいれ、ゆで上がったものをすぐに水に通して……料理しながら、無意識に水を使いたい場面って案外多いですよね。

そんな時に、このハンマーヘッドでの操作が本当に優れもの。手の側面や両手に鍋を持ったまま腕の一部を使って、軽く上部のボタンを押すだけで水が出ます。ノールックで直感的に操作でき、単純に気持ちよいのです。

私をはじめ、スタッフの何人かが、この水栓を自宅に導入して愛用中。そのリアルな様子をご紹介します。

何かをもったまま、または汚れた手の側面でプッシュ可能!水が出ている時は緑のリングが表示されます。

我が家は、キッチンの高さがやや高めなのですが、身長120cmの子供も手前のプッシュボタンの方にはギリギリ手が届き、さっと自分で水が出せます。

カウンターキッチンの場合、リビング側からも水をだしたり、お手ふきタオルを洗ったり、小さい赤ちゃんを抱えながら片手で操作が出来るのもうれしいポイント。

根元のレバーは、最初に開いたらずっとそのまま。あとは先端でのプッシュ操作だけ。食事中に対面キッチンの逆側からちょっと水をだしたいような時も片手での操作が簡単です。

片手で水をコントロール、ホースは腕の延長のよう

ハンマーヘッドは、握って引き出せるホース式。スパウトから引き出すホース式水栓自体はいまでは珍しくないですが、握った時のフィット感、水を出したいところまでホースをひっぱり、親指で上部のボタンをカチっと押せば水が出る感覚が心地よく、使うほどに、「水を操ってる」ことを実感できます。

ヘッドの正面についた細長い切り替えスイッチで、通常の吐水、シャワータイプが切り替え可能です。

ホースを長めに引き出せるよう設定すれば、シンク脇の天板に置いたケトルやお鍋に水を注いだりといったことも可能です。水の入った重いお鍋をシンク底から持ち上げなくてよいですし、大きい花瓶に水を注ぐ時なども便利です。シンク底に置いて、濡れた底面を拭く手間もなくなります。

水を出したいところまでホースを伸ばして、ボタンをプッシュ!

お好きなデザイン3タイプからお選びください

スパウト先端の形状はどれも共通ですが、温度調整、吐水量の調整をどこで行うかによって、デザインは3タイプに分かれます。どれも最初に元栓を開くようにレバーを開き、その後は、プッシュボタンで水をコントロールします。

まずは、一般的な水栓のように根元にレバーが付いているタイプ。前後左右に倒しやすいように面を削ったレバー形状が特徴的な「フィンレバー」と、ティアドロップ型のレバーと円すいの根元が特徴的な「ドロップレバー」の2種類です。

もう一つが、最初しか触らないなら、根元のレバーをいっそ水栓本体から切り離してしまおうという画期的な考え方の「セパレート」タイプ。操作部は、水栓横やシンクの手前など、自由な位置に取り付け可能です。天板裏で給水ホースを取り回ることになるので、使い勝手と合わせて、取り付け位置を検討ください。

(左)セパレート(中)フィンレバー(右)ドロップレバー 立ち上がりの高さもそれぞれ異なります。

いままで、「キッチンを使った後の掃除のために水栓はホース式がいいな」と思っていた皆さん。この水栓を使うことで、ホース式の水栓とのつきあい方、活用頻度が変わると思います。

我が家も、工事全体で予算が膨らむ中、ちょっと背伸びしたお買い物でした。けれど、どうしてもこれが使ってみたいとがんばりまして、結果、家の中で一番大満足なパーツに。水栓一つ変えるだけで、キッチンでのふとしたアクションがすごく楽になり、身体の延長のように水をコントロールできる快適さを家族で体感できています。

ある取材で、毎日触って使う包丁などと同じで「水栓金具はキッチンツール」とキッチンのプロが語っていて、愛用中のスタッフみんなで共感しています。

料理の時はもちろん、コーヒータイムや、植物への水やりなど、一日の中での水とのつきあい方が変わってくる。少し先のキッチン界のスタンダードになりそうなプッシュ操作をぜひ体験してみてください。

(担当:青 / テキスト:来生)

関連記事

設置が難しいイメージのある海外製の「ハンマーヘッド水栓」。本当にそうなのか?キッチン水栓が壊れてしまったスタッフ宅で取り換え工事をしてもらいました