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光を和らげ、風を取り込む。(撮影:Atsushi ISHIDA)

障子リバイバル

どうです、この凛とした佇まい。

現代の空間にもしっくり馴染んでくれていながら、障子が本来もっている柔らかさや軽やかさはそのまま生かされています。この障子ならフローリングが貼られた空間にも馴染みますし、和室もすっきりとモダンな空間に仕上がります。

障子特有の格子の桟を極限まで減らすことで、「和風」から脱却し、それでいて日本人としてのDNAをくすぐってくるしっくり馴染む感じ。

十数年ぶりに会う地元の同級生が、びっくりするほど美人になって帰ってきたような、そんな新しい建具との出会いです。

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障子特有の格子の桟を極限まで減らすことで、「和風」から脱却。(撮影:Atsushi ISHIDA)

思い出した障子の魅力

日本人が発明した誇るべきプロダクト「障子」。障子を前向きに考え始めると、よいところがたくさんあったことを思い出します。

障子と窓の間にできる空気層は、夏の暑さを和らげ冬の冷気を抑えてくれます。ぴしっと隙間なく閉じることができるので、カーテンやブラインドよりもその効果は高いと考えられます。

和紙と木だけというシンプルで自然な素材でつくられた素朴さは、あらゆるシーンにすっと馴染んでくれます。なかでも太陽光を拡散して柔らかい光に変換してくれる和紙はやっぱり魅力的です。

奥の気配を前に伝える性質のある和紙は空間に奥行きを与えてくれます。部屋を仕切る間仕切りに使えば曖昧な境界となり、モノを隠す押入の襖の代わりに使えば、奥にもまだ部屋が続いているような錯覚をするかもしれません。奥を隠しつつも漂わせるという、なんとも日本的な曖昧性を生み出してくれます。

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押入や和室の襖の代わりにも使える白い建具。(撮影:Atsushi ISHIDA)

ULTRA LIGHT

建具としては世界最軽量と言えるのではないでしょうか。軽いので気軽に今ある襖や障子と交換することができますし、戸を閉めるときに指をはさんでも怪我をしない。もしなにかの拍子で倒れてくるようなことがあっても潰されることはありませんね。

挙げ出すと切りがないのでこのくらいにしますが、やっぱり我らが障子は、なかなか優れたプロダクトだと言わざるを得ません。

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桟の部分をグレーに塗装。また違った雰囲気で使うことができます。

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リノベーションされた空間にも似合います。(グレーに塗装)

こだわりの素材で老舗がつくる

伝統的なものは、伝統のある老舗につくってもらいたいものです。この障子を作ってくれるのは、創業100年を越える山形の老舗建具屋「齋藤勇治建具店」です。

障子枠の材料には障子で使うことはほとんどない高級材である「秋田杉」を用い、少し贅沢な特別感を与えてくれています。

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もちろん和室の引き違い戸としても和になりすぎず、ちょうどいい。

また和紙は一般的な障子紙と見た目は変わらないのに、通常の5倍の強度を持つといわれる「タフトップ」を採用してくれました。破れにくくて水にも強い。それでいて貼り替えが必要な時は一般的な障子紙の貼り替えと同じ方法でできる素材です。

シンプルで洗練された印象を生み出すために、見えない工夫が詰まった新しい障子です。

この特別な障子から生まれる新しい暮らしを楽しんでもらえたらと思います。

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秋田杉と障子紙の繊細なディテール。(撮影:Atsushi ISHIDA)

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きちんと採寸すれば、既存の障子や襖と交換できる。(撮影:Atsushi ISHIDA)

開発パートナー:デザインライフ設計室 青木律典

(担当:荒川)