心地よさを壁の向こうへ
リビングのカーテンを開けると、朝一番の光と風が隣の寝室にまで差し込んでいく。やわらかな光とほのかな風がまだ寝ている人の肌をそっと撫でて、朝を知らせる。
光と風を感じること。なんでもないようで、あまりに心地よい。陽だまりを見つけては少し口角が上がるくらいには自ずと身体が求めている要素なのだと思います。
そんな窓辺の気持ちよさを、暮らしの中心だけでなく、壁の向こうにもおすそわけできたら。ただの壁に窓辺を生み出す『木製ガラス窓』です。
腰高サイズの妙
toolboxで室内窓というと、小窓サイズで空間のアイコンになる「木製室内窓」が10年来のベストセラー。対して、この「木製ガラス窓」は大ぶりにつくりました。両手を広げたくらいの幅で、高さは1m前後。いわゆる、腰高窓です。
腰高窓サイズの室内窓は、リビングと個室の間のような曖昧な空間をつくり出します。例えば、夜から早朝までしか使わない寝室、カフェで作業する感覚で使いたいワークスペースなんかは、個室ではあって欲しいけれど、実は壁で完全に仕切られていなくて良い。そこに心地よい光が差し込むならむしろ好都合だったりします。
「木製ガラス窓」が生み出すのは、壁に囲まれた安心感はあるけど視界は抜ける不思議な感覚。4畳未満のこぢんまりとしたスペースでも、窮屈さを感じさせません。
これが、掃き出し窓のように下まで見えてしまうと個室のプライバシーがあまりありませんし、小窓だと場合によっては窮屈さが残る。
見えるけど仕切られている。そのどっちつかずな曖昧さが、付かず離れずのちょうど良い居場所となってくれるのです。
奥行き際立つ細フレーム
個室をつくるとその分面積は狭くなる。広さをとるために個室を諦めるということもあるでしょう。けれど、「木製ガラス窓」を介すると、むしろ壁と窓があることで見える空間に奥行きを感じる。視覚というのはなんとも不思議なものです。
例えば、暮らしの中で、新たに個室が必要になったとき。目線の高さの抜けはそのままに、リビングの一角などに小さな個室を生み出せます。
気持ちよく視界が抜けるのは、装飾性を持たせず、「ただシンプルな室内窓」としてつくったから。内装に違和感なく溶け込む無垢の白木で仕立てた窓枠と中桟は25mmと細く、桟は開閉機構に必要な本数だけ。そうしてできる限り広くとったガラス面が、壁の向こうに視線を導きます。
一言にシンプルと言っても、大きくなった室内窓をこの細さでつくるのは、そう簡単ではありません。これまでも「木製室内窓」の製作を手がけてきた老舗の建具屋さんの蓄積された技術によって成り立っています。
壁に風穴
中桟に指をかけてスッと引く。「木製ガラス窓」を開けると、空気とともに家の気配が流れ込んできます。料理のにおいやドアが閉まる音、ラジオの声。
空気を通せるからこそ伝わる安心感は、孤独さを和らげ、むしろ自立した関係づくりに一役買ってくれるでしょう。
壁に仕切られる良さを残しつつも、閉塞感に風穴を開けた「木製ガラス窓」。個室を諦めていた理由から解放されて、自分の部屋が欲しいという素直な気持ちに向き合えそうです。
窓辺の心地よさとともに、自分らしくいられる時間も吹き込んでくることを心から願っています。
開発パートナー:AIDAHO Inc.
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