今回紹介するのは、離島の山の中にある築80年越えの古民家を購入して改修し、3〜9歳の三兄弟と夫婦の家族5人で過ごす豊かな暮らし。

古民家を自分たちの手も加えながらリノベーションされ、暮らしてからもお家を大切に育てている様子と、離島の山の中という環境を存分に活かした暮らしをInstagramで拝見。そこに惹かれて、お話を伺いました。

子供と過ごせるのは後10年かも。それなら今をとにかく楽しく過ごしたい

思い通りの家をつくりたいと新築を建てるつもりで、まず最初に行ったのは土地探し。

探していたエリアには新築を建てようにも土地はなく、逆に空き家が多くて問題になっている現状を知り、状態の良い古民家を改修するのも面白いかなと次第に思うようになったそうです。

「島出身の主人が希望する地域は限られていたので、二人で歩いて回って、空いていそうな家の近所の人に持ち主を聞いて、購入可能かどうか確認するという方法で家を探しました。今の家にした決め手は、近所に年の近い子供が住んでいた事が大きかったです。」

お家のコンセプトは「小さく暮らす、子供との10年間」。

設計は、思い通りの家をつくりたいと建築士の資格を取得していた奥様が担当しました。

「住まいがある場所は離島で、進学や就職で子供が家を離れる可能性が高いため、子供が小さい時期をとにかく楽しく過ごすことを優先させたいと思いました。」

自分が家づくりを楽しんでいる様子を見せて、それに合わせて子供たちも楽しんでくれたらラッキーだなという感覚だったそうです。

手すりは『木の手摺』のメープル。

1階は仕切りを無くして、広々とした空間に。お子様が遊び回っている姿が想像できます。

2階は子供達専用のスペース。大人は頭をぶつけてしまうほど天井が低く、勾配がついているのでロフトのような空間です。

実は「小さく暮らす、子供との10年間」というコンセプトに決めたのは、子供部屋にしようと決めたこの部屋の構造が大きかったそうなんです。

「とにかく天井が低くて梁も頭をぶつけそう。仕切りもなくて音は筒抜けで、子供が高校生くらいになったら使いにくいだろうなと予想できました。でも、今ならこの低くて狭い場所を楽しい遊びの空間として活かせる!たとえ10年後に再度改修することになったとしても、今を優先させたいと思いました。

成長と共に支障がでてきた時に、また改修するかどうかを考えるのが楽しみでもあるのです。」

自然素材、無垢材を意識的に取り入れる

山の中腹に位置するこのお家は、いつか山に還るようにつくられたのだと感じるほど、木と土でできていました。改装前から自然と調和しているような古き良き建物だったのです。

改修に使用した素材は、木・土・漆喰・ガラス・タイルに絞り、自然素材と無垢材を中心とした温かな空間に。

「改修時に、解体や廃棄を自分達でもして、朽ちた木材は置いておけば土に還るけど、プラスチックはいつまでも残っているなと感じました。漆喰もタイルも、すぐには分解されませんが、長い年月で風化していくとして、新しく入れる部材も山に還ることができる物にしたかったのです。」

床材は、無垢フローリング。家族みんなでオイル塗装して仕上げをします。

使用したものは『オスモカラー クリア』。オスモカラーはドイツ生まれの自然塗料で、植物油が木に深く浸透することで、木を内面から保護すると同時に、木目の美しさを引き出すことができるものです。

「素足で触れる箇所は艶が出てとてもなめらかです。でも、階段下や家具の下は、同じ様にオイル塗装したはずなのに、ザラザラとして乾燥していて、その違いに驚きます。」

外部の建具やダイニングテーブルも無垢材。

建具は、オスモカラーの外装用クリアープラスで仕上げています。

天板で使用しているのは、オスモカラーのカウンタートップオイル。

「浸透性のあるものなので、塗膜系の塗装に比べて傷がつきやすかったり、メンテナンスの頻度が高く、負担に感じる方もいるかもしれません。ただ、土と木でできており隙間が多く風通しの良い古民家には、木が呼吸できる浸透性のオイル塗装が適しているように思います。」

メンテナンスは家を育てること

メンテナンスの頻度やタイミングは特に定めていないそうで、「やりたいな、今やるぞ!」と思ったタイミングがやり時。掃除と同じような感覚だそうです。

普段生活していて特段汚れが気になることはなく、だいだい夏と冬に一度ずつやっているとのこと。

まずは家具やおもちゃたちを端に寄せて。それから専用の洗剤で汚れを拭き取り、ワックスを垂らして、乾拭きして完了。

使用しているのは、オスモカラーの『ウォッシュ&ケアー』と『ワックス&クリーナー』。

植物油で出来た自然塗料なので、繰り返しのメンテナンス時にお子様がいても安心です。

「好きな作業なので自分一人でもルンルンで出来ますが、子供達に声を掛けるといつも一緒にやってくれます。雑巾掛けの要領で楽しいようです。」

写真からもお子様たちが楽しんでいる様子が伝わってきて、子供の頃の思い出の一つとして、記憶にしっかり刻まれているだろうなと思いました。

革製品もお好きだということで、レザーも一緒にメンテナンス。

こちらは、洗剤を泡立てて浮かせた汚れを拭き取り、クリームで保護します。

「自然素材の良さを今は理解せずとも、大人になって他の家に住んでみて「子供の時の家、よかったな」と思ってくれたらこれもまたラッキー。メンテナンスなどを楽しい時間を共有した、これが家族の歴史や財産として蓄積されると思ってます。」

どのメンテナンスにも共通するのは、汚れをとって保湿するということ。

「これはお顔のスキンケアと同じだなと思います。何度もケアすることで愛着が湧き、家を育てているような感覚でいます。」

縁側で家族団欒。そんな素敵な日常があります。

家族みんなでメンテナンスして、家を育てる。

それが日常の中、さらにいうと遊びの中にあって、ゆっくりと時間をかけて、自分の家らしく楽しみながら仕立てていく家づくりって素敵だなと改めて感じました。

内装もとても魅力的で工夫が詰まっているので、そちらについてはuser’s reportにて詳しく紹介したいと思います。

そちらもお楽しみに。

島での日々の暮らしはこちらからご覧いただけます。

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テキスト:三上