ショールームの展示は、一度つくったら終わりではありません。スタッフが自ら手を入れて、日々更新し続けています。この連載に込めた想いや意気込みは、こちらのコラムも合わせてご覧ください。
いつか変えたいと思っていた場所
みなさん、家づくり妄想してますか〜?ショールームスタッフのももちです。
今住んでいる家で、「この場所、使いづらいな」とか「もっとこうなったらいいのにな」と思いながら、そのままになってしまっている場所はありませんか?
実は、ショールームにもそんな場所がありました。それがこの場所です。
ここは、お客様が脱いだアウターや荷物を置いてもらうために設置したベンチスペースです。
実際には、荷物置きだけでなく、お子さんが座って絵本を読む場所として、ショールームの中で人が集まる場所になっています。
しかし、このベンチはもともとテレビボードとして販売されていた物のため、人が座ると木の板が少しガタガタしたり、高さが低くて、子供が後ろの本棚にある絵本を取りづらい、座ることや荷物を置いていいことを伝えないとそもそも使ってもらいにくいという課題がありました。
すでに活用されている場所だからこそ、もっと子供も大人も居心地の良い場所にできないかな、とずっと思い続けていました。
そんな時、『クリンカータイル』の発売が決まりました。
毎回ショールームでは、新商品の発売が決まると、その商品の展示方法をチームで検討していきます。
実際に施工した写真を見てみたり、イメージの写真などを集めたりしながら、
「もしかして、この場所をクリンカータイルで変えることができるのでは?」
「ショールームでベンチとして展示すれば、ただタイルを見るだけではなく、座ったり触れたりしながら、クリンカータイルの質感や魅力も自然に体感してもらえるかも!」
とイメージが少しずつ膨らみ始めました。まずは、その妄想をイラストに描いてみることにしました。
イラストを描いてみたら、見えてきたこと
まずは、ベンチを設置したい場所の写真を撮り、その写真の上からイラストを重ねていきます。
普段から展示を考える時には、自分の頭の中で考えていることをイラストにしながら整理して、みんなに共有しています。
私のおすすめは、実際の設置場所を採寸し、展示物がくる位置をマスキングテープで床や壁に示してから写真を撮る方法です。
そうすると、実際に置いた場合に近いイラストを簡単に描くことができるんです!
だから、絵が得意でなくても大丈夫。私自身、昔お絵描きが好きだっただけで、勉強したことはありません。完成した時の空間や、寸法のイメージが自分の中で確認できることが大事です!
そうして出来上がったイラストを、ショールームの展示を考えているメンバーに共有していきました。
すると、メンバーの1人からこんな質問が。
「目地はどうするの?」
思わずハッとしました。
タイルを使ってベンチを作りたい!の気持ちが先走り、ざっくりとしたイメージしか考えていませんでした。
目地の幅や色によって、完成した時の印象は大きく変わります。
なので、改めて自分がどんな印象のタイルのベンチにしたいのかを考えてみました。
・家族と一緒にショールームへ来たお子さんが、そこに自然と座りたくなること
・「こんなベンチが家にあったらいいな」「クリンカータイルの質感が素敵だな〜」って思ってもらえること
そんなイメージに近づけるために、子供がわかりやすい形やリズムに感じられるメリハリのある真っ白の目地。
そして、保育園や学校、プールなど、きっとどこかで見たことある「クリンカータイル」を、今の空間に馴染む軽やかな印象にするために、細目の3mm目地幅に決めました。
自分たちでやって気づいた立体の難しさ
次に考えることは、タイルを貼り付ける土台をどのように作るのかです。
今回は、TBK(ツールボックス工事班)に依頼をして作り方を教えてもらいました。
作り方がわかれば、ベースの土台の木材をカットするために寸法を出していくのですが、私はその計算を間違えてしまいました。
間違いに気がついたのは、土台が出来上がってこれからタイルを貼ろうとした時でした。
確認しながら進めてきた図面そのものが間違っていたとは…。
タイルの厚みや目地幅、土台の厚みなどが絡み合っていて、寸法はどれもミリ単位の計算です。
そのミリ単位の計算を間違え、片側のタイルが足りなくなり、反対側はタイルをカットしないと収まらない仕上がりになってしまいました。
平面にタイルを貼るのとは違い、立体的なものにタイルを貼る場合は、上からみた時にどうなっているのか、それぞれ横から見た時にどうなっているのか、など多角的に図に起こしてみないと見落としやすいです。
土台のほんの数ミリが、立体のタイル貼りでは、大きく影響を与えるものだと作ってみて痛感しました。
また、「クリンカータイル」は普通のタイルより厚みがあり、表面に釉薬がかかっていないため目地材が付くと拭き取りづらいです。
そのため、目地の入れ方がいつものタイルDIYとは異なる部分もあります。
詳しくは「クリンカータイル」のhow to makeコラムも今後アップの予定ですのでお楽しみに。
そんなトラブルもありましたが、無事に「クリンカータイル」のベンチが完成しました。
厚みがあり、ざらっとした質感と色味が魅力の「クリンカータイル」。
このようにベンチとして使うと、この空間ごと新鮮に見えてきます。
また、いつも見慣れているショールームが明るくなって、観葉植物を置いたり、クッションを置いたり、ショールームの背景としても空間を引き立ててくれるようになりました。
先日行われたアンティークショップのPOPUPイベントの時にも、その上に素敵な商品が並んでいて、クリンカータイルのベンチがあってよかった!と思うほど、大活躍でした。
思い描いていた風景に変わったショールーム
ショールームで荷物置きや休憩場所としてご案内していたベンチ。この場所がもっと多くの人に気づいてもらえて、大人も子供も居心地よく過ごせる場所になったらいいな。そんな思いで始まった「クリンカータイル」の展示計画。
ベンチが完成した最初の週末。
こちらからご案内する前に、お子さんが絵本を手にとり、ベンチに腰をかけて読んでいました。
そして、その姿をお母さんが写真に収めている様子も。
「お子さんも居心地良さそうに過ごしてくれているし、このベンチが誰かの記憶に残る場所になってるんだ!」
という嬉しい瞬間でした。
以前は待ち時間に座るためのベンチだった場所が、自分から座りたくなる、過ごしたくなる場所へ変わっていったように感じます。
また、ベンチに少し高さが出たことで大人も座りやすくなり、親子で並んで座る姿や、自然と荷物を置いてくださる様子も増えていきました。
でも、実はこれで完成ではありません。
最初のイラストに書いていたように、今後このベンチにメタルハンガーラインも設置される予定です。冬にはコートもかけてもらえますよ!
ショールームは皆さんの暮らしと同じように、これからも手を入れながら育てていきます。次回もお楽しみに〜!