まず目に入ってくるのは、天井いっぱいに張られた板張り。
面積たっぷりと木があしらわれているので、それだけで上質のある印象を感じることができます。

そして、天井とリビング床の”木”にサンドウィッチされてキッチンの床や壁には、硬質の”磁器質タイル”が使われています。
木と石の対照的な質感が、お互いの持ち味を引き立て、一層高級感ある雰囲気にしてくれています。

さらに印象的に写ってくるのは、長さ2.5メートルの大きな無垢のダイニングテーブル。
そんな大きなサイズにも関わらず、足元のスペースをスッキリ見せるため、テーブル脚2本で支えられています。
おかげで、遮るものがなく、キッチンの壁際まで視界を見渡せますね。

そんな細部までこだわったキッチン空間の中に、黒いダクトレールと、アイアンの棚受け金物が、さりげないポイントで空間に効いています。

キッチンからの眺望も素敵。
天井の木目に沿ってそのまま外へ目を配ると、都心のビル群が見えます。

料理をしながら、景色を楽しめたり、夕食をしながら夜景が見れたり、居心地は最高ですね。

時間の経過とともに、窓から差し込む光の影が変化していくのもまた居心地を感じる要素。
いろんな風景を体感できるこの場所は、ずっと居たくなる、そんなキッチンです。

お部屋のどこかにお気に入りの場所があるっていいなと思わせてくれる事例でした。

(オビ)

向坂建築設計事務所

住宅や店舗、オフィスの新築やリノベーションを手掛けます。
空間の持っているポテンシャルを最大限に引き出しながら、言葉にすることが難しい部分を捉えて形にしていくことを大事にしています。

PS-BK001-01-G141
¥2,900/本

関連する事例記事

里山の眺望を望める見晴らしの家
里山の眺望を望める見晴らしの家
周囲の豊かな景観を楽しめるよう、スキップフロアを取り入れた住まい。手触りが心地よいアイテムで彩られたこだわりの造作キッチンや素材感漂う空間づくりのポイントをご紹介します!
「公園のようなオウチに住みたい!」娘の無邪気なオーダーから生まれた、庭と繋がる住まい
「公園のようなオウチに住みたい!」娘の無邪気なオーダーから生まれた、庭と繋がる住まい
今回ご紹介するのは、設計事務所に務められている建築家の自邸です。広い敷地を生かし、建物の手前と裏手にそれぞれ性質の異なる大きな2つの庭を持つ、小さなお家。戸建てならではの醍醐味でもある庭を楽しむための工夫や、小さいながらも柔軟に変化していける余白を残した間取りのアイデアを伺ってきました。
光が巡る、家族が繋がる
光が巡る、家族が繋がる
今回ご紹介するのは、若いご家族が暮らす小さな家です。 建築面積が14坪程度と少し小さめだったり、隣地建物との関係で南側からの採光が難しいという環境にもかかわらず、明るく広々とした空間を実現しました。
“回転扉”でぐるりと回遊できる変形ワンルーム
“回転扉”でぐるりと回遊できる変形ワンルーム
回転扉やスキップフロアなど、面白い仕掛けに富んだ72㎡のマンションリノベーションの事例です。